SS付き電子限定版
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『神』評価です。
ちょっと思っていた話と違いました。
ここまで、病んでいるとは。。。
ここ最近読んだ中で、ダントツの病んでいる攻めです。
途中で何度も背筋がゾクゾクとして、うすら寒い気持ちになりました。
やってることは紛れもなく犯罪。
ひどすぎる。
ひぇーー、そこまで、する???
って、ひいてしまう。
でもね。なぜか、攻めを応援しちゃってる自分に気づきます。
受けの戸惑いや恐怖は十分、伝わってきます。
それ、ダメでしょうってレベルなのに。
よかったね、恒星。
男前だよ、広夢。
そして、さらにSSが、未来を感じさせるもので良かった。
SS付き電子書籍を購入。
本編「俺の許可なく恋するな」
短編「俺の許可なくお残し禁止」が収録されています。
本編
弁護士志望の広夢(受け)は法科大学院に進む年、小学校の同窓会で2年だけ一緒だった片桐恒星(攻め)と12年ぶりに再会します。
在学中に司法試験まで合格したという恒星に勉強を教えてもらうことになった広夢は連絡先を交換しますが、驚くほど近くに引っ越してき、広夢の部屋のカーテンや電気を気にするようなそぶりをするストーカーじみた行動に恐れをなして、逃げてしまいます。
6年後、弁護士になった広夢は同じく弁護士として大手事務所で働く恒星と再会するのです。
私は受けを溺愛する攻めの話が大好きです。
その流れで、受けに執着しすぎて病みぎみな攻めも大好きです。(それを受けが良しとすることが大前提ですが)
それでも広夢は人が良すぎました。
最初、恒星と仲良くなるきっかけも、虐められていた恒星をかばったからで、あの時出会ってなかったらきっとお互い違う人生を歩めたんじゃないでしょうか。
再会した際のストーカーじみた行動も、あとからそんなに警戒することじゃなかったのかもと思ったり、自分が悪いんじゃないかと思ったり、そういうところが恒星の思うツボだったのでしょう。
最初と最後が恒星視点で、本編のほとんどが広夢視点です。
この順序がうまくできていて、最初に恒星の辛い日常に共感してしまったので、広夢と一緒にいる際に恒星が発した台詞の意味もわかってしまうし、広夢視点だけなら気持ち悪い行為の連続も恒星を悪く思えないのです。
ほとんど広夢視点なのに、広夢からみるとひどいことをされているのに、感想として思い浮かぶのは恒星のことばかりという不思議。
恒星は気の毒な子供でした。
小さい時から母親から虐待を受け、父親は全く無関心。二人とも恒星の成績にしか関心を持たないひどい親でした。「現実感喪失」という体質のせいで、自分の悲しみや寂しさなどを実感できないでいたため、虐待を受けても虐めを受けても、表面上は傷ついていないように見えました。それでもきっと深いところで傷ついていたんでしょう。
自身の感情がわからず、お腹が重いとか冷たいとかの症状が「寂しい」とか「悲しい」とか広夢から教えてもらうという不思議な状況には、今まで誰もそこまで近づけることができる相手ができなかっただということがわかって切ないです。
最初の再会で逃げられてしまった恒星は周到に広夢と近づく機会を作り、信頼してもらうよう動きます。
俯瞰でみているこちらには真相がなんとなくわかるので、こんなに病んだ男に執着されてバッドエンドになるのではととても心配しましたし、広夢を失った時の恒星の思い切りの良さには驚きました。人の好い広夢はここまでするなら仕方ないと白旗をあげるのですが、ここで切り捨てられる人はよほど確固たる信念がないと無理なんじゃないかと思いました。
広夢はおもいっきりほだされ受けでしたが、作者様もあとがきで書かれていましたが本当に男前受けでした。
それでも、最後まで自分を見失わなかった広夢は凄いと思いました。
短編では二人のその後が少し書かれてあります。広夢視点。
恒星は広夢と一緒にいることで「現実感喪失」の症状が良くなってきて、感情や味覚などが少しクリアになってきます。
他人への不満をもつようになったり、苦手な野菜ができたり。
苦手な野菜を我慢して食べる姿は子供のようでかわいらしく、広夢と一緒にいることで人間らしくなっていく恒星がほほえましいです。
それにしても、恒星が不安にならないようにしながら自分の時間も持つために一番のプライベートを渡してしまえる広夢は凄いです。
広夢が傍にいる限り、恒星は人間でいられるような気がします。
広夢にはぜひ長生きしてもらいたいものです。
BL歴が長くなるにつれて展開などの理想も高まる今日この頃。
色々な執着攻めを集めている私ですが、この本は読んでる途中で絶対にレビューを書こうと決めていた。
ネタバレを見なくても読んでいる段階で、展開などは分かってしまうがそれでも良い本だった。
途中はドキドキで、でも最初から理想を書いたような本。
それだけ期待が高い故に最後は違ったらどうしよう…と読み進めていきました。
ーーーー完璧でした。
作者さんの出している本を買おうと決意するくらい良かったです。
このカプは「依存×ほだされ」だと思います。
そして付き合うまでのお話です。
ぜひ、ぜひその後の展開など続きを読みたい一冊です。
いや〜、ねっとりした敬語攻めの執着っていいですね。。
なんだか新しい性癖を掘り起こされた感じがします。
もう犯罪級(というか犯罪)のことをしてしまってるんだけど、
敬語なのと、妙に素直なところがあるのとで、なーんか憎めないんですよね……恒星。
恐怖を感じて家を出る広夢に「来るなよ…いいか、動くなよ」と言われれば、
足は決して動かさずに上半身だけひねって広夢に手を伸ばす。健気っ…!
「お願いです、嫌わないで」と必死の顔で縋る恒星に、受けより先に絆されちゃってる自分がいました。犯罪級の行いさえなければ健気ワンコ。。
いやでも、その犯罪級の執着があるからゾクゾクするし萌えるんですよね…
一度読み終わった後も、何度も読み返してゾクゾクと萌えのおかわりをしてしまう一冊です。
ザ・執着攻めな作品です。なんと言うか、明らかに異常な執着ぶりなのですが、不思議と可愛く見えてくる、ニュータイプストーカー?
執着攻めと言うと、サイコパス系のイッちゃってるキャラを多く読んできた私からすると、妙に新鮮でした。
存外可愛らしい作品だと思うので、執着ものが好きな方はチェックしてみて下さい。
内容です。
小学生の頃、いじめっ子から庇った同級生・恒星に、同窓会で再会した広夢。同じ弁護士を目指す二人は再び親しくなります。しかし、共に過ごすうちに恒星のストーカーじみた言動に恐怖を感じた広夢は、彼との関係を一方的に絶ち姿を消します。その数年後、弁護士となった広夢は、法廷で再び恒星と再会しー・・・というものです。
こちらの作品で何が萌えるかって、恒星の執着ぶりじゃないでしょうか。
元々「現実喪失感」と言う、自分に起こる出来事が現実感を伴っていない感覚を持っている恒星。小学生で広夢に助けられた時から、彼だけが鮮やかな現実感を伴うようになるのですね。ここから恒星の長いストーカー人生の始まり。頭はいいのに純粋で上手く立ち回れない彼は、大学生の時、一気に広夢に近付き過ぎて逃げられてしまいます。その反省点を生かし、今度こそ!!と、万全の計画を練って広夢に再び近付くワケです。
こう、ちょくちょく恒星の異常性みたいのがエピソードなんかで書かれていて、受けの広夢のみならず読者も背筋が寒くなったりします。
また、一度怖い思いをしてるのに、アッサリ騙されて恒星を信用し、無防備な姿を見せる広夢には「おい、おい!」と思わずツッコミを入れたくなります。
広夢を手に入れる為に、手段を選ばない策士家の一面を持つ反面、その純粋さが妙に憎み切れない恒星。ホント、監禁したり一服持って犯したりと、やりたい放題やってるのですが、その一途な好き好き攻撃がワンコを思わせるんですよね・・・。「ストーカーを好きになるってあり得ないだろ!!」とは言わせない、この妙な可愛さ。彼が究極の執着攻めなら、広夢は究極のほだされ受けて感じでしょうか。
そんな感じの、かなり粘着質な犯罪行為ありのストーカー作品ながら、最後には可愛いと思わせてしまう不思議な作品。執着もの好きな私は、とても楽しく読めました。