茶鬼さんのレビュー一覧

色街淫花 小説

矢城米花  小山田あみ 

男前でエロい身体

購入予定じゃなかったのですが、表紙イラストの美麗さに惹きつけられました。
緋色格子の奥にいる二人の艶やかさが際立つ表紙ももちろんですが、何と言っても一番ひきつけれるはカラー口絵!!
絶品なんです☆☆☆
主人公に食い込む荒縄、黒い布でされたさるぐつわ、ほのかに色づく乳首に緋襦袢が♪
最近小山田イラストが神かかっていて、もう眼福ったらないのです!!

さて、お話のほうですが娼館が舞台で主人…

8

はなだま人魚 小説

沙野風結子  乃一ミクロ 

人魚伝説

少し古い時代、伝説を絡めた島での出来事、兄弟の禁忌に人外と、それらのバランスがとてもよく、ぐいぐいと物語に引き込まれます。
なんといっても、ラストの終わり方!心憎いではありませんか。

唯一の家族であり兄弟である身体の弱い弟・八尋と、彼の為に教師を諦め宝石商で奉公している兄・正梧。
天然真珠の産地であり、彼等兄弟の母親の地元である常月島で花珠の真珠が採れなくなってきている。
それを調べる…

11

熱砂と月のマジュヌーン 小説

木原音瀬  笠井あゆみ 

ぶれのないアラブ

『FRAGILE』が08年で、この作品の同人発表が06,07年だとすると、ひょっとして『FRAGILE』はこの作品をたたき台にして出来たもの?
そう思えるほどに、主人公が重なります。
しかし舞台がアラブだけに、その内容は日本が舞台のものとは比べ物にならないくらい残酷で容赦なく、徹底して救いがないように思えます。
しかし、書き下ろしが付いた事でその最後の最後に訪れるほんのわずかの未来への光にと…

22

魅惑の甘い毒 小説

ふゆの仁子  亜樹良のりかず 

嘘と真実

作者さんが、今回は絶対攻めキャラを最後までヘタれさせないと決めて書かれたそうで。
全編通してシリアス展開の、謎を秘めたサスペンスタッチで、甘さはラストまでおあずけ・・・な感じで進行する物語でした。

総合商社の社員である神部が元防衛省から成り物入りで入ってきた他部署の篠井という男に、ゲイなのをたてに取られて無理矢理同行させられることになったモナコでの平和国際フォーラムという名を借りた兵器見本…

2

狂愛 小説

櫛野ゆい  陸裕千景子 

愛が狂わせる

前作『凶愛』と同じ遊郭を舞台にその10年程前の設定。
その作品で主人公だった雅もちょこっと登場してますが、10年前設定って!?雅は幼くして客を取っていたのかと、ちょっと憐れに。
さておきこの題名、まさに”狂う程の愛”なのか”愛ゆえに狂ってしまった”なのか
読み終えてそのどちらも存在していたように思います。
本当は想いが通じ合っていたはずなのに、
過去にこだわり歪んでしまった攻めと、純粋が…

2

君恋ふ 下弦のうつろひ 小説

chi-co  旭炬 

帝は帝

祖母の家の倉の長持ちの中に落ちて平安のような時代へタイムスリップし、帝の后にされてしまった高校生のお話も、いよいよクライマックス。
あと1冊を残し最後になります。

現代へ戻る術がわかり池に飛び込んだ時、一緒に帝も戻ってきてしまったのです。
帝のいる世と違い文明のあるこの世で、ひょっとして展開的には、俺様な帝が千里の立場に立った事で彼の気持ちを知り近づいていくのかな?
なんて予想は見事に…

1

優しいプライド 小説

砂原糖子  サマミヤアカザ 

彼の欲しいもの

02年アイスノベルスの新装文庫版
「愛しいプライド」が新たに加えられた短編です。

その生まれから疎まれ仲間外れにされてきて、そこから逃げ出しホストになった志上。
彼が車と事故を起こし、その運転者が元同級生で現在病院の研修医となっている保高との再会となる。
右手首の骨折のため、生活に不自由な志上を保高は自分の家に住まわせ共同生活を始める。

健気に尽くす保高に志上がほだされたという簡…

7

狂犬は一途に恋をする 小説

野原滋  三池ろむこ 

その男、人情派

なかなかテンポよく、キャラクターの性格もとてもよく出ていて、展開のまとまり具合が程良い感じ。
決してこじんまりではなく、面倒見の良い人情派×ネガティブ男の組み合わせとキャラクターを楽しめちゃう1冊でした。

その体格から何かと絡まれ、人情に篤いことから慕われて頼りにされて、いつの間にかついたあだ名が「浦安の狂犬」
その腕っぷしの強さからボクシングにスカウトされるが、さる事情により現在の人材…

2

修羅の華 小説

水原とほる  高緒拾 

自ら選ぶ己の道

東洋のどこか小さな国にある町が舞台の物語。
年中太陽が照り、寺院が人々の拠り所となり尊敬される僧侶がいる、そんな場所はタイ・ミャンマー・カンボジアやバングラデシュあたりを連想するといいか。
残念ながらどこかの外国モノ設定ではあっても、その国の空気や風や匂いを感じる異国情緒は薄めかもしれません。

両親が亡くなり、叔父・叔母に引き取られて暮らしていたアーシャだが、生活が苦しくなり寺院に預けら…

5

ふったらどしゃぶり When it rains, it pours 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

現実とファンタジー

同棲している恋人からセックスを拒まれて、不満があるのにどうしようもできないでいるセックスレスの男と、
好きな男と一緒に住んでいて「好き」という言葉は返してもらっているのに、自分を束縛するように側にいるのに片想い状態で抱いてもらえない男。
背景に、セックスレス、射精障害などの精神と肉体の問題を提示してやけにリアルを置いているのに、主人公達の結末はファンタジーだ。
この差がどうにも自分的にしっく…

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