茶鬼さんのレビュー一覧

ばかいぬ~制服のわんことキャリア姫~ 小説

二條暁巳   

愛に突っ走るバカワンコはBL界の「こち亀」かと思ったよ。

タイトル通りのバカイヌが大活躍のしっちゃかめっちゃかラブコメです。
最初からハイテンションで、思わずお前は両さんなのか!?とあせりました。

警察内の悪を容赦なく摘発するため、皆から”悪魔のロキ”と恐れられる美形のメガネ(腕カバーをつければ役所の戸籍係り)監察官等々力。
職務規定違反で警官を一人連行する際、街頭でピーポくんの着ぐるみが、窃盗犯を捕まえる現場に遭遇。
いきなりハチャメチャで…

0

華の涙 小説

剛しいら  御園えりい 

人生良いことと悪いことは半分づつ

パラパラっと見るだけだったつもりが、一気にいってしまった本作。
関東大震災を始まりに、身売りされてしまった少年の不幸から下剋上チックなラストまで、結構引き込まれてしまいました。

学校にいたために震災の難を逃れた乙矢ですが、浅草で小間物屋を営む家は火事で燃え尽き、家族も皆亡くなってしまいます。
そこへ現れた父の従兄という島田という男に騙されて、深川の材木商・森谷に売られてしまうのです。

2

アネモネ ~失われた赤~ 小説

竹内照菜  祐也 

不遜すぎる男の愛は最初はよくても重苦しすぎる。

初読みの作家さん、今月から4カ月連続で計4巻で構成されるこの「アネモネ」シリーズの第一作目です。
不自由なく育った不遜で我儘な攻め様=威琉と、複雑な家庭環境から理由ありそうな、でも純粋で一途な受け様=理久の時には甘く、でも痛くて切ない恋愛模様が綴られていました。

昼は花屋で、夜は花屋のオーナーの経営するバーでアルバイトしている理久。
昼間店にいると、不遜な態度の男・威琉がやってきます。

2

美・MENSパーティ この美メン、ヘタレにつき 小説

  牧山とも  椎名咲月 

あまりの超絶ヘタレの天然に笑いがとまりません。

思いっきり笑わせてもらいました!こんな天然超ヘタレ、エロイはずのエチシーンまでお笑いになってしまって、、、愉快でしたよ。
BL界のお笑い担当は小林典雅と樹生かなめの二大作家様だと思っておりましたが、この牧山さんもはいるかも!?
帯の「野々宮ユリカ先生も絶賛」というのは実は主人公の妹のBL漫画家のことです。

黙って何もしなければ、その超絶美形で老若男女とわず見とれてしまう海老原慶士は、実状…

2

真音 2 小説

谷崎泉  麻生海 

少し二人の姿が見えてきて、少し近づきました

淡々と進んだ、谷崎さんの小説の真髄のような文章で進んだ「真音」の2巻が出ました。
とても渋い内容で、派手な盛り上がりもない地味な作品ですが、自分はとても気に入っています。全く明らかにならない、男達の理由 みたいなものが、この巻で少しその姿を表してきました。

矯正施設を出て、工場で働いていた進藤を見つけたのが諏訪組の槙原、その進藤を気に入ったのが本部長の富樫。
その富樫にとうとう体を繋げら…

5

芸術家の初恋 小説

遠野春日  穂波ゆきね 

先生、本当に38歳?という仙人のような受け様でした。

今回のカプは年下ワンコ攻め、受け様は・・・天然?というかおっとりして、浮世離れ?でもないし、枯れ果てたおやじというには余りにキレイで、不思議ちゃんなのかな?ふんわかした雰囲気の人だったので、ほのぼのしたお話でした。
表紙を見ると、左の和装の方が38歳なんですが、文章中にも”25歳で年齢が止まったような”とある通りのお方が受け様です。

慶介は高校の時に隣に住む伸彦を好きになり、それからずっと…

0

恋ひめやも 小説

英田サキ  小山田あみ 

万葉集の引用と天の邪鬼の先生が絶妙な取り合わせです。

読み終わって、先月読んだ榎田尤利さんの「はつ恋」を思い起こさせました。
ただ、先生と生徒というだけじゃなくて、登場人物達の性格も全く違うものなんですが、根底に流れるものが同じ匂いのするものかな?などと・・・
英田さんもおっしゃってるように、地味な作品ですが丁寧に丁寧にセリフも心もたどられた文章なので、それぞれの気持ちが胸に響いてきます。

「いつか終わる日のために」は元教え子の棚橋視点

5

ランドリーランドリー 小説

火崎勇  有馬かつみ 

意地悪で強引な先輩にハラハラしました

いやぁ~、受けの吉富くんが気長で落ち着いていて本当よかった。
と思えるほどに先輩の上杉さんは意地悪な人だったのです。
とりあえず、初恋成就物語の部類に入るのかしら?

吉富は中学の時の一年先輩の上杉にあこがれて好きでしたが、ほとんど接触もなく言葉を交わすこともほとんどなく、それっきりでしたが、ある日コインランドリーで見かけ、声をかけたのをきっかけに、先輩が家に来るようになります。
でも、…

0

愛を乞う 小説

夜光花  榎本 

あらがえない運命と、幼い恋が切なかったです。

この作品、何が一番ひどい奴らかというと<大人>です。
主人公の親たちの、醜い姿。
彼らに与えられた運命に、そのレールからはずれられない子供たちの心が胸を打ちました。
しかし、夜光さん独特の淡々とした文章で、その設定がどんなに滑稽だろうと、そうなのかもしれないと暗黙に了解させられてしまいました。

13歳の春也が、親の借金のカタに売られてきたのは、会社をいくつも経営する大金持ちの綿貫家。

7

新宿退屈男~愛欲の交叉~ 小説

愁堂れな  奈良千春 

やっと兄弟が再会しました

前作、北京で兄・真紀とニアミスしたものの再会はならなかった友紀ですが、今回香港でやっと兄との再会を果たしました。

相変わらず奴隷のような扱いですっかり淫乱になってしまった真紀。
早乙女に翻弄されまくって進展のない友紀。
それぞれのサイドで交互に語られて進行してゆきます。

レポーターの春野が香港に新しく立つビルのオープニングセレモニーに取材をしたいと早乙女の父の力を借りようとやってき…

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