茶鬼さんのレビュー一覧

純愛、熱愛、そして純愛 小説

剛しいら  山本小鉄子 

本当に純愛?

読書中も、読後も色々と考えた作品。
単純によかったね、と喜んでいいのか?それでも一応幸せなんだからいいだろうな~と、思わず複雑な気持ちが駆け巡ります。
一応、受け視点でその気持ちは綴られているものの、その本質には触れられていないような?
好きだから、で済まされない何かがあるような気がするのは深読みしすぎなんでしょうか。

両親を失くし、写真館を営む祖父母に育てられ、そして自然とカメラの道…

1

もったいない! 小説

凪良ゆう  カワイチハル 

ぽんぽん飛び出す会話が面白い

凪良さんがルビー!?
一体どんなお話なんだろうと思いましたら思いっきりラブコメ。
珍しいんじゃないかな?っていうくらい、思い切りはっちゃけてました。
何と言っても特徴は、セリフが長いというか、会話がぽんぽんと続く部分。
多分CDにして実際の音声で再現されたら、かなり面白そうな、そんな印象を受けます。
モノローグが少ない、主人公達がすぐ思った事を言葉にしてやりとりしているから、きっと面白さ…

5

ワイルドフラワー 小説

草川かおり  日羽フミコ 

傷付いた心を押し殺したツンデレとヘタレわんこの変身ぶり

草川かおりさんも新人さんながら、コンスタントに出版されてますね~あっぱれです。
ホワイトハートでは、遊郭→ホストときて、今回は芸能界に参りました。
このレーベルでは作家さんは、以外にも華やかな世界の裏にある苦しみや悲しみとか、そういった切り口をテーマにしているんでしょうか?
さて、芸能界モノでこれはマネジャー×売れっ子アイドルという組み合わせなんですが、色々な要素があるにせよ、アイドルがこの…

0

プロポーズは有効ですか? 小説

柊モチヨ  宮城とおこ 

山田太郎物語になりきれなかった残念さ

初単行本ということで新人作家さんのようです。
「嵐の夜に男嫁現れる!」という帯にラブコメを想像して、
そして新人作家さんということで購入してみたのですが、果たして?

父親が病弱で定職につけないため、父と弟妹5人の生活をアルバイトを掛け持ちして支えている20歳の長男・耀。
ある嵐の夜、玄関先に倒れれている泥酔した男を保護すると、彼はいきなり嫁になると言い耀を襲っちゃう。
能天気な家族た…

0

日月星、それからふたり 小説

さとみちる   秀良子 

初恋の再生を願う物語

作者さんの初単行本、書下ろしです。
題名の「日月星」は作中で後半出てくる、サンコウチョウの鳴き声(キキナシ)のことだそうです。
本作は実に苦しい物語でした。
キャラクターの属性に萌えるとかそういう類のものではなくて、ほんとうに彼等に生まれた溝の、違ってしまってから7年たった再会から実に1年半かけてやっと歩みよれるまでの、その苦しい心情を読ませる、彼等を見守るお話だったのです。

主人公の…

10

Over The Rain 小説

橘紅緒  高星麻子 

全てはラストに

「R134」以来の小説ですね。
よくも悪くもいつものスタイリッシュな橘さんです。
生活感のない主人公達、彼等の周囲の人々には陽がさんさんと照って時間が確かに流れて行っているのに、主人公にだけはその時間がゆっくりと流れて、まるでフィルターを通したような光と空気感が漂う。
今回は、主人公となる穂積が特に色々ワケアリの為に、それが特徴的に出ていました。
一度読んだだけだと、ちょっとかったるくなっ…

4

甘い罠で蕩かせて 小説

高岡ミズミ  立石涼 

始まりは痴漢電車♪

04年ラキアノベルスで発行されたものに、新たな2本「蕩ける唇」「溺れるカラダ」を入れて出された新装版。
イラストが藤井咲耶さんから立石涼さんに代わり、ちょっとスタイリッシュになりました。
それにしても、高岡ミズミさんにこんな90%エッチばっかりのエロ作品があるなんてしりませんでした!!
作者さんのエロづくしはこれ1本だけだそうで、エロに苦労したとかww
旧版をみてないので、手直しが入ったか…

5

いけ好かない男 小説

松雪奈々  街子マドカ 

ミイラ取りがミイラになって、ミイラがミイラ取りになって最後に二人ともミイラになって(笑)

”淫魔””おやじだらけ”とおやじ作家(すみませんw)な印象が続いた松雪さんの3作目は、軽いタッチのラブコメディ。
超!ブラコンの兄が溺愛する弟を振った男をたらしこんでぎゃふんと言わせるつもりが、いつの間にか気になる存在になってしまって、
そして相手の男も軽くあしらうつもりが、兄の態度が面白くてだんだん惹かれて行ってしまってという、
まさにタイトルにしたような愉快なお話でした。

このお兄…

2

天然王子と優しい野獣 小説

田知花千夏  小椋ムク 

ノンケの酷さとはこういうものかもしれない

B-プリの新人大賞の受賞作品でデビュー作品になるそうです。
絵が小椋ムクさんで、実に登場人物の印象にぴったりでした。
しかし、お話は一体どうか?といえば。。。
まとまるまで、とても不毛を感じる一方通行とすれ違いが続いて、ノンケのとゲイの隔たりを実感するようなお話でした。
割とノンケ×ゲイの場合のパターンにありがちな、ノンケゆえにゲイが苦しんで、でも一途で健気でいて、すれ違いが続いてゲイがあ…

6

女王陛下と跪く男 小説

成瀬かの  北沢きょう 

思わず共感を呼ばずにいられない主人公でした

成瀬さんのいつも作品に潜むイタイ部分が主人公を形成するトラウマとなって特徴的に現れた作品。
彼のトラウマは深く、酷く、その結果作られた自分という姿、そして抱える依存症。
この主人公の姿は、まるまる女性にもあてはまる事が多く、自分的にも思わず共感をよんでしまいました。

八尋はものすごく自分の外見にこだわり、訪れるバーで女王様のように振る舞い、周囲にちやほやされることが好きだ。
それは、本…

7
PAGE TOP