梨とりこさんのレビュー一覧

「青、八号キャンバス」ショコラ文庫「彼は死者の声を聞く」特製ペーパー 特典

神成が見えた気がします。

本編の二人が付き合い出した後の「restart」も素敵でしたが、このペーパーも本に入れた方が、神成の好感度が上がったような気がします~(^▽^;)(笑)お話は受け視点です。

--(以下ネタバレ含みます)--
本編で出てきた「青い絵」ですが、静寂な雰囲気なのに、どこかいびつで、綺麗でいて、心を乱す何かがそこに存在している。神成の部屋で絵の詳細を描かれている時、何となくそうではないかと思ってい…

3

濡れ男 小説

中原一也  梨とりこ 

「あかんて……」

去年久々に中原さんが個人的にヒットだったので
おのずと期待値が上がってしまっていたせいか
「…あれ」になってしまいました;

岸尾の、誰が見ても隙のない“デキる男系”が
大学からの友人・楢崎に片想いとか
なかなか切ないじゃないの…と思いながらも
ちょっと急展開過ぎるような気がもしましたし
50過ぎのゲイ疑惑の教授との関係を疑ったからと言って
強引過ぎやしませんか??と…。
確…

3

彼は死者の声を聞く 小説

佐田三季  梨とりこ 

本の厚みも重かったけど、話も・・・

個人的に心がときめくような甘~い萌えは、感じられませんでした。でも購入して良かったです。序場、中盤は背中に刃物で刺され抉られるような感覚で、苦しい。終盤、アトリエの中の姉との話は号泣しました。優しくて優しくてとても悲しい。

救われたかと聞かれれば、「自分が求めている救いが何だったのか。自分にはわからなくなった」と答えると思います。でも・・・この本、大切にします。モナストラルブルーに触れてみた…

8

「青、八号キャンバス」ショコラ文庫「彼は死者の声を聞く」特製ペーパー 特典

ふっと何かが溶けるような・・・

普通おまけのSSって用紙片面分が普通ですが、縮小したとしてもびっしり両面分に値する4Pは、とても価値観のあるペーパーだと思います(佐田さん!太っ腹)
そして内容のほうも、ちょっとした後日の甘甘、、、
という軽いモノではなくて、本編の余韻をそのまま持ち込んで甘いけれどその中に緊張感が走るような、そんな本編の終わりに付いていても良いようなSSが仕上がっていました。

お話はもちろん本編後。

2

彼は死者の声を聞く 小説

佐田三季  梨とりこ 

人間は弱いよね。

この作品は好き嫌いがはっきり分かれる作品ではないかと個人的には感じます。
痛い、辛い、苦しい、怖い、様々な負の感情がこの1冊に凝縮されている。
ラストに行くまでのどうだと言わんばかりの感情が溢れ出るような作品で、
軽めで心が浮き立つような作品を好まれる方にはちょっと辛いのではなかろうか?

そして私も後者の部類に入る典型だから、作品自体は凄いなと思っていても
この作品に心を揺さぶられる…

9

彼は死者の声を聞く 小説

佐田三季  梨とりこ 

ホラーなのにリアルが迫ってくる

BLにして京極夏彦の文庫並みの分厚さ!
読むのに苦労するのではないかと一瞬不安に思うも、それは杞憂でありあっという間に読み終えていました。
そのくらい吸引力のあるお話です。
もう最初から、硝子を爪でひっかいた音を聞かされているような、ヤスリで身体を削られているような、そんな痛みを感じながら、もう堪忍してー!許してー!とこちらが叫び出したくなるような苦しみを感じます。
しかも、その苦しみが歪…

5

彼は死者の声を聞く 小説

佐田三季  梨とりこ 

ホラーを切り口にした人間ドラマ

初・佐田先生。ホラー設定に興味を惹かれて買ってみました。

霊が襲ってくるような直接的なホラー展開はなかったですが、次第に過去が明らかになる謎解きのような面白さに引き込まれ、一気読みできました。
あくまでホラー設定を切り口に、死を身近に感じながらも生きていく残された人々にフォーカスした人間ドラマという印象です。

とは言え、現代社会や人間の愛憎がリアルに描かれていて、そこにある意味モダン…

10

月に笑う 上 小説

木原音瀬  梨とりこ 

上下まとめての感想です

木原さんの作品なのに、これは痛くない!
そう思ってしまう私は立派な木原ジャンキーかもしれません。
辛いだけのお話ではなく、くすっと笑えたりほっこりする箇所もある。
そういった意味では、「こどもの瞳」「薔薇色の人生」なんかとひと括りにしたいなと。

中2の路彦は、同級生から夜の公園で激しい暴行を受けているところを、4つ年上のチンピラの信二に助けられる。
そんな出会いから10年間にわたる二…

9

彼は死者の声を聞く 小説

佐田三季  梨とりこ 

愛と憎悪と嫉妬と執着

え。文庫で950円?それもそのはず。
手に取ってびっくりずっしりの約450ページの大ボリューム。
そして内容は、愛と憎悪と嫉妬と執着うずまく、まさに佐田節大炸裂の昼メロも真っ青なドロドロの愛憎劇。

知的障害の双子の姉の死。10年経った今も鏡を見ると常に死んだはずの姉が映り込む。
罪悪感にもがき続ける斎木に、避け続けていた因縁ある幼馴染・神成との再会と脅迫…
そこに職場の人間関係のゴタ…

16

渇仰 小説

宮緒葵  梨とりこ 

犬だ

確かに、犬すぎるくらい犬。

狂犬攻め?

私的には、これで、宮緒葵=ホラー作家、認定?

いくらなんでも、この、達幸の執着と犬願望は怖すぎるし。
明良に対してのセックスも、がっつきすぎ。
明良ってよほど丈夫なのかしらって、心配になる。

達幸の生い立ちだの、明良の成長につれての達幸や両親に対する葛藤だの、達幸の役者としての輝きだのと、ストーリー自体は盛りだくさんでもちゃんとま…

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