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54/67(合計:663件)
矢尾勝
葡萄瓜
吸血鬼でありながらその血の出自故に 『世直し』の仕事をせざるを得ないカズシ。 そのカズシを愛してしまい、そして去って 行った厚雄。 厚雄がカズシに遺して行ったものは 愛なのか、それとも…。 ヴァンパイアの内側の哀しみを切なく、 そして肉体を使った会話も絡めて描き 出しています。 後半の『世なおしヴァンパイア』は表題作に 至るまでの状況把握編と言う所でしょうか。
流石に茨道のカップリングは収まってません。 おおよそ王道カップリングを取り揃えています。 ……リバーシブルもあるとより味わい深いと 評者は個人的に思うのですが。
テニプリと言うジャンルは兎に角 作家層が広いと言うのが実感です。 原作の展開と作家層の相乗効果で ジャンルが拡大した、と考えて良い かも知れません。 この一冊にしてみた所で狭い様で カップリングに結構な幅があります。 天根ヒカル×黒羽春風と言うカップリングを 賞味できたりするのも美味しい所かと。
版元さんはテニプリアンソロ刊行会社の中では かなりの後発f組みです。それでもここまで内容を 組める所が凄いですね。 青学内のカップリングは概ね網羅してあると思います。 割にほのぼのとした作品が多いかと。
一宮思帆
こう言う事を申し上げるのは心苦しいのですが、 個性に乏しい感じが否めません。 流行・類型の絵柄の中で出来るだけ頭一つ 抜けようとする気迫みたいなものを感じはする のですが、上手く反映されていないもどかしさを 感じます。 オリジナル作品として、決して悪い味わいでは ないのです。着眼点や展開が美味しいだけに、 惜しいのです。
タイトルのつけ方に評者なぞは懐かしさを 感じたり致します。 古き血気盛んな二次創作同人誌と言う 雰囲気がございますね。 ジャンルと画風のバランス選択の感覚の好さに、 しっかり満腹できる一冊かと拝察します。
楠本弘樹
酔っ払って本性を曝け出した年上の後輩に 戴かれてしまい、でもOKな自分に苦笑する WEBデザイナー(表題作)。 完璧とは言い難い何処か補完し合う関係を 渋みのある色気で描く作品を収めた短編集 です。
ルゥのひたむきな想いに勇気づけられて 運命に立ち向かい行くザイン。ザインへの 想いを更に強くするルゥ。 二人の想いは、新しい明日を開いてゆく。 運命故に閉じた世界に沈み行くのではなく、 新しい明日を二人で歩こうと支えあって進む 新しい形の吸血鬼譚。 どういう明日に二人は落ち着くのでしょう。
街角で絵を描いて生計を立てていたルゥは ある日ザインと出会い、彼の肖像画を描く事を 条件に生活の庇護を受ける事となった。 そしてルゥは知る。ザインが吸血鬼である事を。 苦悶する吸血鬼を彼を想う人間が支え、見え難い 明日を掴み取ろうと歩みだす物語。 受の立場にいるルゥのひたむきな想いと芯の強さに 漢らしさを感じます。
『銀魂』二次創作アンソロジーの一冊。 性描写の激しさよりも丁々発止の駆け引きに 重心を置いた作品が集められている様な 手応えがあります。 カップリングは不特定多数とお考え下さい。