葡萄瓜さんのレビュー一覧

教師の純情 生徒の欲望(3) コミック

新條まゆ 

再構成の行方

展開的にも「転」の辺り。
カバーでも本文でもBLとしての梃入れが
激しくなっている巻ではあります。
少女漫画のレーベルの一線は…紙媒体では
ないので不問と言う判断でしょうか?

少なくとも構成要素だけで考えるなら、
BL作品としてはかなり向上していると
愚考します。
しかしながら、何か余計な小骨がどうしても
喉につかえてしまうのですね。
かと言ってLOVE抜きのボーイズラブか…

7

最果てのアムリタ コミック

つくも号 

立場と重み

表題作は同タイトルオリジナル同人誌3冊を再録した上
加筆したもの。そして更に同人誌一冊と電子書籍化された
同人誌一冊を併録作として収録しています。
【※初出情報を訂正しました】

同人誌→電子書籍化再録分は、この作者さんの陽気な部分が
前面に出た作風ですので割合に軽く読めるだろうと拝察します。
併録もう一作の同人誌再録分も…まあまあライトと言える
部類ですので、心当たりさえなければ…

7

はるのしんぞう 東京心中 6 コミック

トウテムポール 

普通である事

相変わらず大型犬が綺麗なオッサンに翻弄されておりますが、
今回は綺麗なオッサンもまた苦悩の中にあると言うターン。
カバーの情報量が心なしか一割五分程減って見えるのは
綺麗なオッサンの苦悶分割り引かれているのでしょうか。

少し前、ネットの一部から流行った言い回しに
「こまけぇこたぁいいんだよ!!」と言うのがありましたが、
正にこの巻はそう言ってバッサリ終わらせたい局面を含んで
いま…

2

現実は少女マンガより奇なり コミック

くろやまてる 

一周廻ってさわやかな

部分的に重なる先行の同工異曲の存在はありますが、
その辺の相違を良い具合にひねりながらいやらしい所の
ない一周廻った明朗な話に仕立て上げてあります。

掲載誌再確認の限りでは連載分で上手く一冊にまとまって
いる様ですが…続きを期待したい様な、ここで敢えて
余韻を残した方が良いのだろうか、と読者の分を越えた
余計な心配なぞ少ししたりして。
続きの火種になりそうな箇所も上手くタイトルに…

1

背徳の召喚歌 小説

朝松健 

軸の在処

電子化復刊されると言う事で再読。
評者としては遅まきながらの感謝を捧げたい一冊です。
色々削ぎ落とした描写の中でこそ浮かび上がる関係性の
陰影もあるもの、とそっと囁かれた後にひやりと一筋
恐怖が走る。
それが人為的なものであるならば俗欲で何とか出来るかも
知れませんが、それとは対極的なものであるので
どうしようもない。
しかもそれは、人知を超えている故か時に美しく見えて
しまうの…

3

博士と助手 小説

S・稔也  鳳巳乱 

実験時代

何とも今見返すと不思議な判型です。
現在の様な軽装のノベルス版ではなく、かと言って
耽美小説レーベルで用いられていたハードカバー版
ノベルズ仕様でもない。
B6版でハードカバー、そして中編が一編収まる程度に
抑えられた紙幅という当時としても画期的な版型です。
このエクリプスと言う小説レーベルは中々に
へそ曲がりな部分があった様で、後日刊行された雑誌が
A4版であったりもしました。

1

玻璃の柩 小説

嶋田純子  波津彬子 

匣の中の熱

20余年前に刊行された耽美小説、と聞いて
あなたはどういうイメージを抱かれるでしょうか。

格式ばった?とっつき難い?濃密?

この作品には多分それ等の形容詞は似合わないで
あろうと評者は愚考します。
かなり言葉を選んで構築された耽美小説ですが。

そう、この小説は耽美小説として世に出ました。
版型もサイズこそ現在のノベルズ版と同じですが、
ハードカバーでありなおかつしおり紐…

3

罰あたり騒動記1 小説

今泉潤  大峰ショウコ 

仏縁があれば良かったのに

改めて読み返してみるとBLとしてのツボを
押さえた佳作である様に感じるのですが…
版元に今一つ恵まれなかったのがシリーズが
中途半端になってしまった一因なのかも
知れません。

この版元は商業における第2次ショタブーム…
成人向け区分を中心としたショタブームの中で
あるアンソロジーの版元として中途参戦し、
その勢いをかってBLにも参戦しようと試みたらしい
…と当時の事をおぼろげ…

1

渾名をくれ コミック

新井煮干し子 

光と陰と

恐らくこの内容を帯で要約する事は不可能なんだろう、
と一読後長い溜息が出ました。
それこそこの物語にはゴールなんざ存在しないんでしょう。
ゴールらしき地点は置いてあるにしても、それは解釈次第で
一里塚にもなる代物で、そして解釈の為の理は一貫したもの
でもなければ整然ともしていない。
乱暴に突き放してしまえば、タイトルに対する疑念こそが
最大のネタバレではないかと評者は愚考するのですが…

1

化学部のメガネ コミック

新井煮干し子 

ダサシャレ

どんな風に始まっても終わり良ければ何となしにOKと
赦される作品と言うのが世の中には稀に存在します。
まさか自分がそう言うBLに出くわすなんて想像して
おりませんでしたが。

表紙の色遣いは評者にとってなんとも懐かしい感じの
ものです。1980年代の小洒落たイラストを連想して
しまう様な。
そう考えてみると本文から感じたこっ恥ずかしさの
正体が何となく見えてきた様な気がします。

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