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新條まゆ
葡萄瓜
展開的にも「転」の辺り。 カバーでも本文でもBLとしての梃入れが 激しくなっている巻ではあります。 少女漫画のレーベルの一線は…紙媒体では ないので不問と言う判断でしょうか? 少なくとも構成要素だけで考えるなら、 BL作品としてはかなり向上していると 愚考します。 しかしながら、何か余計な小骨がどうしても 喉につかえてしまうのですね。 かと言ってLOVE抜きのボーイズラブか…
つくも号
表題作は同タイトルオリジナル同人誌3冊を再録した上 加筆したもの。そして更に同人誌一冊と電子書籍化された 同人誌一冊を併録作として収録しています。 【※初出情報を訂正しました】 同人誌→電子書籍化再録分は、この作者さんの陽気な部分が 前面に出た作風ですので割合に軽く読めるだろうと拝察します。 併録もう一作の同人誌再録分も…まあまあライトと言える 部類ですので、心当たりさえなければ…
トウテムポール
相変わらず大型犬が綺麗なオッサンに翻弄されておりますが、 今回は綺麗なオッサンもまた苦悩の中にあると言うターン。 カバーの情報量が心なしか一割五分程減って見えるのは 綺麗なオッサンの苦悶分割り引かれているのでしょうか。 少し前、ネットの一部から流行った言い回しに 「こまけぇこたぁいいんだよ!!」と言うのがありましたが、 正にこの巻はそう言ってバッサリ終わらせたい局面を含んで いま…
くろやまてる
部分的に重なる先行の同工異曲の存在はありますが、 その辺の相違を良い具合にひねりながらいやらしい所の ない一周廻った明朗な話に仕立て上げてあります。 掲載誌再確認の限りでは連載分で上手く一冊にまとまって いる様ですが…続きを期待したい様な、ここで敢えて 余韻を残した方が良いのだろうか、と読者の分を越えた 余計な心配なぞ少ししたりして。 続きの火種になりそうな箇所も上手くタイトルに…
朝松健
電子化復刊されると言う事で再読。 評者としては遅まきながらの感謝を捧げたい一冊です。 色々削ぎ落とした描写の中でこそ浮かび上がる関係性の 陰影もあるもの、とそっと囁かれた後にひやりと一筋 恐怖が走る。 それが人為的なものであるならば俗欲で何とか出来るかも 知れませんが、それとは対極的なものであるので どうしようもない。 しかもそれは、人知を超えている故か時に美しく見えて しまうの…
S・稔也 鳳巳乱
何とも今見返すと不思議な判型です。 現在の様な軽装のノベルス版ではなく、かと言って 耽美小説レーベルで用いられていたハードカバー版 ノベルズ仕様でもない。 B6版でハードカバー、そして中編が一編収まる程度に 抑えられた紙幅という当時としても画期的な版型です。 このエクリプスと言う小説レーベルは中々に へそ曲がりな部分があった様で、後日刊行された雑誌が A4版であったりもしました。 …
嶋田純子 波津彬子
20余年前に刊行された耽美小説、と聞いて あなたはどういうイメージを抱かれるでしょうか。 格式ばった?とっつき難い?濃密? この作品には多分それ等の形容詞は似合わないで あろうと評者は愚考します。 かなり言葉を選んで構築された耽美小説ですが。 そう、この小説は耽美小説として世に出ました。 版型もサイズこそ現在のノベルズ版と同じですが、 ハードカバーでありなおかつしおり紐…
今泉潤 大峰ショウコ
改めて読み返してみるとBLとしてのツボを 押さえた佳作である様に感じるのですが… 版元に今一つ恵まれなかったのがシリーズが 中途半端になってしまった一因なのかも 知れません。 この版元は商業における第2次ショタブーム… 成人向け区分を中心としたショタブームの中で あるアンソロジーの版元として中途参戦し、 その勢いをかってBLにも参戦しようと試みたらしい …と当時の事をおぼろげ…
新井煮干し子
恐らくこの内容を帯で要約する事は不可能なんだろう、 と一読後長い溜息が出ました。 それこそこの物語にはゴールなんざ存在しないんでしょう。 ゴールらしき地点は置いてあるにしても、それは解釈次第で 一里塚にもなる代物で、そして解釈の為の理は一貫したもの でもなければ整然ともしていない。 乱暴に突き放してしまえば、タイトルに対する疑念こそが 最大のネタバレではないかと評者は愚考するのですが…
どんな風に始まっても終わり良ければ何となしにOKと 赦される作品と言うのが世の中には稀に存在します。 まさか自分がそう言うBLに出くわすなんて想像して おりませんでしたが。 表紙の色遣いは評者にとってなんとも懐かしい感じの ものです。1980年代の小洒落たイラストを連想して しまう様な。 そう考えてみると本文から感じたこっ恥ずかしさの 正体が何となく見えてきた様な気がします。 …