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北別府ニカ
葡萄瓜
カバーを観てアレ?と思われた方、ご安心ください。 本文の画風はいつも通りのこの方です。 ただ、展開方法が若干拍子抜けかも知れません。 とは言っても突拍子もない展開ではないのですが、 この方の場合寧ろそつのない展開の方が読者として 拍子抜けして仕舞うと言う。 この表題作がこの方の作品の初読みと言う方に申し上げて おくと、多分これは希少な方の例ですから。 こう言うゆったりとした理路…
淡路水 サマミヤアカザ
縁あって手に取った一冊です。 物語の折々にアクセントとしてチョコレートが 登場します。 チョコレートと言うのは面白い食材で、甘味が 重要な要素でありながらそこだけに重点が 置かれると途端に持ち合わせている風味が 台無しになってしまう。 甘さを際立たせる為の他の風味があってこそ チョコレートは初めてチョコレートとしての 存在価値を確立する訳です。もっとも他の風味が わざとらし…
霧嶋珠生(霧島珠樹)
一言ツッコミを入れさせてください。 「童貞をDTって言換える事の必然性は?!」 多分ネタバレのラインから外れるとは思うので書きますと、 童貞の言換え語のDTがこの作品に用いられているのは タイトルだけの話なんですね。 本文では言換えも無く童貞と明記されているのです。 もしかするとカバー裏表紙の梗概を観て初めてDTなる 言換え語の存在に気付かれた方もいるのではないかと 思われ…
阿部あかね
占いはオーダーメイドの部分もありますが 基礎になるのは蓄積されたデータから 導き出される平均的な観測です。 ですから残酷ですがある意味とても平等なのです。 良い目を見たいと思ったらそれを導き出す為の 蓄積が無いと総て始まらない訳ですから。 そう言う点でもこの物語は良い具合に構成されて いる手応えがあります。 あとは登場人物の面倒臭さにどこまで読者が 付き合えるかと言う事なんですが…
加山弓
可愛らしい年上と大人ぶりたい年下と言う 組み合わせはあっさり展開出来る様に見えて 匙加減を間違うと物語自体が失速します。 タイトルこそ軽い感じのこの表題作ですが、 受け攻め双方ともにそれなりの男のプライドを 押し付け合っているものですから甘々を 期待した方には少し付き合い辛いかも知れません。 ただ、押し付け合いが理解に転じてからは かなりあっさり氷解してますね。 それはそれで物足…
日の出ハイム
さて、梗概から天の巻を経た謎解きへと 集約される巻ですが…色々と重いですね。 それも痛みを伴う重さならどうにかしようが あるのですが、それ以前の所から伏線を 引かれた重さなので何処をどう避けようと 回避が出来ない。精々まともに当たるか 傍杖を喰うかと言うかの二択しか出来ない。 含まれ描かれている想いが濃いから 当たって損は無い訳ですが、読むタイミングに よっては理不尽な想いを抱く…
梗概から先の謎解きとその謎を追う羽目になった 者達の織り成す恋模様、と書くと美しい一方に 捉える方もおいででしょうが、抑えた描写ながら その時代から漂う匂いの描写は随所に挿入されて います。 敢えて帯に抵抗してものを言うならば、 カップリングが多様なのではなく運命が多様 だったのでしょう。 評者は敢えて受け攻めに関する情報修正をスルーしました。 評者が読む限り、この物語は二人…
麻々原絵里依
題材がビールなだけに軽やかに読み進められますが、 同時に常に苦味が付き纏います。 なんだかんだで未遂のままこの本では終わっている 二人の在り様をどう捉えるかで読み応えは変わって きそうですね。 評者は一応攻めポジションにいる男の心情を思いやると この展開をほろ苦く感じます。そのほろ苦さ故に 傍から視ると美味しい部分も多々ございますが。 一つ望むらくは。 一応受けの人が表紙で噛…
九重シャム
正しい感想なのかは自信がありませんが、 相当絶妙なバランスをとりながら成立している 物語な気がします。 端々に垣間見える醒めた視点が妙にリアルなのですね。 かといってそれが水を差す様な事になっていない。 むしろ柔らかなトーンの裏打ちになっている。 垣間見える対照的なふたりの過去。 そして交錯し、やがて重なるふたりの現在。 形通りの御伽噺は箱に収まってしまえば そこでお終いです…
評者としては、桃色吐息と胸キュンの両立が いよいよ高まって完成形になるか…と期待して いた訳ですよ。 ですが、全体像を見てしまうと正直何とも言い難い。 前進を三回重ねてこの巻で一気に二回後退するって、 昔の流行歌じゃあるまいし。 18禁じゃなくともそれなりの作品を描かれる方々に 敢えて18禁と言う枠内で描いて戴くのですから、 そこはそれできちんと内容で違いを見せつけて 戴きた…