葡萄瓜さんのレビュー一覧

トラットリア闇市 コミック

立野真琴 

煽る編集・かわす作家

あとがきに曰く。
表題作は編集さんから振られて作りあげた三題話で
あったそうですが、そのお題と言うのが

「変態」「戦後」「グルメ」

この編集さんは立野さんのデビューから新人時代を
担当された方なのだそうなのですが…立野さんの
少女漫画家としてのデビューは白泉社でしたからねぇ…ええ。
無茶振りもある意味プロの犯行なんでございましょう。
立野さんならこのお題でもいつも通りきちん…

1

mother 小説

丸木文華  門地かおり 

静かに動く…

一寸変則的に読んでみました。
表題作を少し読み進めたその後で併録作を読み、
そして再び表題作へ。
…見事ですね。微塵のぶれもがっかりも無い。
道具立てに些かの余分も無く、すっきりと収まっている。
主題が主題でも読めてしまうのは、その力量あれば
こそでしょう。
門地さんの装丁で程好い加減に中和されていたのも
良かったのかも知れません。
そう言う部分も含めて考えると見事さ故にこう言う…

9

恋のしっぽをつかまえて 小説

L.B.グレッグ  えすとえむ 

Trouble With My Business

思ったよりも手早く読めたその後真っ先に連想したのは
アメリカンホームドラマ…と言うかソープオペラのあちこちに
挟み込まれる笑い声の効果音。
はて、評者は仮初にもロマンス絡みのミステリを読んでいたと
思ったのですが違ったのでしょうか?

愛を交わす場面を挿絵に頼らず文のみでしっかり刻み込もうと
言う押し切りの強さはお国柄と言うべきでしょう、多分。
多彩な言葉で綴られる読者もつい頬を染…

5

このよのはじまりこのよのおわり コミック

たうみまゆ 

あざとい程で丁度好い

平成の空気が一切漂わぬ短編集です。
巻末によれば一番新しい空気でも(昭和の)第二次大戦直後
辺りですとか。
それならば評価が綺麗に分かれるのも無理はないでしょう。
短く見積もっても都合百年程度の感覚を行ったり来たりしないと
収録作総ての気持ちを追えない訳ですから。

ただ一つ、その中でも一本ピシッと通った筋はございます。
それは『演じる』という一点です。
受けも攻めも素直に恋の手…

8

【18禁・数量限定本】エロとろR18 コミック

隙間を埋めるもの

低い評価を導き出してしまうのは期待への反動かも
知れないと思い、出来るだけ雑念を鎮めて再読して
みました。
しかし、残念ながら評者の中での評価が覆る事は
ありませんでした。

確かにBLアンソロジーとして評するならこの一冊は
限界スレスレまでを描こうとした佳品であると言える
かも知れません。
しかし、エロを前面に押し出していると言う事で捉え直すと、
そう言う枠の中でBLであろう…

10

ブラザー★シャッフル! コミック

三島一彦 

安定の?三島節

※なるべくネタバレを回避する方向で進行致します。

三島さんらしからぬ表紙に惹かれて頁を開いてみたものの、
正直評者は最初の三分の一が進行するまでとても居心地が
悪い状態でした。
この経験から申し添えれば、この作品については三島さん
だから云々と言う先入観はとりあえず捨てて読んだ方が
良いです。その方が発見出来るものが多いでしょう。
そして、そこを乗り越えると後は一気に怒涛の三島節…

3

セーラー服のないしょ コミック

糸由はんみ 

後を引くメレンゲ

ここまでの評者連の好評価も評者にとってはもっともな事。
率直に言えばケチの付け所を探すのが難しい感じがします。

収録作総てに光があれば闇もあります。
その陰影の魅せ加減を綺麗にさばかれる作家さんですね。
作品自体も前半三作の初出が電子媒体とはとても思えない程。
それだけ基を丁寧に創られる作家さんなのでしょう。

帯のコピーとカバーの裏の粗筋紹介も含め、短編映画を
オムニバスで観…

2

BLカフェ店員の腹黒ラブレッスン コミック

げぱん 

さらりと、

各話の構成はとてもテンポが良く、小難しく
考え込まなくてもさらりと読めます。
仕込んであるネタ自体も重苦しく引き摺るもの
ではないので程好く気分転換をしながら読み通す
事が出来るでしょう。
ただ、この展開のテンポに乗り損ねると物語の
中のフラグ回収に苦労するので若干読者を
選んでしまう一冊なのかも知れません。
まあこの作品はドキュメンタリーではなく
シチュエーションネタものですの…

3

魔女っ子サラリーマン 小説

高将にぐん  さらちよみ 

実は正統派

純情をこじらせた中学生のキスまでの道のりでデビューし、
その後にネコ耳のサラリーマンを攻めとして登場させた
この方が三作目の主題として送り込んだのは魔女っ子…。
ネタ勝負の作家なのかと錯覚される向きもいらっしゃる
でしょうが、この方の描く恋模様は実の所至極真っ当です。

魔女っ子だからと言って男の娘ものにならないと言うのが
いかにもこの方らしい筋の通し方ですね。
そして恋の展開の中…

3

木魚とピアノとおもちゃの手錠 小説

高岡ミズミ  蓮川愛 

はげもえ

……駄洒落でタイトルを付けた訳ではございません。
いや、激しく萌えさせて戴きました。

純然な僧侶BLと言うのは有りそうで無いもの。
店頭でお坊様の上気した頬についと惹かれて購入し
読んでみたらばなんと上等な相互補完。
いや、補完と言うよりはお互い眠っていた長所を
磨き上げて幸せになったのだから相互切磋琢磨と
言うべきか。
これで一方的に寄りかかるだけの展開が待って
いたなら失…

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