イラスト入り
……駄洒落でタイトルを付けた訳ではございません。
いや、激しく萌えさせて戴きました。
純然な僧侶BLと言うのは有りそうで無いもの。
店頭でお坊様の上気した頬についと惹かれて購入し
読んでみたらばなんと上等な相互補完。
いや、補完と言うよりはお互い眠っていた長所を
磨き上げて幸せになったのだから相互切磋琢磨と
言うべきか。
これで一方的に寄りかかるだけの展開が待って
いたなら失望し頁を閉じた所ですが、それは
杞憂と言うものでした。
登場人物の中で約一名若干の不幸を味わって欲しい
御仁も居ましたが…該当者にはもう既に惚気に
当てられ続けると言う仏罰が待っている事でしょう。
ご愁傷様。
ポーッと頬を染めている美坊主の表紙。(そうか。。この話は坊主受けか!)と、解るほど、蓮川先生のイラストはナイスです!
で、すれていない、喩えるならば『深窓のお嬢様』なお坊様が受け。(これが成年コミックなら、生臭坊主の出番ですが)さすがBL!!夢がある!!
そして、ヒモを職業?にしている麗人が攻め。寧ろ、名前だけで見れば、攻め(安慈)の方が坊主っぽい。
それはさておき、二人の出逢いはご葬儀。『まるで、フランス映画みたい。。』と、どこの乙女?的思考で、副住職として葬儀に同行した幸生は、その場に似つかわしくない服装と態度で去って行った弔問客に一目惚れ。(←しかも初恋)
思い込んだら一途とばかりに、幼なじみがセッティングしてくれた合コン先で再会した安慈に運命を感じ、寝床を失った彼に対し、だったら。。と、自分の部屋に招待する幸生。
純情で天然で、どこかズレているのに、それが可愛い幸生。安慈は、一人で生きていく為に、幸生とは真逆の人生を歩いてきた男。これまでの人生も人生観も違う二人が出逢う確率なんて、正に奇跡的。
だから、幸生は魔が差したのでしょうね。。オモチャの手錠を眠っている安慈にかけたのも、今まで感じたことなどなかったであろう独占欲。所謂『煩悩』ですものね。そして、一度手にしたら手放せなくなる。それで皿洗いのバイトをするつもりが、ホストとして表舞台に出る羽目に。。
それにしても、安慈はその美貌があるのだから、ホストとしてNo.1を目指しても良さそうなものを、ヒモという職業?を選ぶあたり、どこか歪んでいるのかもしれない。そして、そんな彼の矜持は『ピアノ』。。それを職業に選べなかったのは、ある意味自信のなさだったのかもしれない。。
安慈は幸生に出逢い、その人柄に触れ、利害関係のない間柄があることを肌で感じ、友だちと紹介されなかったことにショックと失望を感じたことで、幸生にとっての自分の存在意義を考える。。自由だった自分が不自由を感じた時点で、安慈は幸生に恋してしまったのでしょう。何だか好きな展開です。
波乱万丈はないけれど、小さなすれ違いや思い込みなど、恋愛の日常って、こんなものだよねというお話でした。
幸生はお寺の跡取りなので、将来的にはあれこれありそうですが、案外安慈が頑張ってくれたりとかしそうです。まぁ、そこはBLですから。。ということで。。
まず表紙が素敵です!内容にぴったりで、読む前にはどんな話だろとウキウキしながら眺め、読んだ後にはニヤニヤして眺めてしまいました。
1冊すべて表題作。幸生(受け)がメインですが、安慈(攻め)の視点もあるので読みやすいです。
ただ、それにしては安慈が幸生を好きになった場面がここ!と言い切れないのがちょっと惜しいです。いつのまに?という違和感はないですが、ピュアな幸生と暮らすうちにという展開がスムーズすぎて、惚れたポイントも浮かびません。
主人公の幸生が一生懸命で、一目ぼれをした安慈を「飼う」とか、おもちゃの手錠をかけるという突飛な行動も、微笑ましく受け入れることができます。
27歳という年齢より恋愛経験値は低いですが、幼いというわけでもないところも良かったです。お坊さんであることも取ってつけた設定でなく内容に盛り込まれていて楽しかったです。ただ、寺が舞台ではありません。
ピュアな受け、イケメン攻め、明るく可愛らしい雰囲気の作品がお好きな方にお勧めです。あと安慈は年下ではありますが、年下×年上という雰囲気はしなかったです。
題名が表現してるもの、まんま主人公達とその接点かもしれません。
セックスが仕事で趣味でピアノを弾いてる?みたいなヒモ暮らしの攻めに一目ぼれで恋したお寺の坊さんが、合コンで手に入れた玩具の手錠で彼を自分のモノにしようとした。
そんなきっかけで始まるお話。
このハードルは果たして超えられるだろうか?「坊主受け」
最近「坊主バー」とか「美坊主」だの、ちょっと前話題になったりしたイケメン坊さんですが、いまどきツルツルに剃りあげてる若いお坊さんって年配のお坊さんでも少ないと思います。
しかし、この主人公はきっぱりツルツルです。
その魅力って、袈裟とかの法衣が醸し出す禁欲的な魅力もあるかもですが、
ツルツル頭に脱げば下だけはちゃんと毛があるという、そのギャップだったりするのか!?
この作品の攻めも、それにクラクラと欲情しちゃいましたから、それって密かな萌えツボなんでは♪
実家の寺の跡継ぎの幸生が葬儀の先で一目ぼれした男は安慈というヒモをしているピアノ弾き。
根なし草の彼が宿と仕事を失くしたところに遭遇し、このチャンスをと自宅へ誘う。
そして、手放したくない欲求から手錠をかけてしまうと、逆に彼にいてもいいから日給を払えと!?
彼が側にいてくれるならと何の疑問も持たず彼の為にホストのバイトまでする幸生。
しかし、欲情し、かわいいと思い、嫉妬し、安慈は幸生の健気さにほだされていく。
天然坊主の一途な純情勝ち?
27歳にしてすれてない彼は、安慈にとっての本当の菩薩になったような感じです。
冒頭で、幸生は自分の事を「粗忽者だと思う」という表記があるのですが、これってそそっかしいとかうっかり者という意味だけど、まあ、確かにそうなんだけど、それは「天然」だと思うよw
こんな玩具の手錠で相手を拘束出来るはずないじゃないですか?
手放したくないあまり一日2万を言われた通りに出すって、もうどんだけ必死なんだ♪
それに、幸生は坊主であることを隠していたつもりだけど、仕事で昼間いない時屋探しされてるし、幸生はカツラをかぶってるんだけどそういうのまるっとバレてるのに当の本人が気がついてないってどんだけ天然~!?
いや、それを純粋というのか(笑)
真面目でとってもいい人だから、その天然が面白いけど健気すぎて本人自覚がないけど必死さが見えてきます。
坊主の事ばっかり書いちゃいましたが、安慈もだらしないかと思えばそんなに悪くない人で、それは幸生がいい人だからですね、きっと。
うつしかがみになってるのかもしれません。
それにしても、坊主というわりに、坊主のイラスト案外すくなかったんですよ。
しかし、エッチシーンのはちょっと背徳的な雰囲気が♪
坊主苦手でなければ、軽いタッチですのでいかがでしょうか?
蓮川さんのイラストがいい味出してるので妙に惹かれてしまいます。
実の所、美坊主なんていないのではと思っているので、だって私の周りのお坊さまは
素敵とかイケメンなんて言葉とは遠い次元にいる人ばかりなんですもの(笑)
このイラストのような美坊主様なら思わず檀家に入りたい、お布施もたんまり致します。
そんな風になるかも知れませんね、でもこの作品の美坊主の受け様は、恋なんて遠い
次元にいたような奥手の清廉潔白な人なのですが、よりによって一目ぼれした相手が
職業ヒモ、趣味ピアノなんてイケメンの男性だったからさぁ大変なのです。
誰だか解らない相手に一目ぼれして、運命の悪戯なのか再会してしまう。
そして攻め様への恋い焦がれる思いが膨らんで、ちょうど宿無し職なしになってた
攻め様を自宅に引き入れる事に成功してしまう。
もう、傍にいるだけで嬉しくて舞い上がるなんて思春期も真っ青な受け様なのです。
そして、ちょっとした出来心で眠っている攻め様に玩具の手錠を嵌めてしまい、
気が付いた攻め様に自分を囲いたいのかと言われ同意して、攻め様に日当2万円などと
言われても、これだけ素敵なのだから当たり前と思ってしまう受け様は熱病に罹患してる。
直ぐに外れるおもちゃの手錠、でもそれは受け様の攻め様がいつも家にいてくれる
自分の側にいてくれると言う安心感なのです。
攻め様も簡単に外れる手錠は承知で、受け様がいない時は適当に暇をつぶしてる感じで
でも、囲われてる等価交換でHをしようとしても受け様に鼻血を出される程遠慮され、
今までのヒモ生活とは違う生活に、何もしていない焦燥感が小さな攻め様のプライドを
傷つけているようでもあるのです。
お坊さまは結婚もOKなのだから普通にHも出来る立場なのに、この受け様だと何故か
その手の事をするには純白なイメージで健気で天然気味なんですよね。
この受け様と出会ったことで攻め様は思わぬ感情に振り回されることになるのですが、
受け様の浮世離れした雰囲気や、ドジっぽい雰囲気も後の背徳感に繋がるかも。
なかなか素敵な作品でした。