葡萄瓜さんのレビュー一覧

ひだまりが聴こえる -幸福論- コミック

文乃ゆき 

神が拾ってその後に

この作品の厄介な所は、バイプレイヤーが
いても捨て役がいないと言う点です。
どんな登場人物にもそれなりの背景が
匂わされていて、そこが本筋に微妙に
干渉してきたりする。その結果、
通り一辺倒でない展開が生じる。
それをやるには創り手も底力が必要なんですね。
今回のこのページ数は、必然です。
物語自体がそれだけの紙幅を求めているのですから。

二重三重の壁をめぐる物語に丁寧に穿た…

7

プルメリアのころ。 小説

尾上与一   

文法差異

…正直、どう評せば良いのか悩んでいます。
シリーズ作の中でこう言う味わいがあっても
良いかと日和ってしまう一方、中途半端に
織り込まれたBL文法さえなければなぁ…と
言うかなり不届きな考えも浮かぶのです。

展開としての必然性は多分理解しています。
どの登場人物にも嫌悪感を抱いておりません。
なのに、何かが合わない。しっくり来ない。
物語として読むには、一味足りない。

でも…

3

センセイ・コレクション コミック

市ヶ谷茅 

情けなさが格好良い

大雑把な私見ですが、BLで取り上げられる
オヤジ・おじ様と言う存在は善悪問わず
どうも格好良さがいつも求められていて、
横から「肩肘張り続けて疲れませんか?」と
ツッコミを入れたくなる張り詰めた日常を
送って居る様な気がしてなりません。
ところがこの本に収められている作品群は
そこを見事に覆してくれる。
オヤジ・おじ様の裏表をきちんと描いた上で
それでもなお愛しいと思わせる手管が…

7

きゃっつ ~四畳半ぶらぶら節~ コミック

羽生山へび子 

下地は上々

単なる獣化ではなく、それぞれの特性を
取り込んだ上で仕立て上げたと言う所が
今作の捻くれた所。
そこでどうしても躓いてしまうなら無理せず
読みたい気持ちを寝かせて時と機会を
待った方が得策です。更に美味しくなる
でしょうから。

時代劇の中からお武家さんの彼是ではなく
街中の彼是を取り出した、と言うのが
味わい深いですね。
お武家さんはお武家さんで色々BL的に
美味しい要素…

1

拾集・若だんな コミック

夏目くも(くも) 

若だんなと言うナマモノ

今作では筆遣いが一寸柔らかくなった様に
感じますが、それはきっと描かれる世界観に
合わせての事なのでしょう。
それはそれでしっくり馴染んでいる所に
何とも老練さと言うか粋を感じます。

総題の通り若だんな尽くしとなったこの一冊、
こう言う視点で描かれる若だんなは結構珍しい
かも知れません。
大体が落語の与太郎の延長か鼻もちならない
小金持ちかそのどっちかの類型かと言う感じの

1

ハトムギ畑でつかまえて コミック

さり 

何故この選択をした?

何故この内容でこのタイトルなのか。
タイトルだけ知られがちなあの名作を
もじっての事なのかも知れないとは
思うのですが、それやったら別に六条大麦でも
ええやんか…などとツッコむのは
野暮ったいですね。
ハトムギを何用として出荷しているのかは
一寸気になりますが。

閑話休題。
主題が主題なのでいささかとっつき難い
部分もあるでしょうが、少なくとも評者が
読んだ限りではご都合…

1

うばわれ上手 コミック

西原ケイタ 

救い、あり

色々重くなり易い要素を上手く希釈して
萌え易くした有り難い短編集。
ただ、要素と作風の好みと相性はあるので
その辺は考慮して戴いた方が良いかと
愚考します。
まあ、ぶっちゃけ小賢しい理屈を捏ねなくても
登場人物のかわいげを愛でておけば
サクサク読める一冊ですので、表紙を見て
ピンときた方にとっては安心できる存在かと。
逆に言えばカバーを裏表しっかり見て
何も感じなかった方にとっ…

0

まほろばデイズ コミック

ちしゃの実 

ある意味正しい奈良ガイド

中の人目線で描かれた奈良ガイドと思えば
結構正しい部分もあるんだろうか、などと
思う一冊。
奈良公園で鹿せんべいを買った方なら多分
しっくりきやすい内容かと思われます。

舞台のせいなのか設定のせいなのか、
それともレーベルの色合いのせいなのか、
BL要素が付け足しと思えてしまうのが
玉に瑕と言う感じでしょうか。
BLとしてと言う前提なしに同じ内容を
読んでいたなら少し萌え方…

4

しあわせのはなし コミック

歩田川和果 

ホントにめんどくせぇ…

大前提として一言。
同じ版元さんから出た前作の様な
読み易さを期待してはいけません。
歩田川節フルスロットルな作品ですので
その辺も計算に入れて読まないと
要らんところで疲弊します。
それでもじっくり腰を据えて
読みたいとおっしゃるもの好きな方は…
ようこそ、魅惑の歩田川ワールドへ。

歩田川節フルスロットルと申し上げましたが、
それでも初心者向けにほんの少し
手加減はされ…

4

相生結び・続 コミック

 

あぐねる

淡々と続いていた日常の裏を垣間見て
しまった様な気まずさを若干覚えつつの
読了でした。
色々含みがあるからこそ成り立ってる面が
あるのは承知しているのですが、そう言う所へ
煽る様な帯をつけられてはね。
何処から何処までを落とし所にするつもり
なんだろうかと勘繰りたくもなる訳で。

収まりは良いと思います。
長くもなく短くもなく。
そしてもったりしつこくもなく。
まあしれっと…

1
PAGE TOP