1945シリーズ 本編・最終巻!!

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表題作プルメリアのころ。

新垣一、21歳、二飛
鷹居千歳、20歳、少尉

あらすじ

「祈るよ。カズイが生きて、内地に帰りますように」

カズイの夢は、南方の最前線基地、航空隊の華・ラバウルで一旗揚げて内地に帰って出世をすること。
着任早々、少尉が乗る九九式艦上爆撃機の偵察員に抜擢されて大喜びするが、紹介された鷹居千歳少尉はどうやら貴族出身の、単なるお飾り少尉らしい。
その上なんと、彼は航空隊員にあるまじき高所恐怖症だった――。
貧乏くじを引いたと落ち込みつつもカズイは気を取りなおし、鷹居少尉とうまくやろうと頑張るが、少尉のさらなる秘密を知ってしまって……。

作品情報

作品名
プルメリアのころ。
著者
尾上与一 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
蒼竜社
レーベル
Holly Novels
シリーズ
天球儀の海
発売日
ISBN
9784883864423
4.4

(62)

(39)

萌々

(15)

(5)

中立

(0)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
7
得点
270
評価数
62
平均
4.4 / 5
神率
62.9%

レビュー投稿数7

文法差異

…正直、どう評せば良いのか悩んでいます。
シリーズ作の中でこう言う味わいがあっても
良いかと日和ってしまう一方、中途半端に
織り込まれたBL文法さえなければなぁ…と
言うかなり不届きな考えも浮かぶのです。

展開としての必然性は多分理解しています。
どの登場人物にも嫌悪感を抱いておりません。
なのに、何かが合わない。しっくり来ない。
物語として読むには、一味足りない。

でも、これも作中人物達の日々の記録です。
彼らは余人に魅せる為の日常を選ばなかった。
それだけの事なのでしょう。

3

うーん...あっさりしすぎ?

え...これで終わりなの?こんなあっさり二人とも帰ってくるの?
これが読後の感想でした。1945年シリーズはファンも多く、人気な作品だと思いますが今回の『プルメリアのころ』はあまり趣味ではありませんでした。
まず、カズイと千歳があまりにも簡単に同性愛を受け入れているのがとても違和感がありました。突然エッチするか?って聞くカズイもおかしいですし、いいよと言って受け入れる千歳もおかしいでしょう...。仲間として大切に思う気持ちがすんなり恋愛としての感情に変わるでしょうか。そこが少し気になりました。
また、戦争という重いテーマと、その古い時代を扱っているにも関わらず、あまりその素材を上手く活かせていない気がしました。例えば、戦後に千歳とその家族との問題があまりにも簡単に片付けられました。また、カズイと千歳が誤差といっていい程の感覚で怪我をして内地に戻り、一瞬で再開してしまいます。結ばれるまでにもっとダイナミックな展開が読みたかったです。あの時代だからのこその会えないもどかしさや、家族の縛りなど、そんな厳しさが欲しかった。そこが惜しいです...あっさりと再開してしまったために、最後に一緒に暮らす二人を見てもそんなに切なくなかったです...
カズイと千歳はとても可愛いキャラクターで好きでした。お話だけだと趣味じゃない評価ですが、2人のおかげて萌え評価まで引っ張れました。
千歳のヒロイン気質に少し嫌気が指す方もいると思いますが、私は逆に彼の貴族らしい気品と強さを感じて、好きだと感じました。誰にも愛されず育ったのに、全くスレずにあそこまでお上品に育ったのは奇跡だと思います。その代わり、自分のことを大切にしない人間になってしまいましたが涙
千歳がカズイを想う気持ちは彼が千歳を想うのと同じくらい重いものでした。しかし、その愛を伝えずに自分の中に貯めてしまう千歳がいじらしかったです。愛されることを知らないがために上手く対応できないんですね。そんな彼に必死で愛情を向けるカズイも可哀想でした。

4

1945

これで最後と思うと感慨深い。
というかすごく寂しい。

本作プルメリア。
これまでのヒロイン、、、もとい、受はどちらかというと
ヤンチャな子が多かったので今回はうってかわってな印象。
高いところが怖い。戦争がこわい。人を殺すなんてもっと怖い。
震えて泣いて、吐いて叫んで。
やかましいという意味ではこれまでと同様かもしませんが(笑

貴族に生まれた受と貧乏な家庭で生まれた攻。
境遇は正反対。けれど誰にも必要とされず
どんだけ虐げられとるの・・な受とわりと愛情たっぷりでそだったんだろう攻のバランスがよかった気がします。
正直、今回の二人に関しては合体してもなお、そこまで
感情が乗せられなかったといいますか
たぶん作中の二人の気持ちの盛り上がりがさほどでもなかったのかな
というところがあり、どーなんだろうな読み進めでした。
身体はつなげたけれど、「好き!愛してる!」な感じでもなかった。

ただ、そこから少しずつ縮まっていく距離と
大事にしたいと思う心が大きくなっていく様子に
思わず引き込まれました。
これまでのカップルのような激しさはない。
けれど何よりの絆は変わらず大きい。
内地に帰ってからの二人の会話が好き。
幸せってこういうことだよな。な読後。
落ち着いたら再読したいな

5

良作

もどかしく、切なくなりながら読みました。
与えられるものを受け止められずに、怖がりながら、それでも健気な千歳は可愛くもあり、腹立たしくもあり……
家での暮らしは見ていて可哀想でなりませんでしたが、あまりの頑なさに、この二人は本当に結ばれるのだろうか?千歳は生きて終戦を迎えられるのだろうか?と不安になることもしばしば。
受けというよりはヒロインという方がしっくりくる千歳が、最後には男らしい面を見せてくれたのは、カズイのおかげだと思うと、二人が出会えて良かったなぁ、と思います。
女々しい受けはあまり好みではないのですが、終わりよければ全て良し、という思いです。

4

千歳、まじヒロイン

大好きな1945シリーズの最後を締めくくる作品なので、“神”評価をつけたかったのですが、今回は登場人物に感情移入ができず…。
すみません、なにより千歳があまり好きになれませんでした。なんちゅーか…坊っちゃんを通り越して、深窓の令嬢みたいな感じで、とても軍人さんには見えないんですよ。
全然関係ないですが、某図書館を戦場とした作品に出てくるヒロインの方が、よほど男らしいと思いました。
怪我をしたカズイの護衛をする為零戦に乗った千歳。漸く若干の男気を見せてくれはしたものの、土壇場で「たすけて、カズイ」と言うのですよ。
あぁ、この子は根っからのヒロイン気質なんだ、と。
私は、どちらかといえば男らしい面のある受けが好みなのです。

カズイがあれだけ嫌がっていた千歳に惹かれたのも、突然でしたね。性格も、育ちもまるで正反対なふたりですが、お互いが刺激しあい成長していくなら結果オーライですかね。

4

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