Mさんのレビュー一覧

棘の檻 小説

本庄咲貴  小山田あみ 

中途半端

 篠田白斗は、警察官である兄の利一に急に呼び出され、意気揚々と指定された住所に向かっていた。
 実は白斗は、兄の利一に恋心を持っていて、そんな利一に久々に「会おう」と言ってもらえたことが嬉しくてたまらないのだった。
 ところが、出向いた先で待っていたのは残酷な現実で。
 いきなり利一に押し倒され、白斗が自分の想いが成就したのだと思ったのも束の間、そこにはもう一人の男がいて、利一に押さえつけら…

2

お医者さんにガーベラ 小説

椹野道流  黒沢要 

もったいない!

 主人公はお医者さんの甫。
 彼は、自他共に厳しく、整形外科からポストに空きが出れば、戻してくれる、という約束でリハビリテーション科に出向することになった。
 当然、「期限付き」ということではあったけれど、完ぺき主義の甫は、手を抜くことはしなかった。
 今までの古い体制を改革し、新しい技術や機械を導入し、リハビリテーション科の重要度を格段にレベルアップさせたのだった。
 けれど、その甫の厳…

1

タクミくんシリーズ そして春風にささやいて 小説

ごとうしのぶ  おおや和美 

時代を感じます

 随分、古い本に手を出し始めました。

 実は一時期、これの漫画化されたものを連載している雑誌を買っていたことがあったんですが、その時は途中から読み始めて、前の作品を読む機会がなかったので、面白そうな話だなあ……と思いながらも、全然、意味もわからず読んでいて、それはさすがにまずい気がしてきたので、ようやく小説を読み始めました。

 タクミはある過去から、人間嫌いで、実家にいるのも苦痛で仕方…

2

恋は上手にあどけなく 小説

崎谷はるひ  高永ひなこ 

藍の強さがすてきだった

「キスは大事にさりげなく」の「白鷺シリーズ」の完結編。

 最初は何もわからなくて、ピュアなだけが売り物だったように思われた藍は、実はとんでもなく芯の強いものを持っていて、志澤さんのピンチにその藍らしさを失わない、けれど、それでいて苛烈な一面が前面に出てました。

 なんというか、感動する。
 物語自体にも感動するけれど、藍の性格自体に一番感動しました。
 私と同じ人間の中から、こんな…

2

鈍色の花 コミック

わたなべあじあ 

もうちょっと読みたい!

 久々にBLコミックを読んでしまいました。
 今回のBLコミックは「わたなべあじあ」先生のコミックスでした。
 久々に読んだ作品は、近親相姦+3P……ショタ要素有りで、さすがのわたなべ先生!! 倫理観のすべてを丸無視してしまっている!! 尊敬します!(違う)

 しかも代々、近親相姦を繰り返していた一族の人間で、その結果として、血の繋がりの濃い人間しか愛せない体質になってしまった。
 そ…

3

魔導師と約束の花嫁 小説

あすか  Ciel 

二人のやりとりがもっとみたい!

 大学生の越畑樹澄は、幼い頃に行方をくらませた祖父が残したという輸入雑貨店の経営権の30%を相続することになった……という話を聞き、相続するかどうか決めるためにも、その店を一目見に行こうと思い、店に向かうと、そこで売られていたのは、輸入雑貨ではなく、怪しげな商品と喋る猫で、祖父との共同経営者だったという男は、バーナードと言い、微妙にずれた返事をする男だった……

 というちょっとぶっ飛んだファ…

2

ロマンティックな恋愛契約 小説

水上ルイ  こうじま奈月 

攻めが純情!

 お金持ちの男の人が、お金にものを言わせて、未成年をいいように扱う話……と思いきや、お金持ちの男の人はとは違って、彼は思っていたよりも純情でピュアで、「自分を好きになってほしい」という想いが強くて、そうじゃない時には手を出さなかった……という、貴重なお人。
 いや、びっくりしました。

 もちろん、この作者さんの話なので、曲者な登場人物が他にもいっぱいいて、このまま別カップルの話も出てくるん…

0

ネットワークで恋をして 小説

水上ルイ  杜山まこ 

美形がインフレ!

【※BL注意】

 三枝イズミは高校一年生だけど、コンピュータ界では知らないものがいない犯罪者ハッカー(クラッカー)だった。
 そんなイズミがとあるきっかけで知り合ったのは、インターネットカフェのオーナー・立花有次。
 立花は、イズミに対して「愛してる」だの、「好きだ」だの、口にしてくるけれど、イズミはそれを「イジワルの一つ」としてしか受け取っておらず、あんな遊び人は信用できない! と本気…

0

スウィート・フェイク・メイク・ラヴ 小説

金丸マキ  CJ Michalski 

痛くて救いがない

 痛い話が読みたいなあ……と思って本を開いてみたんだけど、思ったよりも痛くて、救いがなくてちょっと辛いですね。
 できればもうちょっと救いのある話がよかったかなあ……。

 主人公の学は、壊れかけた家庭の中で、何とか自分の居場所を作ろうと、家を壊さずにいようと、必死でいろんなことをガマンしているけれど、当然、それには無理がかかっているわけで、どうしようもなく何処かに行きたくて、それでも何処に…

2

箱庭のシンデレラ 小説

染井吉乃  街子マドカ 

続き物は難しい…

 久々に、BLを読んだら一気に読みきってしまって、何も思いとどまれなかったです。
 物語って自分に合う、合わないってあると思うんですよ。
 この作者さんの物語はあったかいので、個人的には大好きです。私には合う話。

 ただ、これは続き物……というのかな?
「愛こそすべて」という会社が関わっている主人公の違う別物語です。
 こちらの物語は前作品の「花冠のセオリー」でも活躍していた蓮音とそ…

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