むつこさんのレビュー一覧

悲しきヒーロー 小説

須和雪里  琴川彩 

奇妙な後味でした

表題作の『悲しきヒーロー』は、まずまずでした。
ドタバタコメディぎみな宇宙人モノで、ちょっとついてけない部分もあったけど。

『棘』が、私好みのダークな作品でした。この陰鬱さ、この背徳感、だいすきです。
JUNEが全盛期だったころの過去作品を掘り起こして読んでると、たまにこういうダークな作品にぶち当たるので、やめられません。うひひ。陰気な喜びに浸れます。万人にはオススメできませんが。
かつてのイジ…

1

さよならヘヴン 小説

榊花月  紺野キタ 

シミジミいいお話でした

いじめによって五年間も引きこもりをしている18歳(受け)と、その姉の同僚の会社員(攻め)の、心あたたまるストーリーでした。
少しずつ成長していく主人公の姿と、彼を成長に導いていく寡黙で誠実な攻め。それから、気長に優しく見守ってる家族。
いい話を読んだなァ…と、読後感が最高に良かったです。

こういう、引きこもりみたいな社会問題をテーマに小説を作る場合、扱い方を間違えると、説教くさくてウザいか、ひた…

2

言葉もなく、花は 小説

榊花月  九號 

榊さんのヤクザもの

榊花月さんのヤクザものです。ヤクザに若干リアリティがないような気がしましたが、面白かったです。
榊花月さんの小説はもう何冊か読みましたが、私、彼女の作り出すキャラがかなり好きです。
攻めは、俺様攻めが多いんですが、なんか憎めない。この作品の攻めも、俺様です。
受けは、そんな俺様攻めに(違う意味で)負けない、芯の強いタイプが多い。どんな苦境でも、しなやかな柳のような強さを持ってるタイプ。この小説の受…

1

五つの箱の物語 コミック

今市子 

珠玉の短編集

今市子さんの初期短編集です。
箱をテーマにした連作が5つ、読み切りが4つ、合計9つの短編が入ってます。
絵はさすがに古いんですが、どれも何とも言えない味のある魅力的な作品ばかりで、とても面白かったです。
改めて今市子さんの魅力を実感しました。人間の心のヒダをほじくり返すようにして描くのが巧すぎる。
最近の今市子さん作品は切ないストーリーを描いててもどこかコミカルでほのぼのしたタッチなんだけど、こち…

2

Spring Has come! 小説

月村奎  南野ましろ 

癒し系

ツンデレ高校生と、明るい総菜屋のお兄さんの恋の話です。
癒し系小説でした。

主人公は、高三にして家事全般を受け持ってる苦労人。手抜きできない性格で、イヤイヤながら完璧に主夫業をこなしつつ、日々のルーティンに鬱々とした毎日を送っている。
彼のスゴいところは、毎日きちんと手作り料理してるところ。いまどき専業主婦でもありえない。
手抜きできなかった主人公なんですが、とある総菜屋でオカズを買い、それが美…

2

同級生 コミック

上田規代 

面白かったです

ピュア系の王道まっしぐらって感じ。
短編集です。
高校生同士の恋は、レモンサイダーの色で、キス止まり。
リーマン同士の恋は、カラダだけ繋げててココロが繋がらないという焦燥感で、切なくなっちゃう話。
好きですねー、こういう作品。
好みのシチュエーションなので、多少デキが悪くても楽しく読めます。
どういう部分でデキが悪いかというと──はっきり言うとストーリーが完全に読めるのw
改めて言いますが、でもこ…

4

NGだらけの恋なんて 小説

英田サキ  かすみ涼和 

王道

売れない俳優と、売れっ子漫画家のラブストーリーです。
売れない俳優である木津は、連ドラの主役を勝ち取るために、原作者の矢部に体を提供することになります。
矢部はかつての知り合い。矢部は過去、ずっと片思い木津に片思いしてたという過去がある。
面白かったです。
よくある王道ストーリーですが、英田さんの心理描写の上手さにのせられて、最後まで楽しく読むことができました。

1

うそつき 小説

金丸マキ  二宮悦巳 

『絶対服従』と合わせて読むのをオススメします

短編集で、『絶対服従』の続編です。
『絶対服従』を読んでなくても大丈夫ですが、読んでおいたほうが楽しめると思います。
いやー、面白かったです。
『絶対服従』ではバラバラに思ってた短編が、一人の登場人物を介して繋がったもんで、オオッ!と思いました。
しかしまさか、コメディタッチの作品とドシリアスタッチの作品を繋がってるなんて、意外すぎて気づいてなかったのが残念。

『うそつき』
幼馴染みの航と和音の…

1

37℃ 小説

杉原理生  北畠あけ乃 

今まで読んだ杉原理生作品の中で、一番好きでした

アダルトな世界でした。
繊細で流れるような文体に、うっとり酔いながら読みました。
比喩の使い方とか心理描写とか、いちいち美しくて、ああ、私もこんな文章が書けるニンゲンになりたい。
今まで読んだ杉原作品のなかで、ピカイチに好きでした。

主人公の受けは32歳の銀行マン。うほっ、アダルト!ゲイなのを隠して結婚し、妻とは別居中です。
そんな主人公のもとに、10年ぶりに電話をかけてきたのが、大学時代に付き…

3

世界を二人のために 小説

火崎勇  中原隼佑 

主人公の性格が良かった

主人公は社長のボンボンです。苦労知らずの大学生。
父親の会社が経営難に陥り、主人公のお姉さんが政略結婚することになる。
それに反発する主人公。
で、お姉さんと一緒に、行儀見習いとして、お姉さん結婚相手の男の家に住み込むことになります。
はじめは反発を覚えてた結婚相手の男のいろんな顔を見るうちに、わだかまりが解けてきて――。

とにかく主人公の性格が良かったです。
恋愛感情を自覚するまでかなり時間が…

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