雀影さんのレビュー一覧

春に孵る コミック

国枝彩香 

こういう芸風

国枝さんの麗人のコミックはいつもバラエティに富んだ作品が詰まっていて楽しいのですが、この本は中でも特に、ダークで耽美な作品の含有量っていうか、ページ数が多い。
それ故に、ずっしりと読み応えがあります。

この、春らしい淡い色彩のきれいなカバー絵の人物たちが、いったいどんな物を背負っているのか?
それは、読んでみてのお楽しみ。

ストーーリーの精緻さと、しっかり書き込まれた絵の美しさは、…

3

どこにもない国 コミック

草間さかえ 

カバー絵のブルー

このカバーのためだけにでも、入手する価値がある。
そんな、どこにもないような青い空と海。
それでいて、内容は南の島の戦闘地と、復員後の日本の村。
草間さんのごつごつと筋っぽい身体の線って、こういう、ちょっと前の時代にすごくあっている。
ただ、惜しむらくは、この表題作、短すぎて物足りない。
いろいろ削ぎ落とされすぎていて、もったいない。
良く言えば、余韻のあるシャープな作品だけど、せめて…

2

愛の謎が解けたとき 小説

斉藤まひる  竹美家らら 

愛の謎解き

歪な子供のまま大人になってしまったIT企業の若きカリスマ社長を、一流の腕をもつ板前がその探求心と愛とで解きほぐす話。

単なる惚れた腫れたや肉欲を超越したその先の、絶対的な無償の愛を受け入れさせるまでの餌付けの日々。
谷の作る料理が、どれも真剣勝負でおいしそう。
愛故に、総てにおいて、谷が自分の命より北村を優先していて、実際に結ばれるまでには、命を落としかけたりもするのですが、ここまで延々…

3

海老原さんの言うとおり コミック

柊のぞむ 

デジタルなのね

作画にデジタル処理するのは、もう、普通のことなんだろうけど、ここまではっきり駆使しているのは、やっぱりまだ、もの珍しい。
背景とか家具とか小物の線が、作画ソフト特有の超直線。
トーンワークも、どこにでもやりたい放題。
ゆれのない細い描線も拡大縮小思いのままだからこそ。

って感じに、デジタル技術の進歩に感心してて、肝心の内容は?

キャラが、微妙に、好きになれないタイプ、、、、。

0

秋山くん コミック

のばらあいこ 

ヘタレ攻めの星

これもヘタレ攻めって言っていいんでしょうか?
不細工攻めなのは確かですが、、、

ものすごく格好いい秋山君に夢中で、好きで、好きで、好きすぎて、
メチャクチャ不細工な顔で、顔中涙と鼻水でぐちゃぐちゃにしながら、それでも、やっぱりやりたいですっていっているシバ。
対する秋山君の、破滅の女王のような美しさと、理不尽さと、愛らしさ。
番外編の智美ちゃん編も、ガツンと来ました。

なんとい…

1

旦那様と蜜月中 コミック

みなみ遥 

これはこれでいいの

おおー!
カバー絵から裸エプロンですか。
カワイイ尻してるじゃないか、
リボン結びしたヒモの一端でうまいことお尻の割れ目は隠しているけど、ピンクの乳首は隠す気がなかったのね。

なんだか、突如襲ってきたベタエロの波に乗って、久しぶりに読んでみたみなみ先生。
あはははは
これよ、これ。
たまーに、こうやって安心して楽しめる、きれいなだけのエロエロ成分が欲しくなるのよねぇ。
これだけ…

1

春恋。 小説

朝丘戻  前田とも 

こども時代の終わり

この切なさは、どうしてくれよう。

家庭教師に恋した高校生君の、切ない切ない恋のお話。

高校生の美里は、家庭教師のアキが好き。
アキは、意地悪しながら気まぐれに美里を抱く。
美里はアキのそんな意地悪に傷つきながらも、それでも好きで、嫌われたくなくて、どんなことも受け入れて、泣きながら、うれしくて、かなしくて、

自分の「好き」で精一杯の美里と、自分の心に気付かないアキ。
二人共…

1

夢をみてるみたいに(文庫) 小説

崎谷はるひ  せら 

王子様は誰だ?

泣いていた時に優しくしてくれた顔も定かでない王子様に恋して、しばらく回り道したけど、最後は本当の王子様に出会うお話。

ザックリと流れをまとめると、すご~~くテンプレな少女マンガだけど、
そこは、それ
崎谷作品なので、
王子様は絶倫だし、
何より、王子様に出会った処女姫が、無垢なだけに、天然なエロさ爆裂!!
みたいな

この手の、未通ちゃんが、愛故に、初めてにも関わらず、どんどん…

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忍んで恋の術 コミック

和泉棒子 

褌はイイ!でも、ケモちゃんは?

一応この本、表紙を見てもわかるとおり、ケモノ擬人化シリーズじゃありません。
タイトル見て想像つくとおり、忍者物です。
それも人間の。

扉絵にはウサミミフードの子がいたので、多少は期待したのに、ケモ要素なし。
微妙にがっかり、、、

褌は良いです!
開脚したおまたで、褌の横から・・・は、イイ!
上半身裸で、下半身が袴と褌だけだと、腰の横の部分が全部丸見えっていうのもそそられます。…

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片思い 小説

木原音瀬  桑原祐子 

表題作は痛くない

かなり古い作品なので、表題作は、木原さんにしては拍子抜けする程、痛くない、普通の意地っ張り物です。
それでも、攻めの三笠の鈍感さ故の傲慢さやつきあい始めてからの溺愛ぶりとか、受けの吉本のツン暴走とわかりにくいデレっぷりとかは、木原さんのキャラだなあって思います。

この本には表題作の他に、表題作カップルの数年後を、吉本の部下視点から描いた作品と、この2編とは全く無関係な独立した短編が収録され…

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