雀影さんのレビュー一覧

服従の重力 ~レーサーはパトロンの獲物~ 小説

藍生有  なるみゆった 

わかりあいたい

いやぁ、珍しく読むのに苦労した

私、基本的に読むのは早い方なんだけど、この本は読むのに時間かかった。

それも、これも、あまりにもコミュニケーション能力の低い、物言わぬ攻め様のせいだな。

攻めの藤堂はお金持ちだけど、子供の頃に充分に愛されなかった所為で、大人になった今も、愛し方というか、愛する物への感情の表し方を知らない。
そんな藤堂の言動に、普通に家族に愛されて育ってきた受けの…

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非BL作品

彼は花園で夢を見る コミック

よしながふみ 

非BLです

よしながさんの、古い短編集です。
収録作品は、どことも知れない、中世の西洋の国らしきところを舞台に、親子であったり、主従であったり、夫婦であったりの、普遍的な、人と人との間にある「愛」についてを物語る、非BL作品ばかりです。
匂い系として、BL的な萌所も探せないわけではありませんが、そんなことは、ごくごく些細なことだと思わせるお話作りのうまさ、おもしろさ。
同じく新書館から出ていた、非BLコ…

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星よりひそかに コミック

高井戸あけみ 

アラブです

でも、高井戸さんの静かな絵で描かれているので、あまりアラブ臭くありません。

高井戸さんのキャラ、とくにこの作品のような、日本人の受けキャラは、
体温も、体臭も、体毛も、野望も
そんな物一切無くて、清らかな諦観の中で生きているようです。
そして、それを攫いに来るアラブの王族も、アラブ系なのに、やっぱり
体重も、体臭も、体毛もありそうもなくて、あるのは多少の強引さとお金ぐらい。
夢のよ…

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せつなの夜に触れる花 小説

崎谷はるひ  おおや和美 

西麻布編は「夜シリーズ」

「海」縛りタイトルで続いていた、ブルーサウンドシリーズ、西麻布の「アークティックブルー」に舞台を移し、今度は「夜」縛りタイトルでいくそうです。

で、今回のお当番は、過去が謎のちょっと年上のバーテンダー江上と、小学校教師大貫京のお話。

私、この江上に、過去の作品内での記憶が、さっぱり、まったくありません。
一応、お店の中でも過去が謎の人ということなので、お店のメンバーとして存在はしてい…

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青に沈む庭 小説

朝丘戻  山田シロ 

大事に、ゆっくり、

元義兄と、元義弟のお話です。
前半は元義弟・一の視点から語られていきます。
姉・真のもとに居候しながら大学に通っている一。
姉と暮らしながらも、姉と離婚して、今は一人で海辺で喫茶店をやっている、元義兄・逸人の所へ押しかけバイトとして通い続けています。
一にとって、逸人は、姉と離婚して、もう家族ではなくなっていても、ずっとずっと好きで、離れたくない人です。
逸人は、なぜ真人と離婚することに…

3

やんごとなき若君様の恋愛 コミック

角田緑 

浮世離れした、やんごとない若君

時は昭和の初め、公爵家の嫡男・操は、高貴なお血筋の、やんごとない若君なのに、ちょっとがさつな位の天然さん。
収まりのない、ふわくしゃ癖っ毛で、特権階級故の傲慢さと、人を疑うことを知らない鷹揚さ。
恋も色事も知らない、真っ直ぐな純真さで、ひたすら思うのは、4年前、急に英国へと留学してしまった、幼馴染みの常磐のことばかり。

華族が本当に特権階級で、世の中が比較的平和だった、ごく短い間を舞台…

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吸血鬼には向いてる職業 小説

榎田尤利  佐々木久美子 

マンガ愛

ドラマCDを先に聞いてから原作を読んだのですが、どちらも良かった。
CDの方は、黒田さんの声に惑乱しながら、結構ウルウルして聞いたのですが、対して原作の方は、野迫川のマンガへのオタクっぷりが、マンガの古典の小ネタが随所にはいることでより強調されていて(CDでは細かいくすぐりは、結構ざっくり省かれていた)、より笑い所が多くてコメディ色を強く感じました。
あと、意外なことに、ドラマCDの黒田を演じ…

1

愛犬生活 小説

鹿能リコ  ユキムラ 

読んでいる最中は、なかなか笑える

むしろ、電車の中では不審なくらいニマニマ笑ってしまった。
一人暮らししていた祖母が亡くなり、遺品整理のために祖母宅に暫時すむことになった一弥。
そこに現れた千里は、随分前から、おばあちゃんの知り合いだったらしくて、いつの間にやら同居することに。
「おばあちゃんの味」で、あれよあれよという間に絆されてしまう主人公・一弥。
六つも年下の高校生なのに、家事全般、とくに料理をそつなくこなし、ワンコ…

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白猫 コミック

トジツキハジメ 

これってホントにトジツキさん?

なんだか絵が違いすぎてビックリだ。

なんて言うか、普通に少女マンガ?
っつか、ありきたりにかわいい?
これって、ホントにあの、がに股気味でリアルにごつい脹ら脛にスネ毛ガッツリの、あのトジツキさん?
高校生でも、平気であごひげの、あのトジツキさん?
?????

たぶん、私が読んだトジツキさんのコミックって、2008年の「徒然」以降。
この本、そのイメージとは、ずいぶん違う。

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吸血鬼には向いてる職業 CD

黒田さんのあの声で

魅惑的な吸血鬼。
でも、その吸血鬼は、なんだか律儀でヘタレなの。
それに引き替え、普段はヘタレワンコイメージな平川さんが、強気でサクサクキャラ。
この逆転していく感がなんとも楽しい作品。

もう、とにかく、黒田さん!!
黒田さんが、あの声で演じる黒田瑞祥は、
あの声にぴったりな、傲慢でクールで、そしてどこか淋しいヴァンパイア、だったはずが、野迫川に上手くのせられて、どんどん人間味が増…

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