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表題作服従の重力 ~レーサーはパトロンの獲物~

藤堂恭一・業界トップの不動産会社の凄腕社長
須貝涼・スポンサー企業の撤退で進退が危ういレーサー

その他の収録作品

  • 愛しさの重力

あらすじ

レーサーの須貝涼は、レーシングチーム存続と引き換えに、藤堂コーポレーションの社長・藤堂恭一に服従することを誓う。そして始まったペットとしての日々は、覚悟をはるかに上回る屈辱と淫靡さに満ちていた。男に抱かれる悦びなど知らなかったはずの身体は、冷たい視線に曝され命令口調で詰られると、簡単にプライドを手放しぐずぐずに蕩けていって───。

作品情報

作品名
服従の重力 ~レーサーはパトロンの獲物~
著者
藍生有 
イラスト
なるみゆった 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
プリズム文庫
発売日
ISBN
9784775515020
3.1

(6)

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萌々

(2)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
18
評価数
6
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

傲慢な攻様の王道な恋

今回は業界トップの不動産会社の凄腕社長と
スポンサー企業の撤退で進退が危ういレーサーのお話です。

二人出会いから受様が好かれている事に気づくまでと
受様が攻様を好きだと認めて本当の恋人になるまで。

受様は子供の頃からレーサーを目指し、
三年前からはフォーミュラジャパンに参戦してます。

フォーミュラジャパンに参戦した当時から
自分以外の様々な要因でリタイヤが続き、
【不運のレーサー】と呼ばれていました。

それでもあきらめずに努力して
今年ようやく夢だったシリーズチャンピオンまで
残り二戦と迫った矢先、
チームのメインスポンサー企業が撤退を表明、
このままでは走る事もままならなくなります。

そのスポンサー企業は業績が悪く、
ある会社に買収されていたのですが、
その会社の社長こそ、今回の攻様になります。

攻様は若くして国内有数の不動産会社を継承、
その手腕で業界トップへと導いた男で有り、
男らしい体格も整った美貌も富も名誉も
何もかもを手にしている様な男でした。

スポンサー企業の撤退を受けた際、
受様の所属チームのオーナー兼監督は
すぐさま攻様に継続の懇願しますが、
あっさりと却下されてしまいます。

そこで
受様自身が攻様の説得を試みる事にしますが、
実は受様は半年前に攻様に
セクシャルな誘いを掛けられながらも
袖にした経緯が合って、受様は戦々恐々です。

チームの継続を訴えた受様に
攻様が提示した条件はただ一つ。

受様がすべてにおいて攻様に服従すること!!

考えるまでもなく、
体と引き換えという攻様に
受様が否と応えられるはずも無く…

攻様に言うがまま、
彼のベットの相手となりますが、
攻様の執拗な愛撫に解かされた身体は
初めての経験とは思えないほど
受様は我を忘れる程の狂態を曝してしまいます。

攻様は受様というペットを飼っているかに振舞い、
与えられた部屋で
攻様の訪れを待つ受様の生活は
彼の意志一つで支えられている愛人のよう。

徐々に攻様に慣らされていく受様でしたが、
モータースポーツは何かと金がかかる為、
攻様の気持ち一つで先の読めない来期の為にも
より良い条件のチームや
スポンサー企業を探さない訳にはいきません。

しかし、
そんな受様の行動は攻様の逆鱗に触れてしまい、
受様は最終テストの行われているサーキットの
VIP用のラウンジで
攻様の詰られながら凌辱されてしまいます!!

こんな危うい二人の関係はいつまで続くの?!

雑誌掲載作に書下ろし続編を加えて文庫化、
お金にモノを言わせて受様を手に入れる傲慢社長と
チームの為だったはずが身体から攻様に落とされる
勝気なレーサーのお話です。

実は攻様は受様にほぼ一目惚れ状態ですが
親の愛情に恵まれなかった攻様は
受様への愛情も素直に告げる事が無く、
受様が何で自分なのかとグルグルする展開なので

傲慢攻様という攻設定では有りますが、
攻様の気持ちが判れば
即ハッピーエンドなはずと安心して(笑)
最後まで読めました♪

書下ろしの続編は
受様のテスト走行中の事故を起して以来
攻様が受様に触れなくなって…
というお話です。

受様がまたまたグルグル致しますが、
攻様の誤解と言うか気遣いが元なので
解ければ甘々状態で~す♪

藍生さんは
先月もレーサーモノを書かれていますが
雰囲気は全く違っていました。

先月はレーサーの「勝負」の世界としての面が
強調された設定でしたが、
本作の方はレーサーの「華やかさ」が
攻様の「富豪」の面と比較されて強調された感じで、
判り易くBL的王道な設定として
レーサーという職業が登場している感じ。

私的には前作の『時の支配者』の方が好みですが、
判り易く王道な設定&展開がお好みなら
本作の方がおススメですね♪

なので今回は藍生有さんの前作
『時の支配者・音速で恋をする』をご紹介作とします。

0

ちゃんと話合わないと、通じない気持もある。

条件と引き換えとはいえ、男に身をまかせるなんてと屈辱的だがこれしか方法がない、と腹をくくる受けに傲慢に構える攻めという構図は読み慣れたものですが、やっぱり萌える王道パターンです。

須貝涼は所属するレーシングチームがスポンサー降板で存続の危機に立たされており、そこでスポンサー企業を買収した会社の社長藤堂にチーム存続の嘆願をする。
実は涼は以前藤堂に会った時、(性的な意味で)誘われたのだが、きっぱりと断りを入れていた。
恐る恐るも話を持ちかけると、存続させる代わりの条件をだされる。
それは涼が自分に抱かれる事でした。

実はこの藤堂、根っからのセレブで欲しいものが手に入らなかったことがなく、お金で手に入らないものはないと考えている男。なので、涼に振られて以来、涼の事が気になって仕方がなく手に入れたかった。
そんなことから涼を手に入れる為に企業買収をぶちかまし、チームごと涼を手に入れるという暴挙に。
オマケに藤堂は恐ろしく感情表現が乏しく寡黙で愛情表現がヘタクソ。なので、涼はいらないもやもやを抱え、グルグルと悩んでしまう。
とにかく藤堂は言葉が足りない。
勝手に嫉妬して無理やり涼を抱いたり。
怪我をした涼の体調を慮って抱くのを我慢すれば、涼を自分はもう飽きられちゃったのか?と悩ましたりする。
行動には全て理由があるのだけど、多くを語らない彼の言葉数の少なさは罪ですね。

涼は藤堂とは逆で感情表現も言葉も惜しまない。
藤堂曰くじっとしていない、確かに快活でとてもフットワーク軽くどこへでもひょいと行ってしまいそう。
涼は初めて藤堂に抱かれた時、丁寧に抱かれ初めからものすごく感じさせられた。
こんなにも感じてしまった自分、夢ではなく現実…それは少なからずショックな出来事で。
しかも藤堂の用意した部屋に移り住み、彼に色んなものを買い与えられ。
愛人のようだ、と虚しく思ってしまう。
それでも、チームが解散するとなくレースに挑めるのは藤堂のおかげ、と涼は頑張る。
藤堂との情事に体は慣れ切ってしまっているのに、肝心の心が上手く繋がっていない気がしてならなかった。
好きになりかけている自分を自覚もしている。
けれど藤堂は自分をどう思っているのだろう?
後半はそのあたりが読みどころで、見えない藤堂の本心と涼のもやもやグルグルがじれったい。

しかし、随分と分かりにくい男だと思っていたけれど、なんのことはない藤堂は仕事の出来る大人だがプライベートでは子供なのだ。
感情表現の下手な愛情に飢えた大きな子供。
分かりにくい部分を理解すれば、愛おしさも募るってもんでしょう。
それに、涼の影響で言葉での挨拶の出来なかった藤堂が、今までは頷くだけだったのに、ちゃんと
「ただいま」「おやすみ」と言えるようになった進歩。
愛情だねぇ。
クライマックス付近の告白の流れがけっこうツボでした。

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わかりあいたい

いやぁ、珍しく読むのに苦労した

私、基本的に読むのは早い方なんだけど、この本は読むのに時間かかった。

それも、これも、あまりにもコミュニケーション能力の低い、物言わぬ攻め様のせいだな。

攻めの藤堂はお金持ちだけど、子供の頃に充分に愛されなかった所為で、大人になった今も、愛し方というか、愛する物への感情の表し方を知らない。
そんな藤堂の言動に、普通に家族に愛されて育ってきた受けの須貝は、一喜一憂。
それでも須貝は、藤堂はただ単に感情を表すのが極端に下手なだけと気付くと、何とか、藤堂を人間らしくしようとするのですが、、、

この本の読みにくかったのって、こうやって藤堂が全くなに考えているかわからなくて、読んでいても感情の持って行きようがなかったからかなぁ。
このお話のキモが、「藤堂が何を考えているか、須貝にはわからなくてすれ違う」って事なら、そう言う意味でなら、この作品は大成功。
でも、ほんとに、読むのに苦労したんだってば。


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