茶鬼さんのレビュー一覧

君恋ふ 下弦のうつろひ 小説

chi-co  旭炬 

帝は帝

祖母の家の倉の長持ちの中に落ちて平安のような時代へタイムスリップし、帝の后にされてしまった高校生のお話も、いよいよクライマックス。
あと1冊を残し最後になります。

現代へ戻る術がわかり池に飛び込んだ時、一緒に帝も戻ってきてしまったのです。
帝のいる世と違い文明のあるこの世で、ひょっとして展開的には、俺様な帝が千里の立場に立った事で彼の気持ちを知り近づいていくのかな?
なんて予想は見事に…

1

優しいプライド 小説

砂原糖子  サマミヤアカザ 

彼の欲しいもの

02年アイスノベルスの新装文庫版
「愛しいプライド」が新たに加えられた短編です。

その生まれから疎まれ仲間外れにされてきて、そこから逃げ出しホストになった志上。
彼が車と事故を起こし、その運転者が元同級生で現在病院の研修医となっている保高との再会となる。
右手首の骨折のため、生活に不自由な志上を保高は自分の家に住まわせ共同生活を始める。

健気に尽くす保高に志上がほだされたという簡…

7
二次創作

此の世の底で君の傍ら コミック

ウノハナ 

スミス愛

ウノハナさんの初進撃&初エルリ本。
他の作家さんのエルリ本も色々と見ましたが、このウノハナさんのエルリ本は一味違う!
確かにエルリのカプリングのものなのではあるのですが、エルヴィン・スミスの人となりというものに深く切り込んでいて、スミス愛がたぎっているのですよ♪
本来は更に30Pくらい多い予定だったらしいですが、削ってこの分量になったということで。
もっそいもったいないー!その30P欲しか…

6

「やがて恋を知る」初回限定特典書き下ろしショートストーリー 特典

愛する人が幸せならば

「やがて恋を知る」本編のラストに3人で車でデートに行くシーンがありました。
行きの運転が杉沼、帰りが史賀。
その帰り道、後部座席で杉沼の肩にもたれ寝ている安曇とそれを気遣う杉沼の姿をバックミラーで見ながらの史賀の想いです。

純粋に愛を向けている風の史賀でしたが、その気持ちの奥底は本編でははっきりと伺い知ることはできなかったので、この史賀視点は、本編の結末の裏付けをするのに或る程度の役割を…

4

狂犬は一途に恋をする 小説

野原滋  三池ろむこ 

その男、人情派

なかなかテンポよく、キャラクターの性格もとてもよく出ていて、展開のまとまり具合が程良い感じ。
決してこじんまりではなく、面倒見の良い人情派×ネガティブ男の組み合わせとキャラクターを楽しめちゃう1冊でした。

その体格から何かと絡まれ、人情に篤いことから慕われて頼りにされて、いつの間にかついたあだ名が「浦安の狂犬」
その腕っぷしの強さからボクシングにスカウトされるが、さる事情により現在の人材…

2

純情ビッチ、ハツコイ系 コミック

おわる 

片想い、こじらせてなる変態かな

作者さんの初コミック?
絵柄が北沢きょうさんみたいなキラキラした感じなのですが、ものすごく描き込みが細かい!
誌面ギッシリでこの1冊より倍以上の濃さを感じます。
ギャグ化やチビキャラ化もとても自然に挿入されて、ほんとうに初単行本?と驚くほどのこなれ感を感じて、この1冊を読み終わった後の充足感といったら、、、

表題は、出張ホスト(売り)のバイトをしている芸大生・遥夜と親友で同じ芸大生の一…

11

チョコストロベリー バニラ コミック

彩景でりこ 

ゾクゾクくるエロス

シリアスタッチのでりこ作品もまた大好きです☆
このお話、好きな子と好きなモノは何でも半分こする拾を軸にした
半分こしてきたタケと、半分こされるミネを描いた3角関係。
奥が深いようで単純で、単純なようで奥が深い、その心理描写もさることながら注目するのはエロシーン!

あっさりとした線が描きだすその淫猥さと質感は、コマごとの大胆な描写とアップと控えめに挿入される擬音に臨床感を感じます。
表…

7

メガネと恋と青い鳥 コミック

夏河シオリ 

乙女男子の純情

表紙のメガネ君を見た時目がない!そして裏表紙を見ると目がある!
ひょっとして、眼鏡を取るとかわいい設定のお話?
と思ったら、意外にもそれは話しの中でのメインの御約束テーマではなくて、あくまでも幼馴染恋愛が中心。
目がなくても口や仕草なんかで解ってしまうほど表情がとても豊かで全然違和感がありませんでした。

表題は、メガネのもっさり男子・ケイは自分の外見から恋愛は無理と思いながら少女漫画や…

2

本気でかかってきなさいよ コミック

黒須ヨイチ 

誤解とすれ違いは愛の栄養剤

作者さんの初コミックでしょうか。
出典を見ると全て描き下ろしになっています。
描いた順番は掲載順なのかな?それともランダム?
表題が一番最初に掲載になっているのですが、線に勢いがあるのにぎこちなさを感じる部分があって不安定さを、そして全体が白っぽく、立体感より線で出来あがってるような印象を与えます。
それが2本目、3本目といくと、陰影やハーフがついて画面に奥行きが、身体の表現も同様に肉感が…

2

修羅の華 小説

水原とほる  高緒拾 

自ら選ぶ己の道

東洋のどこか小さな国にある町が舞台の物語。
年中太陽が照り、寺院が人々の拠り所となり尊敬される僧侶がいる、そんな場所はタイ・ミャンマー・カンボジアやバングラデシュあたりを連想するといいか。
残念ながらどこかの外国モノ設定ではあっても、その国の空気や風や匂いを感じる異国情緒は薄めかもしれません。

両親が亡くなり、叔父・叔母に引き取られて暮らしていたアーシャだが、生活が苦しくなり寺院に預けら…

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