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表題作架空の園 続・花盛りの庭

橘信夫・設計士
橘雅樹・高校生

その他の収録作品

  • 天空の草花
  • GOOD LUCK BABY
  • DARK EYES

あらすじ

生まれた直後、母を亡くした雅樹はずっと父と2人だけで暮らしてきた。
冷たい父との間に、会話はあまりない。
母の話さえも、2人の間ではタブーだ。
そんな2人の唯一の絆、それは・・・!?
衝撃のドラマ『花盛りの庭』から溯る橘一族の愛と憎しみの年代記!!(裏表紙より)

作品情報

作品名
架空の園 続・花盛りの庭
著者
坂井久仁江 
作画
坂井久仁江 
媒体
漫画(コミック)
出版社
集英社
レーベル
YOUNGYOU COMICS【非BL】
シリーズ
花盛りの庭
発売日
ISBN
9784088642147
4.3

(3)

(2)

萌々

(0)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
13
評価数
3
平均
4.3 / 5
神率
66.7%

レビュー投稿数1

家庭内という世界が全て

花盛りの庭の続編、というか、1冊目で完結したお話のツールを探る、過去の回想編ですね。

雅樹と父親の歪んだ関係、それと、雅樹の父親・母親・祖父の三角関係のお話です。ホームドラマなんてかわいらしい呼び名で呼べるようなほっこりしたお話ではありません。
どちらも、親子の増愛を描いたもので、明るい話ではなく、特に後半は昼のメロドラのような…こんなこと家庭内であったらたまったもんじゃない…

女性誌掲載なのでBLレーベルではありませんが、前回よりもこちらのほうがそういった描写が多いです。けれど合意で、なんて幸せなシーンもありません。内容的にも時代的にもこれはBLではないなあとは思います。

この家族の結末は前作ですでに知っていますが、仕方がないと思っていた雅樹と父親の見方が変わりました。
母親が不倫して出来た子供故に、父親に全く振り向かれずに寂しい思いをしてきた雅樹。13歳のときから父親に抱かれて、それでも始めはそんなぬくもりでも初めて与えられたことが嬉しかったと1巻で告白しています。

辛かったんだとうと思う過去も、この話を読むと全くそれだけで構成されていたのではないという事がわかります。
外が見えない空間で暮らし、ここにあるものの中で必死に探した幸せの形を描いてるというか。
普通の親子の愛情というのとは違うかもしれないけど、「この人がいて私は生きていける」という一般的な愛でなく、「自分がいないとこの人は生きていけない」という妙な共犯関係と歪んだ依存関係が大人になるまで雅樹を生かしてきたんでしょう。
そしてこの外にある幸を求めてここからやっと出る…という前作の花盛りの庭に続くわけで…

1巻と2巻で雅樹の性格がだいぶ変わったように見えるのが不思議です。
昔は優等生だったのに、どういう心境の変化があったのでしょうか。
なんにせよこの頃の雅樹の性格では、父親をおいて外の世界に出ていくことはできなかったんじゃないでしょうか。
さらっと読むには重たい作品なので、読む人を選ぶのではと思います。

2

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