あらすじ
代々、男児は産まれぬという奇妙な言い伝えをもつ旧家、藤波家。
十六歳の少年・薫流は、その歴史に反して産まれた次期当主だ。
夏期休暇が近づき、彼は繰り返し奇怪な夢をみる。
女房装束をまとう「女」があらわれ、こう告げるのだ。
「藤波の家に男児はいないはず。
そう決めたのは私なのだから」と。
では、ここにいるのは、いったい何者なのだろう―不安を覚える薫流。
やがて夢と現の境界は、しだいに曖昧になってゆき―。
第7回ホワイトハート大賞受賞作。
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