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読者が意図を読み取れるだろう範囲内ではお兄さんの色気やそれにあてられる童貞少年の萌えくらいしかレビューの方向性が見えないので少し違う切り口を。
結構行間を読む作品です。基本的になつきさんは結構ずるい大人なので、自分の心情を正直に吐露するような描写は終盤に少しあるだけだし、千尋くん視点でモノローグも千尋くん主観で進められていくのでなつきさんが何考えてるかの直接的な描写は非常に少ない。だからこそ描写も相まってなつきさんが余計に色っぽく見える。という表現のレトリックです。
そこを踏まえて千尋くんの主観を無視してなつきさんにだけ目を向けると動作だけで表現されてるところもクズだし行間を読んだらまぁ余計に悪い大人だなぁという感想になる人もいると思います。
ある意味このお話が成立しているのはなつきさんの色気というより千尋くんの面食い具合によるところが大きいです。この家は結構姉弟揃って色々ダメ。姑のいびりを始めるお姉ちゃんにはちょっと笑っちゃうけど。
なつきさんに目を向けると、いい加減で人生から逃げ続けて結婚でも失敗したと思ったらちょろくてかわいい男の子がいたからまぁ都合よく使ってやろうだった人が、10代で純朴で自分を美化して見てくれる童貞少年にあからさまな好意をガンガン向けられたら己を省みることになったというダメな男が恋愛して変わる話
きっと千尋くんの視界がもっと開けるようになったら読者以上にこの男のダメさ加減に気づくのだろうけど、その頃にはもっと成熟した関係になってるだろうしそれを想像するのも割と楽しかったり。結構ダメ男に萌える方にもオススメしてみたい1冊です。
童貞攻め×えっちな受けですが、見方によってはおねショタにすら見える…
攻めである千絋がただあわあわするタイプの童貞ではなく、やるときはやるし案外強引になってしまうようなキャラだったのが好印象でした。
そして、なんと言ってもなつきさん(受け)のエロさがすごいです…
絵柄もあるのでしょうが、表情一つ一つから溢れ出る色気がたまりません。
本作は体格として大きい方が受けですが、顔はきれいだけどちゃんと男らしくて年上らしい、けどやっぱり表情や反応はエッチでかわいい……というギャップをうまくまとめていると感じました。
サブキャラではありますが、お姉さんのキャラクターの良さも花を添えてるなと感じました。
当て馬キャラ(言い方が悪いですが)に安心感があるので、おはなしが綺麗にまとまって後味がよくなっているなと思います。
こちら、初コミックスです。
舞台は、高校生の攻め(表紙下)のお家の、田舎のハトムギ農家。
純朴ほのぼの~~な感じのお話かと思いきや、
サカってるシーンが多くて、若いねぇ、エロいこと好きだねぇ…
ってのが一番強く残った印象かな。
1冊丸ごとでひとつのお話が描かれています。
高校生の童貞くん(攻め・表紙下)の家のハトムギ農家に、
その姉の婚約者(受け・表紙上)が一緒に住む為にやってきますが、
姉は「好きな人がいます」という手紙を残して姿を消してしまいます。
そんな状況なのに受けは、
農家の手伝いとして攻めの家にしばらく居候することを望んで、
両親の留守中に、自分はバイだと告白してきたかと思ったら、
はだけた浴衣姿で高校生の攻めを押し倒してきて、
「千紘くん可愛いから、俺も興奮してきちゃった…」
思わず、あれーーどこのAV!? と思っちゃいましたよ (;^ω^)
好きという気持ちも見えないまま、
逃げた姉への腹いせとか、申し訳なさとかも特になく、
その場その場の雰囲気で何度もエロいことをしてしまう、ふたり。
そして、
攻めはまだ高校生で童貞だったのもあって、
受けのことをだんだんと意識して好きになってきて……
なのにある日、婚約者である姉が戻って来てしまって……
ドロドロ展開にはならないので、そこは読み易かったのですが、
(姉と受けの間には、あまり恋愛感情がない様子。
でもそれで結婚するつもりだった…ってのも、どうなんだろう)
なんだかキャラそれぞれが短絡的で行き当たりばったりすぎるというか、
相手の気持ちを無視して身勝手というか…軽いというか……う~~ん(-_-;)
後半の、受けの夢を応援…という展開も、
それまでバイトも恋も簡単に放り出してきた過去がある受けなので、
本当に真剣なの?ちゃんと覚悟はあるの??と、まず思ってしまって、
素直によかったね~~と祝福しにくかった、です…
せめて、もう少し受けの真面目な気持ちが描かれていればなぁ。
ちょっと見方が厳しすぎるかな…すみません(>_<)
でも、盛りながら…流されながら…って、
実はとてもリアルな若者の姿なのかもしれません。
優等生すぎないのが、この本のいいところなのかも?
作者はオリジナルの連載はこれは初めてのよう。
絵も流れも、全体的に荒削りな印象ではありましたが、
こうやって長編の本が出るのは、期待されている証拠だと思うので、
わたしも次作を楽しみにしたいと思います。
今回は中立寄りです☆
実家のハトムギ畑を手伝っている高校生の千紘(攻め)。見合いで結婚することになっていた姉が、書き置きを残して男と逃げてしまったため、残された婚約者のなつき(受け)としばらくともに住むことになる。バイだというなつきはやたらと色っぽく、いたずらを仕掛けられて同性ながらも血迷ってしまった千紘だったが、なつきへの想いに気づいた途端、男と逃げた姉が帰って来て…。
ハトムギ農家が舞台の、軽いテンポでなかなか楽しい話でしたが、ちょっと展開が無理やりかなぁという印象はありました。「婚約者を置いて男と逃げる姉」、というかなり無理やり度(大した必然性なく起こる大きな展開というか)が高いエピソードのあとに「実は旅行の予定があった両親がハワイに行っちゃって受け攻め2人っきり」とか「何やら事情で住むところがなく元婚約者の家に居候を決め込む受け」とか「ちょうどいいところで男と逃げたはずの姉が帰って来た」とかの無理やり展開が続くので、力技つづきで大味な感じはありました。
キーパーソンである姉の相手の男が影も形もないので説得力にも欠けるし、そもそも女性の勝手のせいでカプの事情が左右される展開ってあまり萌えられないです。
あと、ラスト近くで姉が思わせぶりに弟(攻め)の小さい頃の写真見てたのが謎でした。こんな小さかった弟があんないっぱしのこと言うようになって…みたいなのを表す意図なのかと思ったけど、姉の表情やら弟から写真を隠す態度やらが思わせぶりすぎて、実は姉は弟をそういう意味で好きだったのかとか、妙な疑いが出てしまい、かなり話の印象が変わる要素なのに不確定なもんだからイラッとしました。そうならそうとはっきりさせて欲しいし、違うなら思わせぶりな表現されたらややこしい。
本番のシーンで、実は受けが○○、という設定は萌えました。ギャップ萌えでちょっとテンション上がりました。
何故この内容でこのタイトルなのか。
タイトルだけ知られがちなあの名作を
もじっての事なのかも知れないとは
思うのですが、それやったら別に六条大麦でも
ええやんか…などとツッコむのは
野暮ったいですね。
ハトムギを何用として出荷しているのかは
一寸気になりますが。
閑話休題。
主題が主題なのでいささかとっつき難い
部分もあるでしょうが、少なくとも評者が
読んだ限りではご都合主義な展開ではない、
と感じます。
BLの核の部分もそれを支える他の部分も、
さりげなく重い面を秘めています。
少なくとも読ませる力をお持ちの方です。
あとは、どう上手く水を得ていくか、
と言う話かと。