紗久楽さわ先生インタビュー

シリーズ待望の「千と兆」外伝巻！不器用で切ない恋の行方は……

BL作家インタビュー「801 AUTHORS 108」第3672回
紗久楽さわ／祥伝社／on BLUE COMICS
コミックス『百と卍 6』5月24日発売
サイン本プレゼントあり！ 詳しくはインタビュー後に！

STORY
「あの貌（かお）」を再び目にしたのは、寒凪（かん なぎ）の船上。千（せん）が亡き恋人ーー億政（おく まさ）の亡霊かと見紛（み まご）うたその男は、船頭の兆（きざし）。億政の双児（ふたご）の兄であった。同じ貌（かお）なのにまるで違う。そのすべてが千をいっそう苛立たせ、惑わす。千に心奪われ、身を焦がすほどの恋心に悶える兆もまた、決して千に満たしてもらえることのない淫らに疼く身体の火照りにさいなまれた。貴方に、愛されたいなんて 思ってはいけない。けれど、気まぐれに触れる千の掌（てのひら）の熱さは、兆の心をますます乱してゆきーー。狂おしき恋情をめぐる執着譚累計60万部突破の「百と卍」シリーズ待望の「千と兆」外伝巻！

――作品紹介をお願いします
江戸時代を舞台にしたBL漫画『百と卍(ももとまんじ)』シリーズのサブカップリング「千と兆(せんときざし)」のお話になります。
百と卍シリーズは5巻まで、皆様の応援のおかげで続けることができた結果、いまの令和という時代に描く意義のある江戸の《男性同士の恋物語》を突き詰めるようなお話になりましたが、千と兆の話は《私たちこういうBLほんとは好きだったよな!?》という懐かしい、けどいつだって欲しいよな!?という読み味のBL漫画を目指して描きました。


――主人公たちはどんな攻×受ですか？
攻め:鵺(ぬえ)の千。
過去に亡くなった恋人の面差しをそのまま持つ双児の兄・兆を拒絶しながらも、目が離せず、手元に置き争いきれず、心乱されてしまう攻めです。

受け:以津真天(いつまで)の兆。
千に出逢いはじめての恋の情念を知ることとなる、船頭の美男子。
あの御人に、愛されたいと思ってはいけない…。
現在妻子持ちであるが、彼の其の経歴も今巻で明らかに−−…。



――当て馬や重要な脇役は？
千の亡くなった恋人であり、兆の双子の弟である・億政(おくまさ)。
彼がどういった男性であったかも今巻明らかに。兆とは、眉毛の高さと、八重歯の有無がちょっと違います。

其のほか、千が身を寄せるヤクザ連中、『紅紐(べにひも)組』の親分や、羅生門(らじょうもん)、火鳴神(ひなるかみ)といったヤクザ者たちも色々感情が渦巻いているので、ぜひ見ていただきたいです。




――第6巻のこだわりはどのあたりでしょう？
今回の千と兆のお話は、一年以上前から内容はほとんど決まっていたので一気にプロットでストーリーラインを最後まで決めた上で描きました。
コマ割りなども千と兆、彼らの物語に合わせて、前巻までとはガラッと変えました。

――苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください
楽しかった点は、とにかく「いにしえのBL(風味)っておもしろいな～!!」という爽快感がありました。耽美にも近いでしょうか。令和になって、現代で考えると描くのが難しい価値観や行為でも、「やっぱこういう江戸BLが読みたかったはずだよな!!!」という、自らのかつての感覚を信じて描く側としての興奮がありました。もちろん表現の塩梅には悩み、今描き切るために苦心しましたが、それは自分なりに頑張って咀嚼して描けたと思います。
絶対にこのお話が好きな読者様がいる筈という、届いて欲しい想いが強くあります。



――第6巻にまつわる裏話はありますか？
攻めの千に対して、初登場時は完全にライバル当て馬として登場したので、彼のことが作者自身も怖く、扱いに困惑しながら描いていたのですが、長く描くにつれ彼の心の「キーワード」が何か、理解った瞬間に彼のことが愛しくなり、受けの兆の恋心に絶対的に寄り添って描けるようになったことが、作家人生の中でも初めてで、とても嬉しい経験でした。
今では千のことも大好きです。
ドラマCDで千役を演じてくださった浜田賢二さんの演技では、ドラマCDは現在3巻分発売されているのですが、まだ6巻を拝読されていないのに、千の本心・心のひだをすべて理解して細かくお声の演技してくださっていたのが、とても不思議でした。声優さんはすごいなと思いました。


――執筆中の思い出に残る日常エピソードなどうかがえますでしょうか
漫画を全てフルデジタルにしました。
まだ一番都合のいいペンツールなど探し探しですが、それでも毎回の原稿でできることが増えて時短にもなって、クオリティも維持できるようになって、筆が遅くて心配してくださっていた担当編集さんなども喜んでくれて良かったです。　

――今、何かハマっていることは？
サンリオのキャラクターのシナモロールくんと、アイシナモロールくんにハマってます。グッズはアイシナモロールくんを集めるのが楽しいです。シナモロールくんはアイドルであり、天使です。
作業中はVtuberさんの配信にハマっていて、箱はにじさんじさんが好きです。
次のにじフェスには行きたいです！

――第6巻発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう？
長かったようで早い、描き甲斐のある男同士の物語でした。
『百と卍』も作者が心から描きたい江戸BLでしたが、「時代物BLってこういう感じの読みたいよな～～!!」というまた違った、かつての読者目線での己の願望が叶ったお話が発売されて、本当に嬉しいです。

――ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ！
絶対に好きな方がいるカップリングの二人だと思っているので、『百と卍』シリーズにいままで好みじゃないなって思った方でもこの二人のお話を追っていただけるだけでも嬉しいなって思います！

担当編集より
『百と卍』において千の初登場は2巻のことで、卍の過去に深く関係している人物として、当時衝撃を与えたキャラクターでした。
3巻では、千の登場時からかすかに見え隠れしていたかつての恋人・億政と、その双児の兄である新キャラクター・兆との関係も描かれ、百樹と卍の脇でただならぬ存在感を放っていた千と兆。
今回やっと二人をメインに描いた物語をお届けすることができました。

亡き恋人の面影を挟んで三角関係がうずまく千と兆編は、毎話ビリビリとした緊張感でいっぱいですが、そのぶんラストはとても心地よく、読み応え抜群の1冊に仕上がりました。

百樹と卍とはうってかわって、擦り切れるような切なくてままならない激情をぶつけあう恋愛模様なのですが、こういうBLが、みんな大好きなはず!!
どうしようもない気持ちを抱えて不器用に生きる、愛されたい人たちのお話を見届けてほしいです。

ちなみに特装版の小冊子まんがは、本編その後の千と兆を描いた小話です。
こちらは必読！な短編になっていますので、ぜひ特装版をご検討くださいませ!!

コミックス『百と卍 6』

特典情報

■アニメイト
アクリルスタンド(有償)
描き下ろしイラストペーパー

■コミコミスタジオ
アクリルコースター(有償)
既刊フェア：「セルフコメンタリーペーパー」＆「復刻応援書店ペーパー」配布

■とらのあな
描き下ろし4Pリーフレット「千兆裏話」

■ホーリンラブブックス
イラストブロマイド

■フロマージュブックス＆メロンブックス一部店舗
A5クリアファイル　
※1～6巻のいずれか1冊をご購入で1枚配布

■電子＆応援書店共通
描き下ろし漫画ペーパー

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受付期間：2024年5月17日(金)～6月16日(日)まで

【百と卍 6巻発売記念 ミニキャラアニメーション公開!!】

6巻発売記念で、百樹・卍・千・兆のミニアニメが公開されました！

◆お尻もにもに編
◆ムキムキドキドキ編
◆キスの嵐編
◆かまってと言えない編

4種類すべてを1本にまとめた動画はコミックス(6)巻の帯そでQRからアクセス！
ラストにはここでしか見られない「ダンシングお百」のアニメも…!?
ぜひチェックしてください！

【百と卍 特設サイト】

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(C)紗久楽さわ/祥伝社 on BLUE COMICS