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表題作百と卍 3

万次(卍),元火消し
百樹(百),元陰間,卍と同居中

同時収録作品百と卍(3)

鵺の千,縄持ちをしていた卍の知人
兆,船頭

その他の収録作品

  • 百と卍的 ふんどし自由研究(描き下ろし)

あらすじ

元火消しの伊達男×陰間あがりカップルの
「江戸BL」金字塔作品

BL初の快挙!
「第22回 文化庁メディア芸術祭 マンガ部門」
【優秀賞 受賞!!】

『このBLがやばい! 2018年度版』(宙出版)
『ちるちるBLアワード2018年 次に来るBL部門』
【W1位 入賞!】


江戸の季節はひと巡り。
いっそう深くつながり合ったふたりに
二度目の夏がやってくる。

昼夜ふりそそぐ、卍からの蕩けるような愛撫と睦言は
百樹の心を癒やし、甘やかな暮らしを守るように
卍は笛指南の仕事をはじめた。

そんな蜜月のなか、百樹は偶然再会した
陰間時代の先輩・十六夜に
昔も今も囲われ者のまま、と言い放たれ、
「卍に見合う己になりたい」と憤りを感じる。

そこへ、再び千と相まみえることになった百樹は―ー

新たな出会いと、広がる世界。
百樹、成長と解放の第三巻!

作品情報

作品名
百と卍 3
著者
紗久楽さわ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE COMICS
シリーズ
百と卍
発売日
電子発売日
ISBN
9784396784867
4.7

(149)

(119)

萌々

(20)

(7)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
17
得点
698
評価数
149
平均
4.7 / 5
神率
79.9%

レビュー投稿数17

猫に鰹節、狐に油揚げ、卍兄には可愛いお百

この3巻も、卍の溺愛や二人のセリフ回しに胸がきゅっとなる、素晴らしく美しい一冊でした…!

紗久楽さわ先生、すごいなあ、すごいなあ…と、貧弱な語彙力で思わず褒め称えながら読んでました。

序盤の潮干狩り中、小さな怪我をした百の足を舐める卍兄の艶っぽさといったら。。うっとり、ため息ものです。

そして煽ってくる千の意地悪なセリフに「幸せに生きてきたように見えるなら、良かった」と返す百の健気さ。気づいたら涙がこぼれてました( ; ; )

卍兄ぃの気障な一言の力強いこと。粋だなあ…
”一人でも二人でも、悲喜こもごもは到来する お互い辛い辛いと言い合うなら、俺はおめえがいいよ…”って、なんて口説き文句なんだろう。
言葉の残す余韻に浸り、しばらくそのままページを凝視して止まってしまいました。

千×兆カプの恋の行方も気になるけれど、やっぱりなんといっても大好き好き好き!!!って思われるのは、卍×百だなあ。
互いが互いを想う気持ちが「これでもか!」ってほど伝わってきて、たまらんです✨

卍に愛され甘やかされても、頼り切らず自分で立って歩こうとする百、「大きくなるヨ」って言える百が本当に格好いい。
続刊でも、大好きな二人を味わいたいです。

そして、巻末にある「豆知識」的内容が江戸の風俗を知るのに役立つし、何より面白い!
こちらの3巻では”ふんどし”について。大きく2種類のふんどしがあったなんて知らなかった〜!4巻以降の巻末おまけも、今から読むのが楽しみです❤︎

0

百と卍はエロシーンより賑やかなシーンが好きかな〜ぐらいに思ってましたが、肥後ずいきシーンはよかった…なかなか他の作品では見られないプレイ。江戸モノだからといってあるとも言えないし。非常にエロティックです。受けにしっぽり感を求める自分はおもものノリはそこまでハマらないけど、ノリノリの卍さんのしっぽり感がそれを補ってくる。

長屋に住むことを誘う卍が可愛い。3巻の最初で未来の話をすることに照れてた卍さんが"一生涯"を持ち出す。男物の羽織に妬く卍さんも可愛いし、義兄弟の契シーンで頬を染める卍も可愛かったな…卍兄さんは基本可愛い。契シーン自体は大変かっこいいです。気合い入ってるなー!という。作画も卍百も。

1

江戸文化がすごい

書き尽くされた感想だけど、江戸文化の描き込みがすごい。
浮世絵風の顔をカッコよく色気ムンムンに描くってすごい。
卍兄ィが気障で粋な伊達男で!二人がすごく想い合ってるの端々から感じる。

こんなに想い合うようになった過程はこれから出てくるのかな。日常で培ってきたものなのかな。心が荒んでるから百みたいな子は苦手なんだけど、3巻で千に可愛がられる仕草で安穏と生きてきたんだろ(要約)的な嫌みを言われて、順風満帆に生きてきた子に見えるなら良かったって返すのはなんて強い子なんやと見る目が変わりました。
1巻は、満喫で残り時間を気にしながら読んだためか。難しいな合わないな…と思ったのですが、改めてじっくりじっとり読んだのも良かったのかも。それぞれ辛い過去を背負ってても、好きな人と一緒に今を大切に生きるってしみじみする。

その他の登場人物も魅力的で、千みたいに拗れまくった面倒そうな人、大好き!兆がどうなるか気になる気になる。
火消し四天王の刺青と褌も見ごたえあり!!季吉さんが特に好きでした。
朱雀、白虎、玄武ときて、青龍じゃなくて倶利伽羅なの調べても分からないんだけど、元になった頼光四天王の倶利伽羅は鉞かついだ金太郎の金太郎って!実在したん?と、これまで知らなかったことを知れたのも楽しかったです。教養や雑学は大事ですね。

あと、個人的にめちゃくちゃ気になっているのは、亀頭に刺青!?勃ってないと掘れないって!?掘ってる時はずっと握られてるんだろか…とてもとても詳細が気になる。

0

祝・結婚!

百と卍の過去が明かされた既刊を経て、
今回は二人の未来に繋がってゆく3巻でした。

雨の日の出会いから早1年が経ちました。
互いの過去を知り、受け止めあったことで絆もより一層深まり、
季節が移り変わっても、変わらず甘く濃密な日々を送る百と卍。
卍の「お百ちゃん」なんてとびきり甘い呼び声に蕩けそうになってしまう…

前半はそんな二人の甘やか&ド艶やかな日々が描かれますが、
中盤辺りから新たな展開を迎えます。

きっかけは百の陰間時代の先輩・十六夜との再会でした。
うきうきと卍との生活ぶりを話すと、
「今も昔も男に囲われたままで変わらない」と言い捨てられてしまい、
陰間時代のコンプレックスを刺激された百の心は揺らぎ始めます。

その後も新たな友人や千との再会を果たすも、百の中のモヤモヤはさらに
膨らんでゆき、次第に“卍に見合う男になりたい”と強く思うようになります。

そして、そんな百の想いを知らされた卍の反応は…
卍兄ィ、やっぱりめちゃくちゃいい男でした!!
十六夜や千の言葉に打ちのめされ、自らを恥じるばかりの百を肯定し、
悩みを共に分かち合い、百の進む道をそっと見守ってやります。

もし、変わってゆく過程で百の心が折れることがあっても、
きっとその度に百の悲しみを受け止め、励ましてやるんだろうなぁ…
溺愛はするけれど、束縛はせず、尊重し、見守ってくれる。
ほんっと卍が極上彼氏すぎて…この人が傍らにいてくれれば、
絶対百は幸せになれる!って改めて確信しました。
こういうのをスパダリというのね。

卍の百に向ける言葉の一つ一つからも愛情と真心が感じられて、素敵でした。
ちょいちょい見える茶目っ気と気障っぷりにもキュン心を擽られちゃいます♡

義兄弟の契りもね…もう結婚式でした。
永遠を誓い合い、その後にはちょっと照れながら未来のことを語り合う
二人がもう幸せすぎて心の中でお祝いのクラッカーを打ち鳴らしてました。

普段は決して涙を見せない百が声を上げて嬉し涙を流しちゃうのを見たら、
もうこちらまで泣けて来ちゃいました…二人とも幸せにおなりっ( ;∀;)

きっと百は卍とはまた違うタイプのいい男になってゆくんだろうなぁ。
でも、素直で可愛い百も大好きなので、格好良くなりすぎないでね♪

今回は千やかつての卍の火消し仲間たち、新たに千を慕う兆も登場し、
百と卍を中心に人々を繋ぐ糸が複雑に絡み合い始めました。
恋の予感を匂わせつつも、相当拗れそうな千と兆の今後にドキドキです。
百と繋がったことで火消し仲間たちも関係してくるのかな?
さらなる新展開が楽しみでたまりません!

1

江戸の元禄文化

紗久楽さわさんのシリーズは、どれも現代日本人が忘れてしまった江戸時代の文化を覗くことが出来るので、楽しい。維新と戦争で失った日本人の精神文化のテキストといったらいいのか。
江戸弁、江戸言葉が粋で、浮世絵の画法を取り込んでいるのも素敵です。

読むと、今の時代よりずっと江戸時代のほうが生活しやすいというか、生き物や人が生きやすい制度や暮らしの文化があったんだな、と回顧に浸ってしまう。
不幸や辛い不条理が有っても、傷を癒す自浄効果を持つものが、江戸時代の生活環境にはあったみたい。人情とか、長屋とか。適度な距離が人と人、人と植物や動物にある暮らしの様子が描かれている漫画です。
読むと、自分の中の先祖から受けた遺伝子情報が疼く、忘れていたものを思い出すから、人気が高いんじゃないのかな。
このシリーズ、とても好きです。なんとなく、懐かしくなる情景。

ボタン一つで作業を機械がしてくれる便利な時代じゃない。苦労が表に出ない百ちゃんのような考え方、生き方に惹かれます。日本が一番良かった円熟文化が栄えていたのが、江戸時代中期じゃないのかな。江戸時代末期になると、動乱が始まりだして、人に殺気が帯びてくるので。
私は、元禄時代あたりを扱った作品が一番好きです。

1

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