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本格江戸BLの5巻です。
今回は、かつての火消し仲間と再会した万次さんが、過去と向き合う話です。ずっと避けていた実家にお百を連れて帰った万次さんは、父親に三つのけじめをつけると宣言します。
というシリアス展開なので、ももまんにしてはエロがやや少なめ。登場人物たちの会話から、江戸時代の人々には男色がどの様に受け止められていたのかが語られます。
現代では、江戸時代の人々は性に奔放で同性愛にも寛容だったかの様に言われることもありますが、やっぱり封建時代がそんなにフリーダムな訳もなく、万次さんとお百の関係性はどこまでもイレギュラーで受け入れられ難いものだったのです。
世間の白い目を承知で、ただ普通の夫婦の様に暮らしたいと素朴に願う二人。一見先のことなど考えないその日暮らしをしている様に見える彼らが、初めて将来のビジョンについて語ります。
果たして彼らの夢は叶うのか。次巻も楽しみですが、その前に、千と兆さんが主人公のお話になるらしいですね。
紗久楽さわ先生が描く風流な江戸文化に魅了されています
5巻は卍さんメインのお話で、「愛に正直に」その生き様がかっこよすぎます!!
自分の過去と向き合い、お百と生きていくために卍が選んだ道。泣きます!卍さんの弱さも強さも、嘘偽りない自分の気持ちを伝えることができたのは、いつも真っ直ぐ隣で支えてくれた百樹がいたから。世話をみていたはずの百樹がいつの間にか自分を支えてくれる存在になっていた、そんな二人の関係に胸が熱くなりました。
百樹の事が愛おしくてしょうがない、心が跳ねて揺さぶられて、そんな感情が溢れてしまう卍の表情が素敵でした。幼い頃の姿から青年時代を経て今の二人になる空想のシーンが大好きで、探し求めていた大切な人を見つけ、愛すること、愛されることの尊さを感じられる素敵なシーンは是非見ていただきたいです!こんなにも愛が溢れてしまう卍は初めてです。
過去の叶わぬ恋に苦悩し自分を責めてきた卍が百樹と過ごすなかで得た愛し愛される喜び、自分を許せる事ができてよかった。そして隣には百樹がいてくれて良かった!
そして卍と火消しの仲間が集結!語れなかった思いを大切な仲間に伝える事ができて、穏やかで優しい卍の表情を見ながら心から良かったなぁと思える幸せな5巻でした!
厳しく突き放す父には父の愛する者を守りたいという打ち明けられない気持ちもあってちょっと切なかったところもありました。それぞれの立場からの愛する者を守りたいという思い、グッと心に響きました。
今後のお話も楽しみな作品です!!
大好きな作品です。
でも、今回はなかなか入りこめませんでした。
いつの時間軸なのか、思考なのか現実なのかが、わかりにくかったからです。
登場人物も多く、それぞれの心情も追いにくかったです。
特に綱と、万治の父のあたり。
私の読解力不足ですね。1、2巻再読すれば、印象が変わるかもしれません。
祝さんと万治の話はよかったです。やはり祝さんはいい男!
そして、いざ!という時の百樹の怪力も健在。
もっと、じっくり、実家エピソード、綱との関係を読みたかったです。
この巻で卍と百樹のお話を決着させる為なのか、前巻から登場人物過多で話が混み合っていたように思います。
今回も紗久楽さわ先生の描かれる絵が綺麗で線に何ともいえない色っぽさを感じました。
でも、今作は卍の辛そうな表情が多くて相変わらず美麗なんですが、話の内容も相まってときめきは少なかったように思いました。
卍が実家との問題にケリを付けて、百樹と一緒に生きて行く事を決意したのには感動しました。
しかし、卍の父親の祭の態度と言動は解せなかったです。実弟の祝さえ疑念を抱くものでした。
そこに隠されていた卍の母の過去を知るとなるほどと思えるのですが、余りに祭が頑な過ぎてそれは母親が望んだ結末なのかと疑問に感じました。
一方で卍と心友の綱との仲は百樹の計らいもあり、緩やかに元の形に戻りつつありました。
出来れば卍と父親も和解して欲しいです。根本は似た者父子なんですよね。
もっともっと2人の行く先を読んでいたいと思ってしまいますが、「千×兆 編」が始まるらしいので、そちらで少し分かることを願います。
最終ページの5行に紗久楽さわ先生の思いを感じて、私もそのようにな未来になって欲しいと願いました。
あれ?今回、最終巻でしたっけ?
というくらいに物語が大きく動く興奮の五巻でした!
前巻のラストで火消し仲間だった綱と鉢合わせてしまった卍。
二人の間に漂う気まずい空気に戸惑う百ですが…。
一度は過去と向き合ったかのように見えた卍。
けれど、綱の無神経な言葉に再び過去から背を向けてしまいます。
これまでは誰にも咎められることなく二人だけの甘い世界で愛を育み、
周囲からの視線も男同士の恋にかなり寛容な印象を受けていましたが、
ここにきて初めて同性愛を厭う第三者の視点が加わります。
ああ、そうだ、これは男同士の恋のお話だったっけ…と、
今更ながらに実感してしまいました。
ただの批判よりも、嫌悪よりも、“こわい”と思われるのが
一番しんどいのかもしれません。
綱の放った無自覚で無理解な言葉や百との関係を濁そうとする
卍の態度に傷つき、子供のように泣きじゃくる百の涙が辛い…。
そして、百の悲しみに触れた卍はある決心をします。
それは父との対面。
荒れまくった過去によって既に実家から勘当された身の卍でしたが、
逃げ続けてきた過去に決別するため、百との未来に向き合うため、
百と共に実家へ向かいます。
さて、満を持してラスボス・祭(卍の父)の登場です。
見た目は卍にそっくりで卍が年を重ねたらこうなりそう、
という少し冷ややかな印象の色気のある美中年でした。
叔父の祝といい、祭といい、本作に登場するおじ様たちって
総じて艶っぽいんですよねぇ…。
外見はさておき、その中身は卍が反発するだけあってかなり高圧的。
ある事情から男色を毛嫌いしており、卍の性癖にも気付いていて、
久々に帰ってきた息子とその恋人に実の親子とは思えぬような
非情な言葉を浴びせます。
けれど、今度こそ百を悲しませまいと決めた卍は強かった…!
父の偏見と差別に満ちた視線や言葉にも動じず、
かつての想い人で叔父の祝と父親の前で堂々と百への愛を口にします。
恥じらいながらそれに応じる百もまた可愛らしく…♡
もう見ているこちらが恥ずかしくなるくらいのお惚気宣言でした(๑′ฅฅ‵๑)///
将来は小さな店をもち、男二人で所帯をもちたい、と祭に未来を語る百。
それはどこか現実味にかけていて、ままごとのように甘い夢。
だけど、それを「いつか必ず叶える夢」と言い切り、
夢を夢のままにしない揺らぎなさを感じさせる卍が格好良かったです!
ここのところヘタレ気味でしたが名誉挽回です!
結果として、完全に父と袂を分かつ形になってしまった卍ですが、
今まで秘めてきた己の性癖や父への想いを全て吐き出した卍の表情は
意外にもすっきりとしていて、過去の呪縛からようやく解放されたようでした。
実家を飛び出した後、家族に、初恋に、別れを告げた卍を偉かったね、
辛かったね、と愛情深く慰めてくれる百の前で静かに涙を流す姿に
卍も苦しかったんだな…と胸が締め付けられました。
結局最後まで息子を受け容れることのなかった祭ですが、
彼が男色を嫌悪する理由も後に明かされていました。
それを知ってしまうと、彼の素顔もまた卍に負けないくらいに
一人の人を愛し抜く純で不器用な人なのだということが
わかってしまい、なんだか憎みづらくなってしまいました。
ただ、愛した人と実の息子を天秤にかけたときに
両方を守るという選択をしてほしかったなぁ…。
そして、この対面劇には実はもう一つの視点が存在していました。
百と卍が祭と対面していたとき、その一部始終を覗き見していた
火消し仲間たち。
かつては卍の言動を理解できずに疎遠になってしまっていましたが、
卍が自分たちの元を去った本当の理由を知ることとなります。
真実を知った彼らの反応は祭とは違うものでした。
己の無知を詫び、遅ればせながら友を理解しようと歩み寄る仲間たち。
薄情と思ったこともあったけれど、穏やかな笑顔で自分のことを語り、
可愛い恋人を仲間に紹介する卍に久々に幸せが満ち溢れていました。
よかったねぇ…(っω<。)
シリアス色の強かった今巻ですが、最終話では短くもむわっと熱気の
感じる濃厚エロもあり、最後の最後までサービス精神旺盛な1冊でした♥
大団円とまではいかずとも長らく引きずってきた問題が解決し、
すっかり最終巻気分でしたが、次巻は千と兆編に突入するそうな。
忘れちゃっていてごめんよ 二人とも(笑)
そんなわけで、続刊も楽しみにお待ちしております♪