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Ω(オメガ)だからα(アルファ)に惹かれる、それが必然?
上下巻の表紙を隣り合わせにすると一枚の絵になります。
上巻表紙がΩの柊、下巻表紙がαの菖蒲です。
スーツを着こなす菖蒲に惚れ惚れしますが、中の絵にもグッときます!
上巻では、中学の頃から、菖蒲が柊に片想いしていて、一方的に柊をかまっていることが語られていましたが、下巻では柊の本心が明かされます。
菖蒲が怖くて、トイレで一人ご飯を食べていた柊。
でも菖蒲が卒業したら、だれも柊のことをかまわなくなった。
柊のことを気にかけ、柊の欲しい言葉をかけてくれて、柊に新しい世界を見せてくれたのは菖蒲だけだった…
そして仕事のバディとなった今も、柊のミスを菖蒲は任せきりにした自分の責任でもあると、柊を責めずにフォローする。
柊は周りに溶け込むのが苦手なだけで、周りの人をよく見ていること、そして人と一緒にいるのが好きだってことも、菖蒲はちゃんと気づいてる。
こんな良い男に惚れないわけがない!!!
柊だって菖蒲のことがずっと忘れられなかった。
柊にとっての本当の地獄は菖蒲がいなくなってから。
会いたい人に会えないことの辛さ…
もしまた出会ってしまったら気持ちを抑えられないから、だから初めて寝た時に柊は「もう二度と会わなくて済むと思ったのに」と言ってしまったんですよね。
菖蒲が嫌いだからじゃなくて、菖蒲を忘れられないのが苦しいから会いたくなかった…
それを言葉通りに受け取ってしまった菖蒲…
この二人の関係は、お互いを想っているからこその言葉がズレて伝わってすれ違ってしまうのが切ない。
菖蒲はαだけど「魂の番」には否定的。
「フェロモンに左右されず ただ相手を好きになったって奴よりも
魂の番だから好きになったって奴の方が幸せだと思うのか?」
そう、私が常々、オメガバースに感じている疑問がまさにそれ!
「魂の番(運命の番)」ってドラマティックだけど、フェロモンの強制支配で気持ちを無視しているのが納得できない!
菖蒲の兄・楓は、Ωのフェロモンを感知しない菖蒲とは逆に、Ωのフェロモンに敏感で、発情期のΩに衝動を抑えられなくなることを恐れている。
菖蒲は「本気で好きなら、諦めるより誰よりも自分が相手を幸せにしてやる」って言っていたのに、、、
いざ柊の発情フェロモンを感じられるようになると、柊にひどいことをしてしまうことを怖れ、柊から遠ざかろうとする…
菖蒲が柊を諦めようと涙しているシーン、あんなに強気で男前な菖蒲がただ柊のことを想って男泣きをする…
一緒に泣かずにはいられませんでした。
そんな菖蒲の本心を知った柊。
今度は柊が行動する番です!
柊の必死な想いも切なくて、ここでも柊と一緒に泣きました。
菖蒲の、柊の、相手を想う気持ちがダダ漏れてくるのが切なくて苦しくて、雰囲気のある絵柄がますますその感情を揺さぶってくる作品でした!
今作は、攻めがα、受けがΩって、オメガバースの典型カップリングにも関わらず、「魂の番」を否定して番にならないところがすごく良かったです!
フェロモンに強制支配されて番になるよりも、傍にいたいから傍にいる、気持ちを大事にして、二人の関係を築いていこうとする、その方が真実の愛だと思えます。
この二人のエッチは、発情期によるエロエロさじゃないのも良かったです!
下巻描き下ろしは、菖蒲が2週間の出張から戻ってきて、柊が菖蒲を欲しがるシーン。
菖蒲はΩフェロモンを感知できないのではなく、許容量が大きすぎて感じにくいようで、柊が発情期なことに気づかないままエッチをします。
発情期だから誘ったと思われたくなかった柊、発情フェロモンに支配されてないから自分を失わずに、感じてる柊を見れることが嬉しい菖蒲。
愛し合ってる恋人たちのカラダの語らい、気持ちありきのエッチのほうが萌えます。
オメガバースプロジェクト作品なのに、オメガバースを否定してるのが良かったです。
雰囲気のある絵も素敵で、すっかり作家さんのファンになりました。
書店で下巻の表紙(攻である菖蒲)に目を奪われジャケ買いしてしまった為、オメガバース作品であるのは後で気づいたのですがいい意味でオメガバースらしくない…しかし非常にうまくその萌要素を有効に昇華させた作品だなというのが第一印象です。
学生時代からカースト制度のΩであるという劣等感そして発情期には苛まれるものの不用意に身の危険に晒されるような悲惨な人生を送る訳でもなく孤独である事を逆手に勉学に力を入れ一流会社に就職までした霜月柊(受)、そして彼の2つ年上の先輩で容姿家柄など何もかも恵まれたαである存在な皐月菖蒲(攻)。彼ら二人を巡る長きに渡る無自覚両片思い(実は)から始まった恋模様が描かれていてその展開に読者が焦らされて萌えさせてくれる展開になっています。
好きな子をついついイジメてしまう感覚で学生時代から柊をからかっていた菖蒲と構い倒されていた柊の関係は菖蒲が高校を卒業すると同時に縁が絶たれてしまう訳ですが就職先で二人は再会しそして前代未聞であるαとΩのバディとして仕事をする事に…。柊のいる部門に菖蒲が異動してそこから再び始まる関係には実は…菖蒲の柊に対する深く激しく強い葛藤と苦悩と愛情が隠されていた…という感じで物語が展開するのですがこの漫画の一番の見せ場が菖蒲がその気持を兄である楓に吐露したり柊を傷つけまいと己のヒートという枷と闘うあたりなのではないか…と思います。
オメガバースとしての最終局地とは別の形をこの二人は選ぶ訳ですがαとΩという性質を超えた自分の本当の気持ちに向き合って柊を尊重する菖蒲の格好良さが際立つ…とにかく攻めに萌えを感じる人にはとても向いている漫画だと思います。尚、本作ですがドラマCDにしたら芝居的に映えそうなので…どこかご検討されないでしょうか…レーベル様…笑
とにかく作品帯の「想いを上手く伝えられない攻✕自分に自信が持てない受」「気持ちと行動がから回る攻✕一生懸命な努力家の受」…この言葉に尽きます。非の打ち所がないイケメン攻なのに…後輩が好きすぎて想いが上手く伝えらずから回ってばかり…そんな哀しくも愛おしい男に萌えを感じる方は是非ご一読を。
連載中からかなり大好きな作品だったので、描き下ろしなど含めてコミックスを楽しみにしていました。
ずっと、番うことが、愛する人を守る手段だと思っていました。Ωは守られる存在、αは守る存在。その概念は、菖蒲さんと楓さんにより崩され、2人の考え方に非常に共感できたので、文句なしの神作品です!!
Ωのフェロモンに敏感な楓さん、鈍感な菖蒲さん。2人の体質の違いもあるかもしれませんが、そんな2人の考え方が、すごく良いなって思いました。
Ωの番の証を見ると、本当に愛し合っての証なのか?αのヒートに奪われたんじゃないのか?そう思ってしまう楓さん。Ωだってαやβと同等なんだから、Ωは守られる存在じゃないし、番わなくたって愛せる。フェロモンやヒートがなくたって、愛せる。でも、片思いならΩを諦めるかもしれないと弱気な発言も。
そんな楓さんに対し、"俺は 諦めるより、誰より幸せにしてやる方法を考える"と話す菖蒲さん。
そうは言っても、実際はバディであり想いを寄せる柊くんに対して、嫉妬心にかき乱されたり臆病な気持ちが溢れて、楓さんに弱音を吐く菖蒲さん。菖蒲さんを一括する楓さん。そんな2人のやりとりを聞いてしまう柊くん。
守ってくれなくて良い。もう離れたくない。諦めたくない。柊くんが菖蒲さんへ想いを伝えて2人は結ばれますが、番にはなりません。菖蒲さんは"白くて綺麗なお前に跡をつけたくない"と話しますが、その真意は何でしょうか。深読みしすぎですが、菖蒲さんは、楓さんの言葉を忘れられないのかなと。"お前がαだから、番えばΩを守れると考えるんだ"と以前に楓さんは菖蒲さんに話していました。対等な立場なんだから、"守る"ように思える番が嫌だったのか。"一生ものの傷を負わせ 縛る"のが番だとしたら、それは嫌だったのか。番わなくたって愛せる、菖蒲さんの意思はかたそうです。
一見、番うことを断られたら、寂しくも感じます。自分に魅力がないのかな、一生を添い遂げる覚悟がないのかな。
でも私は、Ωだからではなく、私だから愛してくれると思わせてくれるなら、番わなくたって良いなと思いました。そう思わせてくれる作品でした。
魂の番についても、少し触れられています。
菖蒲さんとバディを解消した柊くんの、新たなるバディ βの桔梗くんは、楓さんに想いを寄せています。そんな桔梗くんと楓さんの会話…魂の番は いくら想っても好きな人に振り向いてもらえない誰か が広めたものだと。私はずっと、叶わぬ想いを抱えた人、もしくは、絶対に結ばれない人、だと思っていたので、桔梗くんの発言に共感しました。桔梗くんにとっての楓さんかな。楓さんにとっては誰だろう…楓さんは現在片思いの身なので、その相手である"椿さん(α)"かな。私は、楓さんの"先に見つけた"発言もあったので、柊くんかなと。。カバー裏で、ツバダエキ先生は、楓さんは魂の番を感じた人にすでに出会っている的な事をおっしゃっていましたし。可愛い弟的と言いつつも、柊くんの事で菖蒲さんが弱音を吐いた時の気迫が凄かったので、そのくらい柊くんは特別な存在なんじゃないかなって思います。本当は自分も好きだけど、柊くんが好きなのは菖蒲さんだって、誰より先に気がついていた気がするんですよね。もしくは、菖蒲さん。楓さんと菖蒲さんは兄弟です。でもだからこそ、ありえないから、魂の番になりえます。。考えすぎですよね。
オメガバース作品としても、そこにとらわれずラブストーリーとしても、非常に楽しめる極上の作品だと思います!オススメです!
私も下巻が神です。
ぶっ続けで読みましたが、先が気になってあっという間に読み終えました。
オメガバースが好きでよく読みますが、最近多いΩだけが男性でも妊娠できる世界観があまり好きではありません。
今作は、全ての人類が妊娠できる世界。
ですが、この設定なかなか活かしきれる作品が少ないように思います。
今作は主人公達には活かされていませんが、両親が女同士であったり、α⇄Ω以外の男性の片想いが描かれており良かったです。
さてお話はというと、柊(Ω)と菖蒲(α)の中高時代から社会人までの恋を上下巻通して描いています。
とはいえ、先輩の菖蒲が高校を卒業した後は2人は疎遠になっており、再開は偶然にも就職した会社で…。
両片想いと思われる2人ですがなかなか進展せず、最後は周囲の後押しもあり思いを伝えあうことが出来ました。
柊の両親が番になっていないのもあるのか?、2人は番関係は結ばずとも一緒にいることを誓います。
描き下ろしではラブラブな2人がみられる上に、メロメロにされる菖蒲が可愛くて萌えました〜
好き同士なのに高校卒業以来疎遠だったり、再開が偶然だったり釈然としない部分もありますが、絵が綺麗で、主人公達だけでなく周りのキャラも非常に魅力的です。
いつか、楓・葉月・椿のトライアングルラブも読んでみたいです。
実はずっと前から「魂の番」設定が苦手でした。
もちろんこの設定を活かした様々なオメガバース作品に楽しませて頂いたことも沢山あります。
でも、出会ってすぐ運命感じちゃうなんてつまらないじゃないですか。お互いの人となりも知らないのに理性までふっとんで欲情してしまうなんて、動物の交尾と変わらない。
だから、この作品で私がオメガバースに対しモヤモヤしていたもの、なんだか納得いかなかった事をすごく丁寧に描いて頂いて、読んでいてすごくスッキリした珍しい作品でした。
下巻では、やや人当りが良くなったというか、言葉遣いが優しくなった菖蒲の姿が見られます。
学生時代やたら柊にちょっかいをかけていたのは、Ωを襲ってみたいというα達から危なっかしい柊を守るため。
卒業式で発情期が来てしまった柊のΩフェロモンの量が普通よりも多いことを知ってしまった菖蒲は、同じ職場に柊がいる事を知り、出世の道を蹴って人事部からわざわざ柊とバディを組むため企画部に異動。
ところが、いつの間にかΩのフェロモンを感知出来るようになってしまった菖蒲は、バディを解消しようか悩んでいることを楓に相談しますが、この時の楓が非常にかっこよかった!!
結局は柊を守るという口実で、自分の側に置いておきたかっただけ。お前のエゴで振り回して、今さらバディを解消したら柊がどう思うか少しは考えろ、と。
いつもほわほわしてるけど、ちゃんと2人の事を考えていたんですね。
菖蒲の、種による差別をしたくない、種ではなく一人の人間として接したい、この一貫したポリシーがすごく好きで、オメガバース作品の中でオメガバースという設定をあえて否定し、恋愛は人と人が出会い育てていくものだという点を描いたところが見ていてとても心地よかったです。
柊の両親の関係、菖蒲と楓の両親(両方女性です)、そして、番を結ばずに「好き」という感情だけで付き合うと決めた菖蒲と柊。
「魂の番」だけが絶対的なものではない。様々な人間ドラマがあり、種に囚われずそれぞれの関係性で結ばれている。
こういった新しい形のオメガバース作品を読めて本当に良かった。
なんだろう、ファンタジーではなく、地に足のついた現実味のある物語でした。
そして!!
前作の「好きなんて言わんといて」でものすごくいい味を出していた、ゲイバーのママのスピンオフが新連載決定!!という情報が載っていて、最後にかなりテンション上がりまくりました!
大好きなキャラだったのでとっても楽しみ!!
ツバダエキ先生が得意とされる、大人の魅力たっぷりの作品になることを期待しつつ次回作をお待ちしたいと思います。