「救済したい」その想いが向かう先。

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さよなら恋人、またきて友だち ~宮内ユキについて~

sayonara koibito matakite tomodachi

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表題作さよなら恋人、またきて友だち ~宮内ユキについて~

不特定多数の客達
宮内ユキ
Ωを装うα

同時収録作品さよなら恋人 またきて友だち -宮内ユキについて-

高坂ハル(健太)
Ω、ユキと同じように体を売る少年
宮内ユキ
Ωを装うα

同時収録作品さよなら恋人 またきて友だち -宮内ユキについて-

(仮)根室鳴海
α、36歳,弁護士
宮内ユキ
Ωを装うα

その他の収録作品

  • 第6話(描き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

弁護士・鳴海(なるみ)のもとに身を寄せるユキと息子のルカ。
平穏に見える3人の暮らしには、悲しみが影を落としていた。
誘拐されたまま行方が知れない鳴海の弟・春人(はると)。
消息を求めて奔走する鳴海をなんとか支えたいと願うユキ。
ユキは手掛かりを掴む為に自らの身体で男達を誘惑する。
彼の献身的に尽くす姿に鳴海は罪悪感を募らせていく。

誰が救いたくて、誰が救われたいのか。
ロスト・チャイルドから続く、シリーズ最新刊。

作品情報

作品名
さよなら恋人、またきて友だち ~宮内ユキについて~
著者
yoha 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS THE OMEGAVERSE PROJECT COMICS
シリーズ
さよなら恋人、またきて友だち
発売日
ISBN
9784865895551
3.5

(53)

(14)

萌々

(17)

(13)

中立

(4)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
8
得点
181
評価数
53
平均
3.5 / 5
神率
26.4%

レビュー投稿数8

カナエの兄ユキの話

1作目があまりにも衝撃的でしたが、カナエの兄ユキの現在を描いたこちらもなかなかに衝撃的でした。
αだったユキですが、手術で擬似Ωとして変態オヤジ達にだかれる日々。彼の目的は想い人である鳴海の弟の情報収集でした。
そのためにカナエのΩフェロモンを身に纏ってまで犯され続ける描写に見ているこちらも心が疲弊していく感覚を覚えます。

やっと掴んだ弟春人の情報。春人そっくりなハルとの出会い。こちらも身体の小さなハルにユキが抱かれるシーンがあるので苦手な方は注意です。
春人の代わりにハルを連れ出して安全な所へ……と考えていたものの、当の本人に拒否られてしまったシーンはなんとも切なく、幸せってなんだっけ?と考えざるを得ない所でした。

電子白塗り

0

美しく、悲しい人

前作に引き続いてのレビューです。
てっきりユキは弟のカナエに対する贖罪として不特定多数の人間に抱かれていたと思っていたのです。
もちろんそれも理由のひとつではあるようなのですが、それだけでは終わらないのが"さよなら恋人"シリーズ。
なぜユキがパーティーを行なっていたのか?鳴海との関係とは?
謎だったユキの背景が、彼の息子・ルカとユキの視点から紐解かれていきます。

カナエとオウギのお話から、まさかここまでの広がりを見せるとは思いませんでした。
巻を増すごとに不幸の箱がどんどんと開いていく。
この物語に救いはあるのでしょうか…
自身の償いと、ルカを救ってくれた鳴海の願いを叶えたいと、鳴海の弟の春人を見つけ出すため懸命なユキ。
役に立ちたい。側に居たい。
ユキが鳴海に抱く感情は愛なのか、それとも。
鳴海もユキも、ハルという春人にそっくりの少年との一件によって、自分達がやっている事は正しいのか?本当に春人は助けを求めているのか?と、考えが揺らいでしまう。
過去に暗いものがある人々が、誰かを救う事で自分も救われたいと願うお話なのかな、と感じました。
帯の煽り文の「どうか救って欲しい」がとてもしみる。

カナエに対して償いの気持ちでいっぱいだというのに、カナエの香りを纏ってΩであると装っているユキ。
誰かに抱かれている間にも、自身から香るカナエのフェロモンに反応し「挿れたい」「蓋をして出したい」と思っているのが、どんなにα以外のものに擬態をしても結局はαで、本能には逆らえないというやるせなさ。
きっと彼は、カナエとの一件が無ければ純粋にただ愛に満ちた優しい人間なんだろうと思うのです。
全てを狂わせてしまうバース性というものの恐ろしさ。
オメガバースの闇の部分をとても上手く描いていますよね。

今作ではルカと正のやり取りが唯一の救いでしょうか。
BL的な萌えはあまり感じられませんでしたが、物語としては非常に読ませる作品です。
果たしてルカが願う幸せは訪れるのか?
続けて次巻も読み進めたいと思います。

2

ハルは見つかるのか

「ロストチャイルド」で何故ユキが乱行パーティーを仕切っていたのかという謎が解けました。

鳴海の攫われたオメガの弟のハルを捜す為に、人身売買を仕切っていた男の元にオメガと偽って潜入してたんです。カナエには堕胎したと偽ってルカを育てる為に協力したのが鳴海でした。その代わりにユキが鳴海を助けると誓っていたからです。鳴海はルカの為にユキにもう弟の件には関わらないで欲しいと言うのですが、ユキは鳴海の為に止めようとしません。

鳴海を思うユキの気持ちも分かりますが、常に危険を伴うユキを心配する鳴海の気持ちも痛いくらい分かりました。お互い好きなのにやるせないんです。

ユキと鳴海の仲を心配するルカもいじらしいです。鳴海がたまに不安定になるので、ユキが頑張り過ぎているのが見てて辛いです。

鳴海の弟が発見されて、鳴海が前を向いて生きて行けれる事を望みます。そうでなければ身体を改造してまでオメガの振りをしているユキが可哀想です。


0

不幸の連鎖が止まらない

本編(オウギとカナエ)の時の仄暗さは無いものの、
やはり「不幸」は切っても切れないシリーズ作品ですね。
この世界観が恐ろしくも目が離せない。

鳴海・ユキ・ルカが一緒には暮らしているお話。
今回は子供の頃に誘拐され人身売買にて行方が分からなくなった鳴海の弟を探す為、αであるユキがΩと騙せるように体を手術し体を使い情報を得ようとする。
昔、ルカを救うために力を貸してくれた鳴海の為にユキは力になりたいと思うが鳴海本人も自分の体を義衛にしてる雪に耐えかねてもう止めるように言うがユキが効く耳を持たないのがもぉ何とも・・・重くせうなかったです。

ユキが鳴海の弟”春人”の情報に近付くも、目の前に現れたのは子供の頃の春人にそっくりな”ハル”だった。
このハルを救出しようとする6話(描き下ろし)が、また・・・別の意味で重、、、いや、深くて切なかった。
この世界観での「幸せ」が色々すぎて。

ユキ・ルカ・鳴海の幸せが早く見たいですね!!

0

どうしても読み続けなくてはいけないと思ってしまう作品

初めて「さよなら恋人 またきて友だち」を読んだ時の衝撃は
凄まじいものがありました。
確かにBLなのですが、まるで推理小説のような、ホラー小説のような、
神がかった伏線、回収。
決して読んでいて幸せな気持ちになれる作品ではないのに
「オメガバース」設定をこんなに巧妙に使いこなすBLを
見たことがあっただろうか…と、驚きを通り越して
感動すら覚えた記憶があります。

あの1冊で終わると思っていたのに、今回で3作目。
ずっと目を離せず読み続けているのは
まだ明かされていない物語の行方が気になって仕方がないから。

今回はカナエの兄、宮内ユキについての物語。
派手で分かりやすい嫌な描写や辛さはないんです。
1作目のような怖さや盛り上がりとはまた違った
読んでいてずっとしんどい感じが続きます。
まるで、ユキの疲れがこちらまで伝わってくるような…。

ユキをただずっと嫌な人だと思っていました。
でもこの本を読むと印象がガラっと変わる。
ずっとずっと自分の罪を償うために、
そして、大切なパートナーである鳴海さんの
弟の手掛かりをつかむために
自分の体を犠牲にして生きているユキ。
何よりも大切なルカと、大切な人鳴海さんと
幸せに暮らしているかのように見える裏側に
こんな複雑な物語が隠されていたなんて…。
やはり今回もこのシリーズの凄さに圧倒されました。

萌えやトキメキとは対極の立場にある作品だと思います。
でもこんなに上手く作りこまれたオメガバース作品は
他にあまりないのではないでしょうか。

決して誰にでもおススメ出来る作品ではないと思います。
それでも、この作品のストーリー、構成力、読ませ方は群を抜いており、
是非一度試しに読んでみたいという方が少しでも増えれば…と思うほど
凝った作品だと思います。

みんなが幸せに…などとはこの作品の性質上合わないと思うので、
みんながそれぞれ納得する結果に向かうことを願って
次回作を待ち続けたいと思います。

6

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