人たらしの美術商と世間知らずな画家の卵の恋は、甘い初めてがいっぱい!

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イタズラな紳士の溺愛レンタル恋人

itazura na shinshi no dekiai rental koibito

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表題作イタズラな紳士の溺愛レンタル恋人

徳永龍之介,30歳,国内外に顧客をもつ美術品仲介者
五十川紫苑,22歳,高名な日本画家の孫息子

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

清楚で生真面目な箱入り孫息子・紫苑は、日本画家である視力の衰えた祖父の代わりに、密かに絵筆を執っていた。それを、辣腕で男前の美術商・徳永に「君の絵には艶がない」と見破られ、そのまま羽のようなキスをされる! 勢いで、徳永に恋愛の色香を教えてもらうことになり、完璧なエスコートで刺激的な毎日を送る紫苑。だが、徳永と友人の意味深な会話で、これは期間限定の恋だと思い知らされる。傷ついた紫苑は「さっさと体に教えてほしい」と徳永を挑発してしまい─!?

作品情報

作品名
イタズラな紳士の溺愛レンタル恋人
著者
真崎ひかる 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784041082737
3.1

(9)

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萌々

(2)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
27
評価数
9
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

仮初の恋のはずだったのに

今回は受様の秘密を見抜く敏腕美術商と高名な日本画家の孫息子のお話です。

攻様の好奇心から始まった仮初の恋人関係が本気の恋愛関係になるまで。

受様は幼い頃から高名な日本画家である祖父のサポートをしています。
84才になる祖父は視力の衰えを隠し、あまり人前にも出なくなりますが
長い付き合い相手から絵のお披露目パーティに招かれ受様も出向くことに
なります。

人見知りな受様は祖父が主人と話す間に主役の画を1人でゆっくりと
見る事にしますが、件の絵はドラクロワの大作ながらかつて見た画とは
迫力があまりに違い過ぎました。

ジッと見上げていた受様に「気に入ったのか」と声が掛けられます。
声の主の男性こそ今回の攻様で国内外に顧客をもつ敏腕美術商でした♪

受様は目の前の画を「贋作だ」と返しその場を去ろうとしますが、
突然、攻様に腕を取られてしまいます。

実はその絵は弟子作の写しで現物は別の部屋に飾られていたのです。
攻様は贋作を見抜いた受様に強く興味を持ったようで受様の名を訊ねて
自らの名刺を渡してきます。

それから1週間後、
攻様は受様の祖父に模写の依頼すべく受様の前に現れるのです。

攻様は近年の祖父の画に違和感を覚えていて受様が描いているのではと
鎌をかけてきて受様がゴーストである事を暴きます。
焦る受様に攻様は依頼の品が仕上がれるのならば誰が描いても問題ない
と言い受様が画をえがくことになりますが

依頼されたのは色香漂う『花魁』画で祖父から画に色気が足りないと
指摘されていた受様はなかなか筆が進まずにいました。

攻様はキスの経験もない受様に性的経験値を積ませてあげると
レンタル恋人を提案してきます。

レンタル恋人の成果は如何に!?

好奇心旺盛で敏腕な美術商である攻様が純粋無垢な受様に興味を持ち
疑似恋愛を仕掛けるラブコメディです♪

受様の母は父親の名も告げずに受様を生み祖父母に託して失踪した事から
祖父母の養子に入り厳しく育てられます。
同級生からも遠巻きにされて友人もなく高校を出た後は祖父のサポートを
し始めたた受様は正に純粋培養の箱入り息子です。

片や攻様は祖父の遺品整理に携わった叔父の助手をした事をきっかけに
国内外のコレクターや美術館の仲介を手掛ける美術商となります。
珍しいモノが大好きで真贋を見抜く目を持ちながら世間ずれしていない
受様と接するうちに益々興味が湧いてしまうのです。

花魁の色香を描けない受様の悩みを解消しつつ清廉な受様のヒギンズ教授と
なる事で彼の変化を楽しむという一石二鳥を狙ってレンタル恋人を
仕掛ける攻様でしたが

受様を喜ばせるべく重ねたデートで先にノックアウトされたのは
どう見ても攻様のほうなのですよ (^-^)

自分の魅力が判っていない受様は素敵過ぎる攻様を諦めるためにと
最後の一線を越える事を望みます。

こんな2人がどうやって本当の恋人同士になるのかワクワク
楽しく読ませて頂きました♪

策士な俺様攻と生真面目な純真受様で実に真崎さんらしいカプで
スッタモンダも王道展開なので安心して読めます。

遊び慣れている攻様が受様が様子に一喜一憂する様がとっても可笑しく
MYツボでした。

策士、策に溺れる系 ヾ(≧▽≦)ノ

まぁあまり表情に変化がなかった受様に会うたびに少しづつ心を開かれたら
攻様みたいに世慣れた大人でもフラフラ&クラクラしちゃうよね(笑)

攻様が受様によって変わったように受様も攻様によって強くなり
これからは祖父のためでなく自分自身のために画家として頑張って行けそうな
前向きな最後で読了巻も良かったです。

今回は美術商繋がりでナツ之えだまめさん『同居社長に甘やかされてます。』
をお薦めとします。こちらの受様は木象嵌作家になります。

1

純粋培養最強説

先生買い。王道かなと思ったので萌にしました。本編210Pほど+あとがき。「チャラいこともできるぜ」という大人が、純粋培養のマブしさにひれ伏すお話と感じました。

84歳がんこ爺さんの付き添いで、あるパーティに出かけ、やや強引イケメンに出会った紫苑。後日そのイケメンが日本画の大家である祖父に絵を依頼しに来たのですが、「何年か前から祖父の絵が変わった」と言い始めます。目が不自由になった祖父の代わりに紫苑が絵を描いていたのですが、なぜ気付いたかというと「絵に色気がない」とのこと。「絵に色気を出すために、俺が手伝おうか」てなことを言い出し・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
受けの祖父母、攻めの知人など。ほぼほぼ二人でお話は進む印象です。

**攻め受けについて
攻めさんは祖父がオランダ人とのことで色素薄めの超イケメン。遊びも出来る大人が、純粋培養ちゃんに出会って、ちょっと色々教えてみんべ といたずら心から手を出したものの、純粋培養沼にずぶずぶずぶと入り込んで抜け出せなくなっちゃった・・・・といったところ。

純粋培養ちゃんは、どれだけ毒・ばい菌を与えても穢れない気がする子で、最近読んだ中では無垢度がかなり上。自浄能力がすごく高い印象です。この後、祖父から離れて一人の画家として確立していけるといいなあ。龍之介、てめーしっかりフォローしろよっ と尻を叩きたくなる二人でした。

何年か後に画家としてしっかり独立できた受けさんとその傍らでフォローする攻めさんのお話なんかを読んでみたい気がするカプでした。

0

模範的な年上紳士攻め

良くも悪くも癖の無い話だと思う。
う~ん、上手く枠内に収まったな、と感想を一言でまとめてしまうのも何なので、以下、いつものように長文が続きます…

22歳にしては世俗に染まっていない純粋培養な日本画家の孫息子・紫苑は、美術商・徳永と出逢って近しい間柄になっていく。
眼を悪くしている著名な祖父の代わりに絵を描いているのを見破られただけでなく、それらの絵には色艶が無いと指摘した徳永は、性的経験皆無の紫苑の為にと”期間限定の恋人付き合い”を提案する。

表向きは生真面目な紫苑を思いやってレンタル感覚で、と言う徳永だが、する事に無駄がなくがっついた所がない。
徳川がデートに連れ出す場所は、紫苑にとって常に目新しいだけでなく世の女性陣から見ても洗練されている。

当の徳永曰く、最初は自らの手で紫苑を変えてみたい欲求はあったそうな。
相手への恋慕を身をもって知った紫苑が予想以上に色っぽくなって困ったと降参して、正式に交際を申し込む形になったのは結構な事だが、読んでいる側としてはあまりニヤつく事なく始終淡々と見ていた感が強い。

まるでお見合い後の付き合いが順調に進んでいるカップルそのものだった。
徳永は、いかにも年頃のお嬢さんが居る良家の御両親のお眼鏡に叶いそうな男性で、久々に模範的な年上紳士攻めにお目にかかったな。

紫苑は大化けとはいかずとも徳永の望む範囲内で変化を遂げた。
但し、彼の成長物語として見るには物足りなさはある。
今後の方向性については終盤で曖昧に匂わせてはいるものの、祖父の陰から表に出て独り立ちしていくのはまだまだこれからのようだ。

1

これは攻め視点で読みたかったなぁ

タイトルから甘くて可愛い作品を想像してましたが、これがしっとり読ませる落ち着いた雰囲気の作品でした。

主人公がですね、若いのにどこか浮世離れしていると言うか、世間の手垢にまみれていない純粋な青年なんですよ。
その彼の視点で進む為、終始落ち着いた印象なんですよね。
また、自分では気付いてないけど、彼の境遇というのは結構痛々しいものですし。
激甘を期待して読むと、ちょっと肩透かしを食うかなぁと。


内容ですが、辣腕の美術商・徳永×清楚で生真面目な箱入り青年・紫苑による、しっとり切ない契約から始まる恋です。

視力の衰えた祖父に代わり、密かに筆を執っている日本画家の紫苑。
辣腕の美術商・徳永に画の依頼をされますが、彼にはそれを見抜かれた上に、「君の絵には艶が無い」と自分でも気にしていた事を言われてしまうんですね。
で、その「艶」を引き出してあげようと、徳永から期間限定の恋人契約を提案されー・・・と言うものです。


まずこちら、紫苑が結構不憫だと思うんですよ。
父親は分からず、母親からは捨てられて、祖父母に育てられた。
更に日本画家として高名な祖父ですが、現在は視力を悪くして絵が描けなくなってるんですね。
で、祖父の名前で、紫苑が依頼された画を仕上げているー。
う~ん・・・。
なんかすごく淡々としていると言うか、ちょっと感情の起伏に乏しい印象でしょうか。

で、そんな彼の前に現れた大人の男性・徳永。
甘くて優しくて、まぁ悪い大人ってヤツでしょうか。

そんな悪い大人である徳永に導かれ、これまで見た事も無い世界を経験して行く紫苑。
年齢にそぐわぬ落ち着いた印象だった紫苑がですね、徳永にあちこち引っ張り回され、目を白黒させたりと年相応の可愛い反応を見せるようになるんですよ。
この、二人の距離が少しずつ少しずつ近づいて行くパートが、とっても素敵で萌えさせてくれるんですよね。

と、徳永と過ごす時間に安らぎを覚えるようになる紫苑。
しかし、この関係は契約でしかなく、依頼された画が完成すれば終わってしまう事を苦しく感じるんですね。
そこで早く終わらせて離れた方がいいと決意した紫苑は、「時間がもったいないし、早く抱いて欲しい」と挑発してしまいー・・・と続きます。

う~ん・・・。
こちらですね、要は真っ白で何も知らない主人公(紫苑)に興味をそそられた悪い大人(徳永)が、色々教えてやろうと手を出したってお話なんですよ。
娯楽や快楽を知ったらどうなるんだろうと、面白半分で連れ回した。
が、いつの間にか本気になっちゃって、逆に自分が翻弄される羽目になるみたいな。

これ、私の勝手な意見ですけど、攻め視点で書かれている方が面白い気がしますよ。
紫苑視点だと徳永はひたすら優しくて包容力がある大人で、せっかくの面白い設定(ワルい大人)が生きてこないと言うか。
面白半分で手を出したのに、どんどん本気になっちゃって焦る鼻持ちならない攻め(の心情)とか、楽しそうなのにな~と。
10近く年下の相手に振り回される余裕綽々(だった)攻めと言うのが、個人的なツボなんですよ。
完全に、好みの問題なんですけど。
これはこれで、しっとりと素敵なお話ですけど。

ところで、なんか納得が行かないのが祖父になります。
超厳格でと曲がった事が嫌いなのかと思いきや、孫の才能を食い潰すような事をやってる。
何を考えてるんでしょうか。
祖父の役に立てるならと素直に従ってる紫苑が、不憫すぎるがな。

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