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青少年のための優良図書

seishoune no tame no yuuryoutosho

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表題作青少年のための優良図書

鴻巣、高校生(今井の同級生)→ウェブデザイナー
今井瞬、高校生→会計士

その他の収録作品

  • オトナのための優良図書

あらすじ

同性に興味があることに悩む今井は、
BL小説を読んでいるところを
同じクラスの鴻巣に見られてしまって……!?

作品情報

作品名
青少年のための優良図書
著者
吉田ゆうこ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
発売日
ISBN
9784403666865
3.8

(46)

(16)

萌々

(17)

(7)

中立

(2)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
7
得点
171
評価数
46
平均
3.8 / 5
神率
34.8%

レビュー投稿数7

切なくも温かいストーリー

作家買い。

吉田さんというと、痛い作品とか、シリアスな作品とか、そういった作風の作品を描かれる作家さま、のイメージですが、今作品はめっちゃ可愛かった…!

すれ違い。
再会。
両片想い。
そして、甘々。

そんなキーワードにビビッときた方に是非お勧めしたい、そんな切なくも温かなお話でした。







主人公はDKの今井くん。
教室でBL本を読んでいる時に、「それ、BLでしょ?」と同級生の鴻巣くんに話しかけられる。

自分はゲイかもしれない。

そんな悩みを一人で抱えていた今井くんにとって、「自分もBLを読む」「ゲイでもいいじゃん」と話しかけてきた鴻巣くんの存在は、自分の世界を受け入れてもらえたような、そんな気持ちになれた。

二人でBL本を読み、そしてそこで繰り広げられるようなエッチなこともするようになっていく。鴻巣くんに対してほのかな恋心を抱いていた今井くんは鴻巣くんと恋人になることを夢見るが、鴻巣くんは「男の身体」に興味があるだけと言う。

それをきっかけに二人は決別し、親の離婚で引っ越していった鴻巣くんとはそれきりになった。

が、大学を卒業しリーマンになり、一人暮らしをするために引っ越してきたアパートで、鴻巣くんと再会しー。

というお話。

吉田作品なのでシリアスな展開になることを危惧しつつ読み進めましたが、この二人がクッソ可愛いいの。

お互いを想うがゆえにすれ違い、勘違いし、でもその深い愛情ゆえに二人の想いは再燃した。

まだ若く、自分のことで手一杯だった高校時代。
大人になり、自分の想いを相手に伝え、思い遣ることが出来るようになった二人。

登場人物は、この二人だけです。
当て馬さんとか、横槍を入れるキャラとか、二人をサポートするキャラとか、そういった脇キャラは一切登場しません。自分たちだけの力で、過去のトラウマやすれ違いを少しずつ乗り越えていく。そんな二人に萌えが滾りました。

そしてそんな二人の感情を、繊細で緻密なストーリーできっちり魅せる。しぐさ一つ、表情一つで、彼らの想いが手に取るようにわかる。そんな吉田さんの手腕に圧倒されます。

さらに注目すべきは「BL本」。

タイトルの、『青少年のための優良図書』。「優良図書」って、BL本のことなんですよね。お互いに好きで、相手に触れたくて、少しでも近づきたくて。そのきっかけとして「BL本」が使われています。まだ若く青い二人が、「BL本の真似をする」という風を装って相手に触れようとする。こういった小物の使い方が、非常にお上手です。

描き下ろしは『オトナのための優良図書』。
再会し、大人になった二人の「優良図書」もまた、BL本。
二人仲良くBL本を買いに行く二人に、うっかり萌えちゃった…。こんな可愛らしい二人が本屋さんのBLコーナーにいたら、影からこっそりのぞき見しちゃうよね。

いつものドシリアスな吉田ワールドを堪能したくて手に取る方には、もしかしたら若干肩透かしを喰う作品かも。

が、高校生から大人になっていく二人の、お互いを想う気持ちの強さとか、愛情の深さとか、すれ違いとか、すんごく甘酸っぱく、優しいお話でした。

文句なく、神評価です。

9

読み終えた後の満足度がすごい...流石です吉田ゆうこ先生!

受:今井しゅん君
かわいい/腐男子/ゲイ/赤面
攻:鴻巣あさひ君
ノーマル(?)/作中で変化(良い)/むっつりスケベ

高校生から社会人1〜2年目までを描いたどこにでもいそうな青少年の恋物語

隠れ腐男子の今井はある日BLを読んでいるのかを鴻巣に聞かれて...(腐男子とバレてしまうが鴻巣もBLを読むことが発覚)意気投合する2人。次第に放課後は鴻巣の部屋に過ごすのが当たり前になっていく。
しかし、今井はBLを読んでいたこともあり自分の中での理想の恋を鴻巣に知らぬうちに求めており、鴻巣も思春期の時期であったこともあり恋をしっかり自覚していない様子..
ほぼ両片思いの状態で、鴻巣が転校..2人は険悪なムードのままバラバラに
今井は社会人になり偶然にも1人暮らしのマンションで隣部屋が鴻巣で..?!
高校生の頃どこかぶっきらぼうであった鴻巣が再開した後驚くほど変わっていてそれを中々受け入れられずにいる今井..
最後も少しの波乱はあったものの鴻巣から告白され一白置いたものの今井からも告白で見事恋人同士に!

言葉の1つ1つに重みがあり、感動できる作品。
親との関係からも人に対してどこか距離を置いてしまう攻めが、受けと離れたあとに受けの大切さに気づかされた作品で2人が想い合うエンドで良かった。
個人的には最初は余裕ある攻めが最後は受けに対してオドオドしたりと色んな表情ができるぐらい成長できていたのを視覚的にみれたことがよかった。

好きな言葉→『「お前とは運命だった」そんなに強くは今井に言えないけどさ、例えば俺が今井と再会してなくても、誰か別の人と添い遂げる人生だったとしても、俺の運命の人は今井だけだよ』

作中に今井がいつか言われてみたいという言葉に対して、再会し恋人になった後に鴻巣が今井に放った言葉

0

もだきゅんBL

BLが繋いだ恋でしたね~♡

今井が教室でBLを読んでいたら
鴻巣に話しかけられて「BL仲間」になった二人。

ゲイで男性の体に興味がありBLを読み始めてハマった今井と、
たまに読む程度の鴻巣。
温度差は感じつつも鴻巣の家で今井の体を弄るまでに進んだ関係。

でも、遂に初エッチをした後、
今井が、鴻巣には何の感情も無いことを実感するのは
切なかったです!!!


4年後、社会人になり一人暮らしを始めたらお隣さんが
鴻巣で偶然の再会。
そこから一気に関係は進みます。
高校時代とは違って、相手を想いドキドキする
まさに「恋」でしたねー♡
高校時代には見れたなかった
不安そうに今井の様子をうかがう鴻巣の顔には心臓射抜かれました!!

恋を知った鴻巣の可愛さは恐ろしい程でした♡

0

ほの暗さ警戒からのハッピーエンド

吉田ゆうこ先生の作品は、ちょっと用心しながら読み始めるんです。
ほの暗い感じが有りますしね。

発売されてから、しばし考えていましたが読んじゃいました!

用心していた私は、何だった?

何だか、これは復活愛ではないですか。
吉田ゆうこ先生の描く受けちゃん…
なんでそんなに可愛いのか。

さて、高校でクラスメートだった鴻巣と今井。今井が教室で読んでいたのはBL小説でした。それを鴻巣に見られて、2人で話す場面がありまして。鴻巣がBLを読むと知って単純に嬉しくなっちゃう今井。

流れで、鴻巣の自宅に遊びに行きます。
あれよあれよとキスされて、手でイカされてしまうんだな~

今井は、えっちな事をされて鴻巣をどんどん特別に意識して好きになっていく。ある日、鴻巣とデートしてから、とうとう初体験してしまうんです。
ただ、今井はゲイで鴻巣が大好きでいるのに対して、鴻巣は 男でもイケる、興味有るといったスタンスだったのです。
もう、これは好き嫌い以前の話ですよね…
一瞬で深く傷付いた今井は、卒業まで鴻巣と関係を遮断します。

ところが社会人になった今井のアパートの隣人が、鴻巣。

かなりな奇跡ですよ❗おまけに引っ越しした早々に、今井の部屋が水漏れ。修繕修理まで時間がかかり、実家は同様に修繕が必要にはなって戻れない。
そうです。期待の通り鴻巣のアパートにお邪魔しちゃう。

高校卒業してからの今井は、気が強くてはっきりした物言い。
鴻巣は何だか、優しくなってまして。
結局、2人はセックスしちゃうんです。

2人は、同じ空間で生活する事で互いの知らないことを知り始めます。
何だか、この過程が甘酸っぱい❗大人になって初恋のやり直ししているみたいだと感じました。

過去の2人の関係性は、心理的な勾配が有ったわけです。
先に好きになった今井が鴻巣に、心理的に傾くのは当たり前なんですよ…
現在の2人は、互いの気持ちを話し合い、勾配がキツくない関係になりました❤️

さて、この作品には吉田ゆうこ先生の作品にあるほの暗さは有りません。

有るのは、互いが好きで仕方ない2人。

甘かった…❤️っていうか鴻巣が今井を大好き過ぎて。大切にしてますね。
でも、本当はBL小説みたいなプレイがしたくて我慢していたり。
今井の許可も有って、望みのプレイをすることが出来ました…
プールでむらむらしている鴻巣は可愛げ有りますよ!

結局、高校生時代に隠したいほどに後ろめたくて、恥ずかしいBL小説は転じて、恋に向かうためのビギナーガイドだったと思います。

どきどき、用心して読んだ私は少しだけ、肩透かしでした。
作中の鴻巣が今井に言う「最後はハッピーエンドがいいよな」が正に、この作品の正解でした。


0

攻が「ありがとう」を言えるようになるまでのお話

もだもだもだ。先回り。遠回り。すれ違って。傷つけあって。また惹かれあう。
最初から最後まで登場人物は2人だけ。
お互いがお互いをどう思っているのか、お互いにとってどうありたいのか、過去と今のそれだけを描いています。

BL本をきっかけに距離を縮めた二人。
けれど身体を重ねて今井が気づいたのは鴻巣の空虚さ。
運命ともハッピーエンドとも程遠い現実に傷つき今井は一方的に別れを告げる。

高校生同士が勢いと好奇心で始めた関係がアンバランスさに耐えきれず崩壊していく前半戦。まっさらで未熟で痛々しく、それでも、どうしようもなかったとしか言いようがありません。

そして後半戦。
今井に振られてから人生を見つめ直した鴻巣に今井との再会というチャンスが訪れます。

後半の鴻巣の別人ぶりに戸惑うレベル。
あんなに空虚でへらへらした人間だったのが、二言目には心を込めて「ありがとう」と言える人間になるなんて。
どこの育ちのよいお坊ちゃんでしょうか。
今井に対してもびっくりするほど素直にストレートに自分の気持ちを表現します。
相手の気持ちを汲もうと努力して、でも少しだけ高校生の頃今井に嫌われた傷を引きずっているところに鴻巣の繊細な部分が垣間見えます。

時間がたって、少しだけ大人になって、二人はもう一度運命とハッピーエンドをやり直します。

お互いの未熟さからお別れしていると思うので
いわゆる攻ざまあとはちょっと違いますが、攻が成長して受に還元するタイプのハピエンです。そんな鴻巣に今井くんは最終的にめろめろです。

吉田先生ならではのセリフに頼らない叙情的なカットが今回も随所にありますので眺めるだけでも楽しめると思います(お部屋の壁“コンコンコン”のシーンなどはとても美しい)。
青少年のもだもだ感がこれでもかと溢れる作品でした。

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