電子限定かきおろし4P漫画付き
あの時、お前にもらった青春が、俺は忘れられなかった。
作家買い。
吉田作品であることに加え、あらすじ、そして帯の文句。痛さてんこ盛りの作品かな?とちょいビビりつつ手に取りました。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
主人公は高校3年生という中途半端な時期にやってきた転校生のはるか。
実ははるかには父親からとある使命を受けていた。それは、その学園に存在していると言われる「大人俱楽部」におもちゃとして加入しろというもの。
おもちゃとして男に抱かれ、気に入られ、そして実家への援助を得ることだったー。
高校生、というバックボーンがあるために、「大人倶楽部」の存在が上滑りしてるっていうのかな。高校生が同級生におもちゃとして性的な奉仕をさせるとか、実家への資金援助ができるだけの金銭を扱えるのか、という部分がひっかかり、そんなことあるかなあ、と序盤ちょびっと萎えてしまったことは否めない。
が、さすが吉田さん。
ストーリー展開が非常に秀逸です。
無理がない。
そして、しぐさ、目線、表情。
そういったちょっとした描写で読者に彼らの内面や感情を端的に読ませる手腕は圧巻。
はるか、そしてはるかを「おもちゃ」にした永良くん。
彼らは立場や状況は異なりますが、孤独だった。その孤独だった魂が、お互いの存在によって救われていく。時にすれ違いながら、勘違いしながら、それでもお互いを欲しあがく二人の想いにめちゃめちゃ萌えました。
身体を売って実家に金銭を送らなければならないというはるかは紛うことなき薄幸青年。永良くんによって救われていく。けれど、根っこのところで本当に救われたのは、永良くんの方ではなかったか、とそう思うのです。
吉田作品らしい、危なっかしい青い恋とか、痛さに満ちてはいますが、随所に甘さやコミカルさも盛り込まれていることもあってかシリアスさはさほど高くはありません。程よいバランスを持った、そんな素敵な作品でした。
難しくて暗い話かなと思いながらも吉田ゆうこ先生の作品は、ストーリーが複雑だけどクセになるし絵も特徴的で昭和っぽいなと個人的に思っているのですが全てひっくるめてスルメ作品な印象で、この作品も購入してみたのですが、大人倶楽部は1回読んだだけで良い!!と思いました!
そんなに難しい話ではなく、純愛で感動しました。
お金持ちの人たちは性格が歪んでいるイメージが強かったのですがこの作品にでてくるキャラは悪い人ではなく大人倶楽部のメンバーみんないい人でした。
永良(攻)とはるか(受)が、おもちゃとして抱かれに来たことがきっかけではあったけど一緒に過ごすうちに惹かれあって長い期間が経ってようやく結ばれたのがこっちまで嬉しくなりました。
ネタバレになりますが、肝心な時に限って指輪を持っていなかった永良が可愛かったし、手を繋いで倶楽部から寮に帰る学生時代の様子からのプロポーズ後手を繋いで一緒に家に帰る様子はたまりませんでした!お幸せに〜って拍手したくなりました笑
吉田先生作家買い中の先生です
吉田先生の話はいつもワインのような感じがするなぁと思います
見た目の甘さに比べるとがつんとくるお話を描かれる印象ですが
この話は既読の話に比べると痛みがほどよくまろやかで
切なさの中にも甘さが充分感じられ読みやすいです
それぞれ家族との複雑な関係を抱きながら大人倶楽部と言う秘密の場所で出会う二人
はるかはそこのメンバーに抱かれるため高3という時期に転校してきた
俺を抱けば満足できますよ
と言うはるかを永良が
俺が引き受ける
と言うのだが…
出会いは犯されて犯さなくてはならなくてある意味どちらにとってもレ○プだったようにそんな思う
二人が相手を知っていくことで惹かれていくのだが
出会いの形が壁となり本当の意味で向き合えず
期間限定で関係を結び
期限が終わり別れた二人
互いの存在を心のどこかで感じながら大人になり再会した時思いは熟成されもう動かせ難いものになっていた
未熟で定まらず青く固かった二人が
出会いゆっくり科学変化を起こし
時を経て熟成されてやっと恋と愛とお互いが呼べるようになるまで
やっぱりワインのようだな
と思う一冊
長い両片思いの中言葉で気持ちを伝えるのより先に表情と体がこたえてしまうエロスが良いし
雪が窓に映る中のプロポーズの一連が最高に萌えます
なんて静かでロマンチックなお話なんでしょう…
この作品を描きあげた作者様素晴らしい才能をお持ちですわ
有り得ない事を有り得るかのように、まさに「大人倶楽部」な空気が部屋に流れる作品でした
表紙買いしました。それ程作画が美しいのです
この作品はずっと気にはなっていたんですけど、あらすじやタイトルでシリアス・ダーク系だったり、無理やり系かな…なんて思ってたので購入を躊躇っていました。セールのタイミングと高評価っていうので、えいやーっとポチッたところ…
あわわ…あわあわ…
すごいよ。すごい良かった。良くて良くて涙が出るの堪えるのが大変でした。
確かに前半は想像通りの展開でした。
でも最初は無理やり(というか打算的な誘い受け)身体を繋げたはるかと永良だったけど、その後は全然。ベッドシーンは思ったより少なく、身体を売るための転学もその意味を為さなくなっていきます。かりそめの恋人関係で終わる高校時代……卒業後は連絡をとることもなく、2人は全く別の道を歩いていきます。
卒業してから出会った2人…止まっていた2人の時間が動き出したように肌と心を通わせていきます。
この再会の瞬間から、私の心臓はバクバクで鳴り止みませんでした。永良のセリフや行動の端々から、今でもはるかの方が好きで堪らない!って気持ちと熱が伝わってきたからです。はるかは、そんなことに気付きもせず永良の気持ちが自分にあると思ってもいないのが、何とも切ないです。
再会後は、何度か会う度に身体を繋げる2人の間に未だ名のある関係はなくって感じなんですが、ある時ふいにやってきたその時が…その瞬間のシーンがすごくすっっごく感動的で心がドッキンバックンでした!!
高校時代の思い出とシンクロしながら好きを実感するはるかの永良への想いが素敵すぎて、胸に込み上げてきます。永良がはるかを好きな気持ちだって、はるかの視点を通してプンプンに伝わってくるんです。
時間が開いてしまったけど、高校時代から惹かれあっていた2人が、やっと一緒になれたそのシーンには自然と涙が出ました。手を繋ぐ2人の姿が今でも目に焼き付いて離れません。
はぁぁ…本当に素晴らしいエンディングです。
タイトルとあらすじに惑わされず、もっと早くから読んでいれば良かったです。しっとりとした雰囲気が映画を観てるような気分にさせてくれました。
心が温かくジンワリと幸福で満たされる…そんな素晴らしい作品に出会えて嬉しいです。