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元不良のカリスマ板金屋、新城穂高の苦手なものがあった。
工場の若い連中や知り合いには決して知られるわけにはいかない__二十五歳にもなって歯医者が怖いなんて。
とはいえ痛む歯を放置し続けるわけにも行かず通い始めた藤井沢歯科。
しかも担当医の三和はクールで患者にずばずばキツイことを言うサディスト?!
ところが病院の外で会った三和はどんなことにも怒らないきわめて柔和な青年で……
どちらが本当の三和なのか。もしかして彼は二重人格なのか。
気づいた時にはそんな三和から目が離せなくなっていた穂高だったが……
まっすぐなカリスマ板金屋×二重人格?の歯科医。
歯医者バージョンではずけずけものを言うクールビューティの三和先生は、白衣を脱ぐと穏やかで気弱な青年になります。どんな状況でも怒らずに自分が折れることが当たり前だと思っている三和に穂高は苛立ち、いつの間にか彼から目が離せなくなってしまう。
この二人の関係性が好きでした。
理不尽なことも我慢してしまう三和に「怒れ」という穂高と、それによって少しだけ感情を開放するすべを知る三和と。
感情の動きが丁寧に書かれているのですごく共感して読める。
穂高の告白がすごい格好良かったです。
続編の『歯科医の秘密』は二人の性格からくるすれ違いの話。
これも自然に入り込んで読めました。
三和がただ守られるだけのキャラじゃなかったのがよかったな。
いざとなったときの彼はすごい男前でした。
前半は穂高視点の三人称。
後半は三和の一人称。
どっちも書ける時点ですごいけど、一冊の本の中に混在していて、まったく違和感がないのに感動しました。
さすが榎田さんだ。
歯科医!白衣!ケーシースタイル!と叫んで(←心の中で)購入しました。
治療中は無愛想でおっかないのに、白衣を脱ぐととんでもなく穏やかで何をされても怒らない三和先生。
読み進めるうちに、この極端な二重人格っぷりは彼が真面目で不器用なゆえだと分かって、愛しくなってきちゃいます。
表題作の「歯科医の憂鬱」は攻視点、同時収録の「歯科医の秘密」は受視点、「THE SPECIAL GIFT」は攻と同じ板金屋で働く後輩視点。
彼らが気に入った方は、藤井沢商店街シリーズ最終巻の「理髪師の、些か変わったお気に入り」にも彼らが参加してるので、合わせて読んでみると面白いかもしれません。
二重人格でクールビューティな歯科医と、元ヤンの鈑金屋、180度違う二人の恋のお話です。
地に足をつけて働いてるオトナばかりが登場するこの藤井沢商店街シリーズですが、この作品は、二人のそれぞれに方向性の違う不器用な個性が絡みあって、とてもあたたかくて切なくて面白い作品に仕上がっていました。
なんでこんなにカワイイんだろうと思うほど、クールビューティな歯科医の三和がカワイイ。相手のためを思ってやってる行動が常に空回り、悩んで後悔して、ドツボにハマって…その不器用さがいとおしくて微笑ましかったです。
攻視点→受視点の入れ替わりも良かったですねー。お互いの本心を知るのは読者ばかりなり、「志村後ろ!」みたいなノリで読めるw
つくづく榎田さんは上手いです。
限られた本棚スペースなので、必然的に読後気に入った作品だけを残すしかない状態なのですが、この作品は今でも私の本棚にあります。
恋愛に自信のない健気な受けと、そんな受けを溺愛する攻めという組み合わせは大好きなカップリングなので何度も読み返しています。
派手なお話ではないのですが、すごく居心地の良い場所で一息つくような、ちょっと時間のある時に読みたくなる作品です。
喧嘩っ早い鈑金屋×二重人格気味の歯科医。年下攻。
いやもうこの歯医者さんがね、仕事中はクールなのに、白衣を脱いだら花のようなおっとりした青年で、患者として出会った攻が混乱しまくっていつのまにか恋に落ちているという可愛いお話です。
年下で学歴ないけど(仕事はできる)男としてのプライドを気にする攻と、人づきあいが苦手で怒ることも苦手な受。お互いに好きで好きでたまらないってところが。遊び尽くした攻でなく、上着をかけてあげられなかったり、贈物でさえ迷うような。
あー可愛いなあ。照れます。