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藤井沢商店街シリーズ1作目です。
このシリーズの特徴でもある、ごく普通の人たちの等身大の恋って感じが好きでした。
真面目で一生懸命だけどどこか不器用で人付き合いの苦手な里見と、そんな彼を放っておけない優しくて大人な(でも下心はアリ)立浪と。
不器用な里見にどっぷりと感情移入しながら読みました。
酔った勢いで自分の車好きを熱く語り、社歌まで歌っちゃう里見がかわいい。
里見も立浪も、夢を持って働く男たちっていいよねえ(しんみり)
里見が周囲の人たちから「受け入れられる」過程がすごく自然でよかったです。
あ、そうそうイラストの立浪がよくある美形じゃなくて、わりと普通におっさんっぽくてがうれしかったです。
彼らにはあくまで普通の人たちであって欲しいので。
同時収録の「これは大人の恋だから」
恋人に迷惑をかけまいとする里見と、そんな彼の気持ちを見抜けなかった立浪のすれ違いのお話。
里見の上司、羽賀さんが良い味出してます。不憫だけど(笑)
電子書籍版を購入。
表題作と、その後の「これは大人の恋だから」が収録されています。
表題作は、ほのぼのまったり人情系。
お仕事系とも言えるかな。
車に対する愛。
なんか、いい。
やっぱり、愛がないと仕事はつらいよね。
この作家様は、こういう系統の話、本当にうまいです。
受けの父親が答えをあかさないまま亡くなったなぞなぞ。
「車に絶対必要なもの」
ガソリンでも、エンジンでも、人間でもない。
この答えに、思わず涙が出てしまいました。
まさか、自分がこんなところで泣くとは思いませんでしたよ(汗)
後半の「これは~」は、当て馬登場の、いかにもBLって感じのお話。
これはこれで大好物な展開。
評価が低そうで購入を迷いましたが、この本に出会えて良かったです。
とある商店街にある、地域密着型の自動車営業所が舞台。
とっても人間味あふれる作品です。
地味でほのぼのとした、とても自然に進んでいくお話です。
営業指導でやってきた里見は真面目で表情に乏しく、今までゆるくやってきた営業所にテコ入れをして皆から反発を受けます。
里見としては客や営業所のことを思ってしていることで、本当に車が好きで夢を持ってしていることなんですが、それがうまく伝わらない。
助けてくれたのは、愛想がよく面倒見のよい立浪。
皆から好かれるお兄ちゃんという感じです。
彼に助けられながら、里見は地域からも営業所の皆からも受け入れられるようになるまでを描いています。
情の熱いヒューマンドラマのようなのですが、BLとしての楽しさもあるところが面白い。
一緒にいるうちに好感を持っていく、立浪が里見をかわいいと思っているのも伝わってくるし、自然に顔が近くに来てキスしそうになる瞬間も、不自然ではなく引き込まれます。
里見という人物がとても魅力的で、それがよかったなあと思う。
皆になじめたのは立浪の助力ですが、もともととても面白く可愛いキャラです。
クールなのかと思ったら汗だくになって働く熱い場面もあるし、無愛想かと思ったら飲むと熱く語り出す笑える場面もあり、親を事故で亡くしたトラウマを持ちながら車が好きで夢もある。
自分に過失のない事故を起こしてしまっても、こっちに落ち度はないのに蹴られても殴られても逆に落ち込み、欠点だという極度の方向音痴もかわいくて魅力的に思えました。
ただ、周囲の異性に口説かれ過ぎていてそこがやはりBLぽいかなあなんて思ったり^^;
後半で登場する羽賀というキャラクターは2人の仲を邪魔してくるのでちょっと腹が立ったのですが、立浪も里見も落ち着いた優しい性格をしているので、意地悪(?)なライバルが出てくるくらいのほうがお話としてはよいスパイスかもと思えました。
後半は付き合ってからの二人のすれ違いのお話です。
タイトル通り、大人の恋を貫き通したくて頑張る二人のお話です。ここでも里見の方向音痴がよい味を出していました。
タイトルのゆっくり走ろうという言葉ですが、作中で使われるシーンがあります。
車って下手すれば危険な乗り物で、里見も事故で親を亡くしています。
けれどなくてはならないもので、里見も立浪も車が大好きなんですよね。
このセリフ立浪のセリフなのですが、すごく効果的な場面で使われています。それがとってもぐっときて、ああいい作品読んだなぁと思えました。
派手でなくても地味ながら安定した良作だと思います。
藤井沢商店街シリーズは各話イラストがそれぞれ違う漫画家さんなのが珍しいですが
登場人物がみんな温かくて人情に溢れていて
定期的に読み返したくなるシリーズです。
ハツダ自動車販売藤井沢営業所が舞台の第一弾、
商店街のみんなからカンちゃんと親しまれる頼もしい営業マンの立浪と
若いながらもお堅い営業指導の里見の出会いと恋のお話に
読み返す度じーんとしたりきゅんとしたりしてしまいます。
立浪の包容力がまさに海のごとし!!
でも叱る時はガッツリ叱ってくれていい男です本当に。
里見が最初立浪以外の皆に受け入れてもらえなくて
それでもがんばろうとする姿、尊敬してしまいますね。
誠実さを徐々にわかってくれて軟化する皆の態度が嬉しい矢先のアクシデント、
内容をもう知ってるのにハラハラしちゃうんです。
本当に大事に至らなくて良かった……。
里見が、立浪に組敷かれて初めての体験にあわあわしてるだけじゃなく
ぴしっと一晩だけの関係なら許さないと言い切るところにまた惚れぼれ!!
いえね、立浪だってそんなつもりじゃないんだけどね。
里見のお父さんが遺したなぞなぞの答えをくれて
会うべくしてあった二人なのかもしれませんね。ここでもまたじーん…。
里見が本社へ戻った後のお話もライバル登場で楽しい!
当て馬がイヤなヤツじゃなくて良かったし
会えない時間もすれ違いも二人の愛を育てる大事なプロセスですね。
何年経っても色褪せない素晴らしさをありがとうございます。
神寄りの萌×2です。
本日、榎田さんのお誕生日との事で誠におめでとうございます!!!
藤井沢商店街シリーズ第1作。最初に読んだ時は、発表の順番で読んだわけではなかった気がしますが、最近順番に読み返してみました。
やっぱり面白いですね。
田舎住みの私、リアルでも地元の商店街が大好きです。当然、店舗の構成などはお話とは違いますけど、この商店街の近くに住んで「おや?あそこの事務所に新しく来たお兄さん可愛い子ね」とか思ってる自分は想像に難くない(笑)
そんな風に、このお話の登場人物って本当にどこかに居そうな気がしてます。(マンガちっくなキャラ設定なのにね)
お話は、全般的にほのぼのトーンです。主人公には、割と重めのトラウマなどもあり、かなり追い詰められた所もあったのですが、全体としては暗さは目立たずさらっと読めます。
主人公カップルをはじめ、登場人物がみな本当の悪人が居ないところも良いですね。
マジメで意地っ張りでかわいい主人公をうんと愛でたくなる一冊です。
お気軽にどうぞ。