ためつもの

tametsumono

ためつもの
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神36
  • 萌×213
  • 萌5
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
10
得点
249
評価数
56
平均
4.5 / 5
神率
64.3%
著者
明治カナ子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人セレクション
発売日
価格
¥679(税抜)  
ISBN
9784801967427

あらすじ

山の神の声を聞く能力を持つ覡(かんなぎ)。覡には彼らと身体を繋げることにより、
彼らに力を与える特別な相手「ためつもの」が存在する。
雨敷家の覡・定用は「ためつもの」の豊を疎んじており、
豊もまた「ためつもの」に選ばれしまったことを納得できないでいた。
身体を繋いでも、心が離れた二人の行為は山の神に届かずーーー!?

収録作品
・土塊
・雨敷
・雨敷II
・ためつもの
・そとのせかい
・柚子の棘
・花の咲くころ
・おまけ(描き下ろし)

表題作ためつもの

雨敷 豊
雨敷 定用

同時収録作品土塊

二敷 信

同時収録作品雨敷

雨敷 竜
雨敷 わたる

同時収録作品雨敷Ⅱ、そとのせかい、柚子の棘、花の咲くころ

雨敷 豊
雨敷 定用

その他の収録作品

  • 描き下ろし

レビュー投稿数10

独特な世界観、でもがっつり純愛。

作家買い。

読み始めたとき、意味がさっぱり分からず頭の中に「?」マークが飛び交いました。人間関係とか登場人物が全然つながらないんです。

が。

さすが明治さん。
この作品の持つ世界観が理解できるようになるとあっという間に独特な世界観に引きずり込まれます。

山の神の声を聞くことができる「覡」という存在を描いた作品です。

覡は山の神の声を聞き、それをもとに人々にご神託を与えている。が、神の声を聞くためにはエサが必要。その「エサ」となるのが「ためつもの」。覡は神秘な存在ではありますが、「ためつもの」がいなくなってしまえばともに消滅してしまうという共存している立場なのです。

今作品で覡とためつものは数人登場していますが、中でもメインで描かれているのは覡である定用と「ためつもの」の豊。子どものころに引き合わされ、覡とためつものとして生きてきた彼らですが、この二人は馬が合わずすれ違ってばかりなのです。

彼らと対比するように描かれているのが、定用の弟で覡でもあるわたると、わたるの「ためつもの」である竜。この二人は定用と豊とは異なり、きちんと恋愛感情が育っていて仲良し。そのためか、わたるの覡としての能力は日々育っていく。

そしてもう一人。
序盤に、覡で、彼らの遠縁にあたる信という青年のエピソードが収録されています。
ためつものに死なれ、以来精を得るために村の男に抱かれ続けてきた信。
「ためつもの」の存在を失った覡。
けれど、男に抱かれ「エサ」を与えられても覡としては十分な能力を発揮することはできない。

では、覡に必要なものは何なのか。
最後に信が望んだものは―。

「エサ」を得るためにためつもの(あるいは男に)抱かれる覡ですが、本当に必要なものは愛情なのだと。定用、わたる、そして信。三人の覡を通して、覡にとって、人にとって、真に必要なものは何なのかを描いています。

明治さんてちょっと独特な絵柄を描かれる作家さまで、その絵柄で紡がれていくストーリーもすごく独特というか、特殊な世界観。

が、そこに描かれているのは紛れもなく愛情で、人にとって必要なものは何なのかをきっちり描き切っている。

覡とたもつものは身体の接触によってエネルギーを補給していくので、濡れ場の回数はそれなりに多いです。多いですが、エロいというよりも何となく神聖な感じがしました。はじめはエネルギー補給としてのセックスしかしてこなかった二人が、少しずつ歩み寄り、理解し合い、そして愛しあうようになっていく。その過程に激萌えしました。

シリアスに見えて、実はがっつりラブストーリー。
エロが多めでありながら、純愛。
明治さんらしいバランスのいい作品でした。

文句なく、神評価です。

7

圧巻のストーリーに心奪われる

「坂の上の魔法使い」シリーズを思わせる、奥深い愛の物語でした。

3組のカップルのお話が描かれているのですが、各カップルの物語は相互に絡み合っていて、複雑な世界観を感じさせます。

口の悪いツンデレ受が、不器用ながら包容力ある優しい攻の死期が近づいていると知って奮闘し、両想いになる…というお話なんですが、一筋縄ではいかない世界観設定にニヤニヤ、ハラハラさせられます。

考えれば考えるほど深い。雄大な自然と小さなムラの中で、命や愛とは何かを考えさせられる名作です。

そしてエロがとてつもなくエロい…。
受けが体を神様に乗っ取られて大胆にセックスしたり、かと思いきや、好きな人と心をつなげるのが始めてで、一緒に横で寝られるだけで頰を染めたり…。
エロいのに純情で可愛い、最強の受けでした…。

とにもかくにも、まず読んでほしい!ほんと素晴らしいから!後悔させないから!という気持ちです。明治カナ子先生作品に外れなし。今回も期待を何億倍も上回る、素晴らしすぎる作品でした。

6

柚子の大馬鹿18年

山の神に仕える「覡」に美味しく頂かれる「ためつもの」。
人でも木でもない不思議な存在です。誕生木が枯れてしまうと、そのためつものも死んでしまいます。

「覡」と「ためつもの」の関係が上手くいっていれば、「覡」は仕事もうまくでき、立場が良くなっていくようですが、子供同士のときに引き合わされるので一筋縄ではいかないようで。

連作短編です。「土塊」で山に仕えるという不思議な話が語られ、「雨敷」で覡(弟)の話、「雨敷II」で覡(兄)の話になります。「ためつもの」以下は、覡(兄)の定用と、ためつものの豊のストーリーになり、枯れそうだった柚子の木を花を咲かせるまでに至ります。

柚子の大馬鹿18年と言われますが、花が咲いたのは23歳という遅咲き。お互いにさんざん他の男を抱いて抱かれていたというのに、恥ずかしがっている様子が初々しくてニヤケてしまいました。

意地っ張りなんですが、時々優しい。お互い蔑ろにしてはいないというのが読んでいて楽しかったです。眼鏡を選んであげるところや、デートマニュアルをそれと気が付かずに真面目に実行していく様が可愛らしかったです。トイレで寝られると困る、という場面も好きでした。

3

琴線に触れるお話

最高にもどかしい、恋を知らなすぎる大人の素敵なお話でした♡

真敷様が繋ぐ、真敷の分家のお話が1冊に入っています。
お話の筋は大きく分けて3つ収録されていますが、実質まとめて1つのお話です。
神の声を聞く『覡』と、その覡と体を繋げることで力を与える『ためつもの』のお話。


一番最初に、真敷の分家・二敷家の覡である二敷信が山崩れによって亡くなるお話が入っています。
この作品の時点では私がまだこのお話の本筋を理解していなかったので読んでいる時点ではちょっとあまり理解できていませんでした。
が、その後に収録されている表題作を読んでる最中にこのお話の尊さが襲ってきました!!


その次に、二敷家と同じく真敷の血筋の雨敷家のお話が入っています。
最初に雨敷家次男で覡の雨敷わたると、わたるの「ためつもの」である雨敷竜のお話。
後に雨敷家長男で覡の雨敷定用と、定用の「ためつもの」である雨敷豊のお話。(←表題作)
竜と豊は、子供の頃に真敷様が迎えに行って雨敷家へ養子となっています。

出逢った時から相性が良いわたると竜が大人になっても一心同体なのに対して、
定用と豊は子供の頃から、そして大人になっても険悪そのもの。

定用と豊の関係性が少しずつ、ほんと少しずつ動いていくのがたまりませんでした♡
定用が「恋愛感情」に疎く豊かに対する自分の気持ちに感情がついてこれない感じなのがたまらなく可愛かったです。

2

いとおしい、とはこういうことかなぁ

皆さんのレビューに導かれて本作品に出会いました 初読みの作家さまでしたが、本当に出会えて良かったと、皆様に感謝でした

とにかく、読後何でしょう、この世界観!
淡々とストーリーが進んでいくようで、関わりのなかで、じわじわとふたりの情緒が成熟し、濃厚な愛が成就する、という引き込まれる物語でした
これから、新たな神さまの宿る山で、不器用なふたりがどのように愛を育んでいくのかなぁと想像せずにはいられないほど、魅力的な登場人物ですね

2

隠れ年下攻め作品では!?

何を言ってるのかと思われそうですが、個人的に年下攻めかそうでないのかで萌え具合が変わってしまうので。

一冊すべて不思議な力を持つ覡の血統の話です。

最初の話は覡の運命から外れようとして、命も失ってしまった受けと、彼の最後の恋人の話。
死が救済という容赦なさですが、ファンタジーなので民話を読むような心地です。

次は幼少期に「ためつもの」として引き取られ、自分の伴侶となる覡と出会った攻めの話。
攻めのことをブスと罵り(攻めは現在はイケメンだけど幼少期は芋顔です)、今も昔も奴隷だと言って憚らない受け。
でも口は悪くても受けと攻めは両思いで、攻めは受けのいちいちを可愛いと思っている。
受けの年齢が出てこないんですけど、出会った時点の身長差から年下攻めかな…?という感じです。

最後は2組目の受けの兄にあたる覡と、その「ためつもの」の話。本の半分以上が彼らの話です。
弟たちとは違い、気持ちがすれ違っている受けと攻め。遠回りな恋愛をして、不器用な受けと攻めも両思いになる。
受けの生意気ショタ(おかっぱ)時代可愛い。現在の長髪に眼鏡が足されたのも良い。
出会った時点で攻め5歳(現在23歳)、受け7歳なので、実は年下攻めであることが分かります。感動した。年下に気遣われたり、年上なのに気遣いが不器用だったり無知だったりするんですよ…!

ファンタジーとして面白いので(同性カップルばかりでどうやって血統を繋いでいるのか?は謎ですが)、年下攻めじゃなくてもまあいいか、と思っていた所に不意打ちでの年下攻め。
萌えが2倍にも3倍にもなる。うれしい。

1

難しく考えずに!ほっこりするラブストーリーです

【ためつもの】
〝美味しいもの〟という意味の言葉であり、
神様にお供えする上等な食べ物のことである。

【覡】
山神の声を聞く能力を持つ者のこと。
〝ためつもの〟と繋がる事により、力を得る。
日本の〔巫〕の事であり、男性は【覡】という。

この物語は、覡とその一族にまつわるものであり、
特に、覡と〝ためつもの〟の絆を描いた作品です。

私がすごいと感じたのが、
『土塊』を一話目に持ってくるという明治先生の手腕です。
一話だけでは分からないのですが、全て読み終わると、
覡にとっての〝ためつも〟の重要性や、土に縛られ、
好きな人と一緒に生きられなかった信の苦悩が分かります。
そして、ためつもの〟を失った覡の末路も…

この作品は、覡の一族である「二敷」「雨敷」を描いた、
連作短編集です。
共通して登場する謎の男「真敷」がいるのですが、
この男が謎のままでした…

短編の中でも、中心は雨敷家の長男・定用とその〝ためつもの〟である豊です。
この二人は、理解不足からすれ違ってばかりなのですが、
本当はお互いを思い合う愛情あふれる二人なのです。

覡と〝ためつもの〟は、主とエサではなく、
恋人同士のような思いやる関係が理想的であり、
少しずつ近付いていく二人の関係がとても初々しく感じられ、
ほっこりしてしまいました。

気持ちが満たされれば木は元気になり、花は咲き、実をつけます。
恋が芽生えて、想いを結び花開くのと連動して、
命の木も元気に育つというところはロマンチックだと思いました。
また、儀式としてしていたセックスが、
次第に愛を感じるものなっていくのも良く、
気持ちが通じ合うことで体も満たされるという定用が可愛かったです♡

複雑怪奇なお話のようで、
読み終わってみれば素敵なラブストーリーであり、
読後に心地よい余韻を残す作品です。

また、定用の弟・わたるの〝ためつもの〟竜はイケメンなのですが、幼少期の竜が可笑しくて可笑しくて!
じゃがいも?梨?
とにかく、たくさんの人に見て頂きたいです(笑)

4

不思議ワールド。ただ浸ろう

うわ〜、明治カナ子さんらしさが溢れた作品!
…というのが第一印象。
つまりは…なんかちょっと怖くて…
全部通して読んで、また冒頭から読むと、第1話がすごく暗くてホラー風ですらある。
だから、1話だけ読んで「なんだかなぁ」と思っても大丈夫、段々良い話になっていくよ、という事は言っておきたいです。
ただ、これは私の読解力と目のせいなんだけど、竜のルックスが子供の時と激変するので誰だかわからなかったり、竜と豊と床(とこ)の見分けがつかなかったり。
内容は、2組の「覡とためつもの」の対比が出てきて、どちらのCPも子供の時はうまくいってない状況。
それが、一方の竜xわたるCPはどんどんラブくなる。竜はずっとわたるとのつながりを大切に思っていた…
片や、もう一方の豊x定用(じょうよう)CPはこじれている。
このこじれが甘い愛になっていく様子が、和ファンタジーというか土俗的超常現象というか、そういうのと絡めて、もちろんエロも絡めて、描かれていくわけです。
終盤は、あの1話の悲劇はなんだったの?と思うくらい清冽な愛の奇跡…
不思議ワールド。
こういうBLもあるぞ、という意味で大変おすすめ。

4

村BLの一種のような

田舎の小さな山村を舞台にした土俗系のファンタジー。
山神の声を聞く巫女のような存在「かんなぎ」と、そのお供え物である「ためつもの」のお話。
かんなぎとためつものは番のような感じ。肉体的精神的な結び付きによって、かんなぎは力が強くなる。

一話めは難解でよくわからなかったが、読み進むうちに、幼いうちに自分のためつものを失ったかんなぎの末路、という話だったということがわかる。そして、山の神に背いたかんなぎがどうなってしまうのか、ということも示されると、うっすらホラーの香りもしてきて。

この一話めのみ悲恋で終わっているが、後に登場する二組のカップルは、どちらもハピエン。
幼い頃からかんなぎとしての教育(性的なものを含む)のみを受けてきた定用は、とにかく真面目で不器用。それなのに、このところ不調続きで、もっと豊との関係を深めなければ、仕事も、正式な後継者の座も弟のわたるに奪われてしまう。
それで儀式(つまりはえっち)の内容を濃くしたり、回数を増やしたりするのだが、なぜかためつものの豊は疲弊していく。
そこで定用は、ためつものを元気にする方法が書いてある文献を調べ、実行に移す…。

この、元気づける方法というのが、門外不出の古来の秘法…ではなくて、一緒に温泉に出かける、とか一緒に星空を見上げる、というようなデートマニュアルなのがちょっと笑える。昔の人も同じようなことで悩んでいたのか?w
真面目だけどムードもへったくれもない定用と、一応常識人の豊とのちょっととぼけたやりとりがいい。
エロは聖なる儀式という意味合いなのでエロくはなく、それよりも初めてキスをして気持ちよくてビックリ、というシーンに萌えが。
独特な雰囲気でスタートしたお話だったが、ラストは心が繋がることの大切さがしみじみと伝わる、いい作品。

4

冒頭の余韻にもっと浸りたかった

 明治先生の絵のタッチが存分に活かせる設定で、不思議さと神聖さと少しの笑いが絶妙に織り交ぜられた雰囲気が良かったです。目次を読んで短編集かと思いましたが、すべて繋がっていて1つの世界観を満喫できます。一番ページ数が多いのはやはり表題作で、反発し合っている豊と定用の物語。傲岸不遜な定用ですが、学校にも通っていなかったため世間知らずで、攻められたら脆そうなところが放っておけないと感じさせますよね。

 ただ、個人的にはもう少し素直な方が好みなので、私は表題作より冒頭の『土塊』や『雨敷』をもっと長く読んでみたかったなぁと。特に前者はとても短かったので逆に印象に残ったのかもしれませんが、覡としての孤独をただ静かに受け入れ続ける信の心情に、もっと寄り添ってみたかったです。結末の余韻を深く味わいたい話でした。『雨敷』でメインの定用の弟・わたるも兄とはまた違う強がり方が可愛かったですね。

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