電子限定おまけマンガ付
萩原アキオ、16歳、キングに恋をしました!
既刊「おさななじみに彼氏ができた話」に触れた際にも感じたのですが、導入時点で読み手の興味をぐいっと物語に惹きつける力がある作家さんだなあと思います。
あまり見たことがない切り口というか、既存の型にはまらない設定と話作りがおもしろいんですよね。
次はどんな展開になるのかを予想しながら、ページを次々とめくって追いかけたくなります。
個人的に、女性が多く登場するBL作品は、女性を作中でどのくらいの塩梅で動かすのかが鍵な気がしていて。
薄すぎても印象に残らず、かといって出張りすぎてもキャラクターの質によってはうるさく感じてしまうことも。
ただ、パース先生の作品に登場する、主役級になれそうな女性ってすごく魅力的なんですよ。
今作も主人公・秋央の姉の冬子がとてもよかった。
うーん、かっこいいです。好きですね。
姉と俺と先輩と…と、文字だけを並べてみると複雑そうに見える関係性だというのに、気がつくとなんだか自然とBLになっていて、その合間に家族や姉弟関係についてもさり気なく描かれているんです。
全体的に冬子の立ち位置が非常にうまく活きているなあと。
ついつい姉の冬子のことばかり書いてしまいましたが、秋央と義人のちょっぴりややこしい恋愛面に関しては、喜怒哀楽が激しい秋央はかわいらしかったけれど、萌えたかどうかと考えると微妙なところ。
上巻時点では探り合いというか…ぎこちのないシーソーゲームのような不安定さがありましたので、この上巻の結びを見ればやはり下巻に期待を膨らませたいです。
なかなか面白い相関図のBLで、下巻がどんな展開になるのかわくわくしています。男女を問わず容姿に恵まれたら、異性を落とすことがゲーム感覚で楽しく感じるというのもまあ分からなくはありません。自分のセンサーに引っかかった相手にはとりあず片端から自分に好意を抱かせたい、さほど珍しい感情でもないでしょう。冬子という女性を介して繋がったヨシトとアキオ。冬子の言葉で、アキオへの気持ちが変化したヨシト。私には最初からヨシトがアキオを冬子のおまけ的存在として見ているようには感じませんでしたが。BLじゃなかったとしても、アキオは今までヨシトの周りにいなかったタイプで、良い友人になれそうな気さえしました。どんなきっかけにしろ、ヨシトがアキオとのやりとりでゲーム以上の何かを得られるといいなと思います。
以前から気になっていたパース先生ですが本作が初読みです。こちら連載中に数話拝読して面白かったので単行本化を待っていました。あまりの面白さに上下巻一気読みしました!
上巻は電子で229ページ。(こちらは上巻のみのレビューです。以下少々ネタバレあります)
初っ端から秋央(アキオ)(受)の姉冬子と、その彼女のエッチシーンから始まります。この姉CPが結構な頻度で登場します。
かなりコミカルなギャグ漫画で、何度もクスクス笑ってしまう作風で面白いです。
秋央は美人の姉似で可愛いはずなのに、変顔が多過ぎるww
脇役の面々も個性的ですね。
ギャグだけでなく、アキオと冬子の父が幼い頃蒸発したというなかなか重い過去もあり、シリアスな側面もあって物語に深みを感じます。
初めは冬子を狙っている義人(ヨシト)(攻)は、女子にモテモテなだけにかなりのイケメン。ヨシトの顔好きだわ〜♡ でも人の弱点をついて自分に惚れされる(落とす)のを楽しんでいるクズです(;´Д`A
アキオはかっこいいヨシトに惹かれていき、あることをきっかけに恋に落ちてしまう。この落ちるシーンの描写が印象的ですね。ヨシトの手のひらの上、怖いな〜。
アキオの態度がわかりやすすぎて、ヨシトに気づかれ、ヨシトの狙いがアキオにシフト!アキオピンチ!
終盤は、アキオを落とそうとあの手この手で迫ってくるヨシトとそれに抵抗するアキオ、二人で繰り広げる恋のバトル!という感じですっごく面白かったです!
ラストの部室での話し合いシーンは、落とそうとするヨシトと拒否するアキオ、二人のバチバチなバトルにドキドキが止まりません!
特に「先輩のこと好きです」から最後までの数ページ、すっっごく良かった〜!本編読み終わって、天を仰ぎました…。しばらく心臓がバクバクしてました。そしてすぐに下巻も読み始めて寝不足になりましたw
想像していたよりもすごく刺さる作品でした!特にアキオがヨシトを好きなのに、絶対に認めないでキッパリ言い返すところ、読んでいてスカッとしました。からのあのラスト、良い!!
下巻もレビューします!
面白いと思える人も多くいるんだろうというのは分かる作品なのですが、自分はこれを面白がれないなぁ、と感じました。
打算的な先輩や理不尽な年長者の圧に鬱屈とした感覚を覚える事がしばしば読んでいるとありました。
重くならないようなコミカルさやライトな雰囲気はあるのですが、そういう空気感を生み出すための個性と言うか…我の強いキャラが多過ぎるように感じてしまい、少し疲れてしまいました。
デフォルメが激しいキャラが多くて気が散ってしまい、2人に集中し難かったです。
その上、肝心の2人も先輩は冬子(姉)の彼女から・アキオは先輩の同級生の女子友からナンヤカンヤ言われてるのも好きではなかったです。
2人が向き合う前に外野が口出しし過ぎてる感じがしました。。。
こんな困難そうな状況をどう乗り越えるのか、気になるので下巻を読みたいと思います。
エロス度☆
上巻。おやおや。通称キングと呼ばれるモテ男を好きになってしまうとは難儀なものですね。
義人と秋央が紡ぐ祝福の恋物語・・・開幕。
無謀に思われるような恋かと思いましたが、秋央のまっすぐでピュアすぎる恋心にハートが浄化されるようで、さらに秋央のリアクションの面白さにもほっこりとしました。
秋央の姉・冬子を攻略する足掛かりとして秋央に接近し、彼の脆い部分を突いて自分のもとに落とす義人の人の心を弄ぶやり方は度し難く感じながらも彼も自分では想定外の方向に恋が進んでいく様がとてもツボです。