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あらすじ

クロスノベルス創刊15周年記念小冊子「クロほん」が、待望の電子書籍化!
「てのなるほうへ」番外編

作品情報

作品名
てのなるほうへ【番外編】
著者
栗城偲 
イラスト
小椋ムク 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
シリーズ
てのなるほうへ
電子発売日
3.6

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(0)

萌々

(3)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
18
評価数
5
平均
3.6 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

仲間外れ



本編後、一緒に暮らし始めた草枕と巽ですが、今日の昼休みは草枕とお昼を一緒に食べる約束をしています。
昼休みを待ち遠しく思っていた巽の前にトマト妖怪が巽のデスクにやってきてなにやら訴えています。
何を言っているかわからない巽は草枕ならわかるだろうと待ち合わせの公園へ急ぐのですが、そこには一人の少年が草枕の隣に座っています。
少年は一つ目の少年でした。
少年が言うには、「母親は三つ目、父や兄は二つ目なのに自分だけ一つ目で仲間なのに仲間外れだ」と。

草枕も仲間外れの気持ちがわかるため慰めていたようですが、埒が明かず困っていたようです。
巽は昔の自分のようだと思い、慰めるのですが・・・
草枕は「仲間じゃないと言われた親の気持ちも考えろ」としまいには怒ってしまいます。

草枕は何故か焦ったように一つ目から離れようとするのを不思議に思っていると、一つ目が突然巽に「産んで!」と。
?となる巽ですが、一つ目は「もっと仲間が欲しい、草枕はのっぺらぼうで巽は二つ目だからきっと生まれてくる妖怪は一つ目だろう」「子供ができたらちょうだい」と。
巽は男だし子は産めないと言うのですが、妖怪だからありなのかと草枕に尋ねます
草枕は完全否定するのですが、「御簾裏は夫婦仲良く一緒の布団で寝たら生まれるって言った」と譲りません。
草枕と一つ目の言い争いが激しくなる中、当の御簾裏が現れて・・・

あきらめきれない一つ目はしつこく、いつ二人に子供が生まれるのかと御簾裏に尋ね、「責任もって本当のことを伝えろ」という草枕に御簾裏はひとこと、「そのうちな」と。


草枕と巽は二人でラブラブしたいのに、他の妖怪が邪魔をしにきてなかなか二人になれないのですが、長らく孤独だった草枕に親しくできる仲間ができたことを喜び、でも嫉妬してしまう巽です。
この二人ができるだけ長い幸せをと願わずにはいられません。
子供に関しては、なんでも実現させてしまう御簾裏が言うとシャレにならないのですが、本当のところはどうなのでしょうか。
最後に「今の冗談ですよね?」「知るか」とあっけにとられる二人が楽しかったです。
本当に生まれたらどんな子でしょうか。ちょっと楽しみです。

3

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