不器用な皇帝α×家事能力パーフェクトな庶民派Ωのシンデレラストーリー!

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表題作庶民派オメガと皇帝アルファ

イユリ・ヤシャ,38歳,有能だが無表情の皇帝,α
オーリ・サドン,16歳,皇帝の嫁候補の下級貴族,Ω

その他の収録作品

  • 番外編《ベッドでのイチャ悶着》
  • 番外編《発情日の淫らな2人》
  • 番外編《空腹と本発情》
  • 番外編《拗ねる皇帝、宥める皇后》
  • 番外編《ハロンの可愛さ、大爆発》
  • 番外編《なぜそうなる?》
  • 番外編《おねだりとデート》
  • あとがき

あらすじ

神託により皇帝の嫁候補として後宮に招聘された下級貴族でオメガのオーリ。皇帝が来ることもなく気ままに後宮ライフを送っていたが、ある日庭で無表情で愛想のない美青年と出会う。ひょんなことから彼に手料理を振る舞うことになるが、ごく庶民的なそれに一々感動する青年のピュアで不器用な優しさに、オーリは心惹かれていく。しかし彼との出会いが、後宮に波乱を巻き起こすことになり…!?

作品情報

作品名
庶民派オメガと皇帝アルファ
著者
佐倉チヨ 
イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
Ruby collection
発売日
ISBN
9784041088357
2.5

(22)

(2)

萌々

(5)

(6)

中立

(0)

趣味じゃない

(9)

レビュー数
5
得点
48
評価数
22
平均
2.5 / 5
神率
9.1%

レビュー投稿数5

三食昼寝付きののんびり生活のはずが・・・

今回は冷酷無比と噂の皇帝と妃候補となる下級貴族の青年のお話です。

神託によって花嫁候補として後宮入りした受様が攻の伴侶となるまで
とその後の後日談SSを多数収録。

受様は下級貴族の準男爵家の後継で長男として生まれますが、受様は
突然変異のオメガだったのです。アルファの両親は受様に惜しみない
愛情を注いで育ててくれ、受様も2人の子供に生まれたことを誇りに
思い、勉学に励んでいます。

貴族はほぼアルファなため、受様は常に周りから可哀そうな目で見ら
れたり、両親は貴族の恥等と罵られたりする事もあり、自分がベータ
だったらまだ嫌な思いもさせなかったのにと思う事もあります。

なにより自分の代で男爵家が絶える事を申し訳なく思っていましたが
受様の父は先祖がまたまたもらった爵位だからと受様が衣食住に困ら
なければ無問題と大らかに構えてくれています。

そんな受様に妃候補として後宮に入るようにという書状が届きます。
なんでも新刊の神託によって「16才の貴族の子供を期間限定で後宮に
住まわせる」そうで、なかなか結婚しない皇帝にしびれを切らした
側近たちの発案のようです。

この国の皇帝陛下は現在38才のノーブル・アルファですが、貴族とは
いいえ、下級でオメガな受様には雲の上過ぎて全く興味もありません。
しかしながら対象者は受様を始めたった3名で断るなどもっての外。

他の2名は上流貴族のアルファで、皇帝本人は巷の噂では残酷、冷酷、
非道、無慈悲な暴君と囁かれている人物と言われているのです。

渋々ながらも父の手前と大本命がいるならと、2ケ月間三食昼寝付き
の贅沢な暮らしを楽しもうと呼び出しに応じた受様でしたが、あまり
にも暇すぎる後宮生活に1週間で飽き飽きしてしまいます。

家では家事をしながら学問所や図書館に通っていて時間が足りない
くらいでしたが、皇帝が訪れる気配もないのはけっこうですが、この
ままの生活を続けていたら帰る頃には恐ろしいことになりそうです。

後宮内で自由に出歩く許可は得ていたので庭園に出てみる事にします。
目の前の薔薇を飾るよりもジャムにしたいという思いつつ、蜜の美味
しい花を見つけてほくほくと味見をしていた受様でしたが、突然背後
から落ち着いて渋い男の声がしてびっくりしてしまいます。

振り返ると詰襟の制服っぽい服装の30代くらいの美丈夫が数歩先に
立っていて受様が何をしているのかを誰何してきますが、ニコリとも
しない無表情です。この男性こそが今回の攻様になります♪

攻様は長身長にムキムキな体格、整った容貌と神が造り錫た最高傑作
なのに、笑顔がないのが非常に残念!!とボーと見ていた受様ですが、
食べられる花や野菜畑や果物の樹について鼻息荒く説明する受様に
目を細めて微笑む様に、受様は胸がキュンとしてしまいます。

そんな流れで受様が料理をする事を知った攻様は好物であるクファを
作ってくれないかと頼んできます。込み入った事情で行きつけの店に
いけすじまいで夢にまで見ているというのです。

受様は得意料理の1つだと快諾し、以来暇に任せて攻様にいろいろと
手料理を食べさせることになります。攻様も徐々に笑顔が増えてきて
受様は攻様の訪れを楽しみにするようになります。

そんなある日、受様の他の妃候補2名が突然押しかけてきます。2人
は受様を皇帝をたぶらかしたと阿婆擦れと罵りますが、受様には
何のことかさっぱりです。

すると2人は受様の元を訪れる攻様こそが皇帝だと詰め寄るのです!!
その上、その場に攻様が現れて!?

WEB小説サイト「ムーンライトノベルズ」にて連載されたWeb小説
の書籍化で、運命のツガイ以外との結婚を渋る攻様に下った神託で
妃候補となった受様のオメガバース版シンデレラストーリーです♪

この直後、受様はオメガの発情期に突入して攻様とイタしてしまい、
益々攻様は受様を唯一の妃にと望むようになるのです。ソレによって
他の妃候補が暴挙に出、受様が大変な目に合ってしまいます。

しかしそれで受様も自分が攻様を好いている事に気付く事になります
し、それまでに攻様にあまり良い見せ場がないので、その事件によっ
て一気に盛り上がり、2人がまとまるまで楽しく読ませて頂きました。

攻様が運命のツガイを信じて縁談にも見向きもせず長く独身でいる事、
信託でははっきりと攻様の相手がわからず3人の候補が選ばれる事、
攻様が感情表現に乏しく無慈悲な暴君と囁かれている事、
受様が下級貴族な上に庶民感覚でさっぱりした性格の人である事、
他の妃候補が高飛車な姫と腹黒ボンボンである事等々

キャラクターの絡ませ方とオメガバース設定にもちょっと独特な感性
が光るお話でした (^-^)

後日談のSSがたくさん読めたのもすごく良かったです。特に今回は
お子ちゃまが生まれているので、子育て関係のSSとか、いろいろな
短編が読めて楽しかったです。

尚も本作は受様視点で進むのですが、主文が受様の性格がそのまま
現れたくだけた話し言葉なのも特徴的です。コミックスではたまに
見かけますけれど、商業小説としてはかなり珍しいです。

私は読みやすくて面白かったですが、好き嫌いがある文章(文体?)な
ので気になる方はルビー文庫HPにて試し読みして下さいませ。

今回は王宮オメガバースより小中大豆さん『盗賊王の溺愛花嫁』を
おススメとします。運命の番のとらえ方、描かれ方が素敵です♪

5

運命のつがいに対する激甘な皇帝が楽しい


神託によって、皇妃候補として後宮に召集された下級貴族でオメガのオーリ(受け)が、皇帝と知らずに知り合ったアルファのイユリ(攻め)と親しくなりつがいになるまでの本編と、その後の短編複数。


知らずに知り合った人が婚約者候補というのはよくある展開ではありますが、オーリの性格がサバサバしていて明るく前向きなので楽しく読めました。
そして、イユリは身分を隠していた時は普通に接していたけど、バレてからは全く周りも気にせず溺愛する姿は楽しかったです。

貴族は全員アルファという中でオメガなので、両親が周りに貶められたりしているのを見たり直接言われたりして、卑屈になったり消極的になってもおかしくなかったけど、両親から惜しみなく愛情を貰ってまっすぐ育ったオーリは読んでいて清々しいです。

後宮生活はイユリとの楽しいことばかりではなく、他の候補二人に貶められたり命の危険に晒されるなどの困難もありましたが、読み終わってから印象に残っているのはイユリの溺愛ぶりでした。

皇后になることにびびってなかなかウンと言わないオーリがやっと頷いて、2人がつがいとして生きていくと決めてから、結婚の許しを貰いに来たイユリに対して、オーリのことだけを心配して、反対表明するオーリお父さんもとっても良かった。
こんなお父さんに育てられたからオーリはこんなにいい子に育ったんだと思わせてくれました。

そして、その後に短編も楽しかったです。
時系列はちょっとばらけていたけれど、結婚後のさらにゲロ甘な話に2人の宝物の話、彼らのその後が読めたのも良かったです。


難を言えば、オメガバースの世界の説明が欲しかった。
一概にオメガバースと言っても、それぞれ話の中で微妙に違いまうすね。
今回は皇帝イユリがアルファの上位種ノーブル・アルファでしたが、どのような特徴があったのでしょうか。
匂いを追ったり、運命のつがいの赤い糸が見えたり、結界を張ったりすると超能力のようなものも使えるようですが、割合的にはどのくらいなのかとか、もう少し説明が欲しかったです。
また、この世界でのオメガの地位はどんな感じだったのでしょうか。
候補者2人はオメガを貶めるような発言をしていたし、オーリも結婚は諦めていると始めに言っていたのでひどく蔑まれているのではと感じましたが、イユリも側近たちもオーリのことをそんな目で見てなかったし、その辺りの人々の考え方も知りたかった。
あと、婚約者候補にアルファの男性がいましたが、それは何故だったのか。
この国は同性婚もありなのでしょうか。
もう少し世界観の説明があれば良かったのではないかと思いました。


とはいえ、細かいことを気にしなければ楽しい話でした。

3

WEB小説って感じだった

うーん。面白かったけど、文章に慣れるまではかなり時間がかかりました。
受けの目線で進むんですが、まぁうるさい心の内をずっと聞かされている感じです。
作者も書き慣れてない感じがしました。このまま進んだら挫折しそうって思いました。文章の上手い作家さんなら半分で終わるような作品です。後半の文章はこなれてきて読みやすかったです。

初めて2人がセックスするシーンも色気は無いし、攻めのあそこを擦りこぎ棒に例えるセンスが酷かったです。笑。


ただWEB小説らしい勢いはありました。

7

爆笑わんこ

きょう先生の挿絵目当てで購入。web小説らしいお話ですが少し慣れたのと、庶民派オメガが面白かったので萌2よりの萌にしました。本編230Pほど+番外編7編+あとがき。オメガバースは王道設定にアルファの特殊能力少々ありでした。コメディよりなお話がお好きな方でしたらよいのでは。

下級貴族のオメガなのに、神託に従って妃候補として後宮に行くことになったオーリ。しぶしぶ行ってはみたものの皇帝陛下が訪ねてくるわけでもなく、平穏な日々を過ごしていたところ、ある日後宮の庭でイケメンに出会います。庭の花や野菜で料理が作れる話をしていたら、大好物のクファを作ってくれないかと言い出し・・・ と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
ソウエ(オーリの側仕え)、ミルカ(♀、妃候補)、ベリュマ(♂、妃候補)、モー(攻めの飼い犬)、後半にハロン(♂、赤子)といったところでしょうか。

**面白かったところ等

まず受け。皇帝に対して、なんてまあ不遜な態度!皇帝と分かる前ならいざ知らず、分かってからも(皇帝自身からの嘆願もあったとは言え)「はあ?人の話、聞いてた?!」「このヘタレ!ぶきっちょ皇帝!」とまあ言いたい放題。最初っから最後まで、この調子で、脳内思考もこの言い回しで言いたい放題なのを書き連ねているので、くすくす笑いっぱなしです。性格も竹を割ったようなさっぱりしたもので、ちっともぐずぐずしてなくて、良かったです。

かたや攻め。時に冷酷な判断を下すイケメンらしいのですが、受けの前ではただのヘタレわんこ。めっちゃ可愛い。初めて恋したオーリにメロメロなのですが、冷静にひたすらメロメロなので面白い。20歳以上、歳が離れているのに、オーリの尻にめっちゃ敷かれている感じです。戦闘シーンなんかはないので、きりっとカッコよい記述がたっぷりある訳もなく、ただただベタぼれな故にヘタレっている可愛いワンコでした。そしてジェントルよりです!

モーは喋る訳でもなく、そんなに絡んでこないし、ちょっとした事件はあるもののド派手な内紛ではなく、二人の漫才しているところを読んでいるような印象でした。そのためちょっと長いなあと中だるみを感じたところもありましたが、キャラが面白く好きなタイプだったので、読んでとても楽しかったです!
web発小説らしいお話ではありますが、コメディよりでさっぱりした性格の受けが好きな方でしたら、おススメしようと思う一冊でした!

5

後宮で花を摘んで食べる受け(笑)

北沢きょう先生のイラストに惹かれて購入。
初読みの作家さまです。

あらすじは他レビュアーさまが詳しく解説して下さっていますので割愛致します。
下級貴族の身分でありながらも、庶民的な考え・行動の持ち主である突然変異オメガのオーリ(受け)と、アルファの中でも上級にあたるノーブル・アルファの皇帝イユリ(攻め)が後宮で出会い、くっ付くまで…というシンデレラストーリーのようなお話です。


終始コミカルなオメガバースもので、受けであるオーリ視点の口語体のようなもので物語が展開されていくのですが…どうにも文体にクセがあり……

"○○!!" "○○○ーーーーー!!" "○○○。"

のような、口語体といっても本当に話し言葉そのまま・セリフとほぼ変わりがないまま綴られているのです。
小説というよりも、漫画のセリフとモノローグ部分をそのまま文字にしたように感じてしまい、終始わめいている受けに最後まで慣れず…
ベッドシーンでもこの感じなので、どうにも萌えきれませんでした。
好みの問題ですので、こちらの文体の方がお好きな方やWeb発小説を読み慣れていらっしゃる方は読みやすいのかな?と思います。


以下、良かったところ。
オーリがとてもさっぱりとした性格なので、途中で一悶着があったりもするのですが、あまり暗くなりすぎず最後まで明るい雰囲気のまま読めます。
後宮での生活が暇すぎて花の蜜を食べ始める受けにクスッとなりました(笑)
イユリはややおおらかな気性で、オーリの事が好きで仕方がない!という溺愛っぷりが滲み出ているとても紳士な攻めでした。
オーリの前ではベタ甘ながらも、それ以外の場面では冷酷な部分もちらほらと垣間見えるギャップが良いですね。
オーリの作る手料理を嬉しそうに食べたりと、どちらかというと攻めのイユリが可愛らしかったです。
皇帝相手にも構わずキャンキャンと言いたい放題のオーリと、それをベタ惚れがゆえに(?)大人の余裕で鷹揚に受け止めるイユリ。
2人のコミカルなやり取りは本編・番外編でもたっぷりと楽しめるかと思います。
脇を固めるキャラクターも魅力的なキャラクターが多かったです。
個人的には、突然変異でオメガになってしまった息子を蔑ろにせず、とても愛情深く大切に育てたオーリの父親が好きです!


中立寄りの萌というやや辛口のレビューとなってしまいましたが、独自のオメガバース設定・コメディ寄り・甘々な雰囲気・溺愛攻め・二面性のある攻め・明るくさっぱりとした受けがお好きな方におすすめの作品です。

5

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