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表題作帝王の不埒な愛玩

伊勢谷凱成,借金返済で多喜が働くカジノオーナー
秋川多喜,生まれた時から不運続きの大学生

その他の収録作品

  • 昼は健全なデートをしよう
  • あとがき

あらすじ

身に覚えのない借金のせいで、地下カジノで働くことになった大学生の多喜。見てはいけない場面を目撃し、ポーカーの景品にされてしまう! 自らゲームに参加するが、カジノのオーナー・伊勢谷に負け、「おまえは俺のモノだ」と宣言される。支配者のオーラを持つ彼に仕え、24時間尽くすことになり不安を抱く多喜だが、他愛のない会話や、触れられる手の心地よさを知り、次第に惹かれていき――。

作品情報

作品名
帝王の不埒な愛玩
著者
真崎ひかる 
イラスト
國沢智 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
ISBN
9784866573182
2.7

(8)

(0)

萌々

(1)

(4)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
19
評価数
8
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

不運な人生が逆転する時

今回は話題の飲食店から違法カジノまで営む実業家と
厄病神が付く家系に生まれて不運続きの大学生のお話です。

バイト先で攻様に気に入られた受様が攻様の恋人になるまでと
恋人になってからの後日談短編を収録。

受様の父の家系は多少の違いは有れど皆が「ツイていない」人生を送
っている運の悪い家系です。特に直系の長男に顕著な影響が現れると
言われ、親戚筋では御先祖が厄病神に憑かれていたのが原因と実しや
かに語られるほどです。

受様も生まれた日は100年に1度の大雪、退院時には大規模な事故渋滞
に見舞われ、ベビー用品は悉く製品不備でリコール対象、小学校の遠足
は6年間全て雨、中学では接触事故や落下事故に巻き込まれて怪我や生
傷が絶えない毎日でした。

高校を卒業する直前、父は連帯保証人となった幼馴染の借金を負い、妻
子の護るためにと離婚と自己破産を選択、高収入を謳う遠洋漁船に乗り、
母は妹を連れて地方の実家へ、受様は進学で都心にと一家離散状態にな
ります。

幸いにも受様は給付型の奨学金で大学には通えるため、バイトをしな
がら安アパートで独り暮しをしていますが、その飲食店も本日「無期限
の休業」を知らせる紙が閉めたシャッター張られていました。どうやら
夜逃げしたようです。

それでも次は容易く倒産しないようなバイトを見つけようと前向きな
気分でいた受様でしたが、どう見ても堅木でない男がアパートにやっ
てきて身に覚えのない500万もの借用書を突きつけられてしまいます。

受様は話など聞く気もない男達によって借金分稼げと(彼ら曰くの)合法
カジノに放り込まれてしまいます。しかも受様の借金額は利息や延滞
金やその他諸々で3倍にまでなっていて戦々恐々としつつも、不幸体質
故に1週間もするとそこそこ慣れてしまいます。

しかしそんな慣れが受様を窮地に追い込むのです。受様は地下に隠され
ていた秘密のお楽しみ部屋に迷い込んでしまい、違法カジノの景品にさ
れてしまうのです!!

そこで受様を手に入れたのが怖いほどに整った容貌で支配者のオーラ
を放つ、このカジノのオーナーでした。このオーナーこそ今回の攻様に
なります♪

勝負に勝った攻様は受様を「俺のモノだ」と言ってゲーム台の並ぶフロ
アの奥の部屋へと連れています。そしてそこに佇む攻様の秘書だという
端整な美形に「気に入った」から「教育は任せた」と言い放つのです。

果たして攻様のモノになった受様の未来は如何に!?

生まれた時から不運続きな受様が負わされた借返済バイトでであった
強運な俺様実業家に気に入られて絡めとられるまでのラブコメディに
なります♪

面白い事が大好きなワンマンオーナーと彼に気に入られてしまった生
真面目な大学生が今までの人生を一変させられるというストーリーは
実に真崎先生らしい設定でMYツボで楽しかったです♪

受様は借金取りのせいでアパートも追い出されていたので、攻様の家
のハウスキーパーとペットシッターをさせられることになります。

攻様は2頭のアラスカンマラミュートの飼い主で、うち1頭がなかなか
シッターを受け付けず困っていたのです。秘書は自分が請け負ってい
た攻様宅の家事からぺットの世話までを受様に引継ぎますが、教育方
針はスパルタで受様は厳しく指導される事となるのです。

受様はハウスキーパーとペットシッター、借金返済のためのカジノの
ボーイ仕事と多忙な日々を送るようになりますが、攻様は受様に寛容
で2頭の犬たちが攻様を慕う様子からも受様は徐々に攻様が俺様な暴君
なだけではないと感じるようになります。

徐々に近づいていく2人ですが、そんな中秘書が不穏な動きをし始める
のです!! 攻様の参謀役である秘書氏の裏切りを知った受様がどう動く
のか!? 秘書氏の動向と2人の恋の行方をワクワクしながら楽しく読ま
せて頂きました。

違法カジノの経営者とその片腕なので、実際のお仕事はかなりあくど
いのかもしれませんが、背景にダークな雰囲気は見えつつも受様の見
えるところでは手を下さないので表面的には闇は感じず、さらっと読
めました。

2頭のアラスカンマラミュートの絡むシーンはほっこり和み系♡

0

帝王?

先生買いしたものの。帝王という設定である攻めの帝王感があんまり感じられず、さらっと読んでしまったので中立です。本編190Pほど+後日談20Pほど+あとがき。

生まれた瞬間から疫病神に憑かれていたとしか思えない運勢の多喜(たき)。家系で直系の長男に特に色濃く不運さが出るとのこと、多喜も一家離散、アルバイトでなんとか大学に通ってはいるものの、アルバイト先が夜逃げしたため、かなりの貧乏。おまけに他人の借金を押し付けられて、怪しげなカジノもどきな所でアルバイトさせられることになり・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
田倉(攻めの秘書、クールスパルタ)、シリウス、リゲル(攻めの飼うアラスカンマラミュート、しゃべらない)、あとは雑魚。

++攻め受けについて

攻めさんの帝王感をもうちょっと感じたかったです。というのも田倉がびしびし取り仕切っている感が強く、攻めさんの出来る!を感じる部分が少なかったような。
もうちょっと愛嬌のある人たらし感や、スーパー根回し圧力ごりごり感を感じるシーンがあると、もっと嬉しかったんですが。

受けさんは人生たまんねーなという疫病神度合いで、気の毒っちゃ気の毒ですが、気の強い&人生達観している感に萌えるかといわれると今一つ萌える感じがなく。

犬も可愛いですが小道具という扱いから逸脱して、超可愛い!!!と感じるまでには至らず。

と、どれもこれも個人的萌ポイントをヒットしなかったです、先生すいません。
サドより田倉は面白いかもと思ったんですけど。残念。

2

多喜の生まれついての不運設定って必要だったのだろうか?(-_-;)

2020年刊。
真崎さんは多作な中でも自分のツボに嵌る作品があればと手探り中の作家さんだ。
また、ラヴァーズ文庫外で國沢さんの挿絵を初めて見かける嬉しさもあったのだが…

そもそも、多喜の生まれついての不運設定って必要だったのだろうか?
最初のたった数ページで多喜一家のお人好しの範疇を越えた考え方(騙すより騙されるほうがいいってくだり)には引いてしまった。
多喜も大学内で身分証明書を盗まれた末に、嫌がらせ目的の成りすましに多額の借金を背負わされて、闇金業者から取り立てに遭うって…(-_-;)
普通ならこの時点でオレオレ詐欺並みにおかしいと気付くはずだが、多喜はいつもの不運と諦めて黙々と借金返済に励んでいる。
まぁ多喜がおかしいと気付かなかったから、その後地下カジノで伊勢谷、田倉に出逢う展開に繋がる訳だが…

理不尽な借金を背負う受けに、身体を使って返済させようと目論む攻めってシチュエーションの話なら他に幾つかあるが、今回の伊勢谷は最後まで多喜に手出ししない点は素晴らしい。
おまけに、多喜が地下カジノで他の客が手出ししないようにとガードを固め、彼の超大型犬二頭の面倒と食事の準備を任せてクリーンな借金返済の管理をしている。
伊勢谷は全く威張り散らす事なくバー・クラブ経営をこなす日々で真っ当な性格で、愛犬家な一面が協調されている。
なので、せっかく夜の世界が舞台になっているのに『帝王攻め』に期待すると拍子抜けしてしまうと思う。

脇役の田倉は始終仕切り上手だったし、超大型犬のシリウスとリゲルにも和んだ。
しかし、多喜の不運続きは何だったんだろうねと振り返っても有耶無耶になってしまう辺り、やっぱ必要なかったのよ。
いっその事、愛犬絡みのペットシッター、ハウスキーパーの話のほうが良かった気がする。

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