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表題作氷の勇者は恋に泣く

ライリー
28歳
イリヤ
16歳

その他の収録作品

  • 番外編

あらすじ

平凡な酒場の次男・イリヤには、貧しい村の孤児院で天使のように可愛らしい幼馴染・ライリーと一緒に、魔王を倒すために修業をしていた記憶がある。だが、勇者の存在を知った魔族が村を襲撃したため、イリヤはライリーの身代わりとなって死んでしまったのだ。一方、成長したライリーは、イリヤを失ってしまった後、感情が抜け落ちて常に無表情になり「氷の勇者」と呼ばれていた。魔王への復讐を果たすためだけに生きていたライリーだったが、転生したイリヤと再会して――?

作品情報

作品名
氷の勇者は恋に泣く
著者
桃瀬わさび 
イラスト
アヒル森下 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
ルビー文庫:D
電子発売日
4.1

(40)

(21)

萌々

(10)

(5)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
6
得点
162
評価数
40
平均
4.1 / 5
神率
52.5%

レビュー投稿数6

設定はめちゃくちゃ好きなやつ

愛する人を失くした男が、その転生者に執着するという、設定がめちゃくちゃツボな作品。再びいなくなることを恐れてべったり監視状態だったり、お互いに相手を守るためなら命をも惜しまない姿勢が良い。
ただストーリーが同じところに留まり続ける感じで、盛り上がり切れなかった。

幼馴染みのライリーを守るために魔物と闘い、命を落としてしまったアレン。その後ライリーはアレンと名乗り、勇者として魔王を倒しながらも、自身は死んだように生きていた。

そんなライリーがアレンの転生者イリヤと出会い、アレンの生まれ変わりと認識し、執着するまでがあまりに早くてびっくり。イリヤの方も普通にアレンとして振る舞っており、再会に情緒がない。

ストーリーは、かつての魔物の襲撃や魔王討伐のシーンを、複数の視点で何度もなぞる感じで、なかなか新エピソードが進まない。勇者誕生の秘密や予言の過去話はとても面白かった。

一応の山場は、イリヤが誘拐されたところだと思うが、敵は雑魚ばかりで過去の敵を超えてこない。しかもライリーが助けにきたシーン、敵を惨殺中にイリヤがツッコミを入れて即転移ってアリなの?それですぐいちゃいちゃモードに切り替えられても、ついていけない。ここは悪い意味でびっくりした。

個々のエピソードの面白さや、キャラクターの魅力はあると思う。でも描かれているのは、半分のページ数で十分な内容しかない気がする。過去の大きな出来事を何度も擦り倒して無理矢理膨らまそうとしているようで、ちょっと苦しい。

ここはもう少し盛り上げて欲しかったな、というシーンがさらっと流れ、ここの描写何回繰り返すのかな、と飽きるシーンがあったりと、微妙に合わない。同一シーンを別視点から描く際は、新情報を付加して飽きさせない工夫が欲しいと思った。

0

ラノベ感の強い文章が平気だったら是非!

口語文っていうのかな?大昔に読んでたティーンズ文庫を思い出させる文章でした。それが苦手!って口コミも少し見かけましたが、気持ちは分からんでもない!
ただ、そこさえ苦にならなければとても面白いです。

幼馴染ものであると思うんですが、幼い頃のどこまでも純度(透度)の高い想いが、残酷な運命に歪められてしまう。
消えた者と残された者とに分けられて、だからこそ互いが互いを傷つけた事に苦しむ姿が良きでした。前半部分の、そういった贖罪の気持ちや慟哭が読み手の感情をグサグサ刺してくるのが読んでとても楽しかった。
後半部分は落差がすごい程の甘々展開でしたが、前半が辛い分だけ後半の甘さに口角が緩む緩む…
いやー、魔法のそんな斬新な使い方があるんすねー。笑
って、変な意味で感心しました!

残酷な設定や歪んでしまった勇者様に対して、受がどこまでも強いです。
芯が強い。どんな圧力にも歪まないんじゃないのかな?って思わせるような強さが良かった。

全体的に対比がくっきりとしていて、それがまたこの作品の良さだと思います。

2

「めでたし、めでたし」のその先は、勇者にとって幸せなのか

辛い描写も多々ありましたが、優しく満たされるラストで心から「読んで良かった!」と思える一冊でした。

——大切な人を失った勇者が復讐を誓い、無事ラスボス討伐に成功しましたとさ。めでたし、めでたし——
は、よく見る展開ですが、現実には勇者の背負う宿命や、大切な人を失った心の傷は途轍も無く深い訳で……。
そんな深い傷を負った勇者は、本当に幸せになれるのか?をテーマに、魔王討伐のその後を描いた作品です。

一人称視点で全体的にライトな語り口ですが、内容はなかなかにシリアス。
ライリーが背負う「勇者」の宿命が辛く、最愛の幼馴染・アレンを喪った悲しさや、日々が虚ろいでいく様子がヒシヒシと伝わってきて胸が締め付けられました。
仇である魔族への復讐に身を投じ、「天使のようだ」と言われていたライリーが無表情で感情の欠落した“氷の勇者”になっていく過程が本当に辛い。

魔王討伐後、アレンが眠る故郷へ戻り自ら死を選択するライリー。
そんなライリーが偶然にもアレンの生まれ変わりである少年・イリヤと出会い、運命が変わり始めます。

そんな訳で、イリヤへの執着度合いが半端ない……!!!
ライリーの知らないイリヤの過去に嫉妬したり、2度と失わないよう片時も側から離れなかったり、誰も知らない場所にイリヤを閉じ込めたいと願ったり……
もう、立派なヤンデレです!!!!不謹慎ながら、不安で必死なライリーに萌えてしまった…(すみません)
【トラウマからの執着系ヤンデレ攻め】大好き

自分が死んだせいで、ライリーを追い込んだ事に悩むイリヤ(アレン)ですが、イリヤの陽だまりのような温かさでライリーの凍てついた心がゆっくり溶けていく様子に胸が熱くなりました。

前半はシリアスで重めですが、後半はライリーの過保護な溺愛っぷりで甘々!
ライリーのタガが外れ、欲望のままイリヤを求める野獣感が堪りません。
そして、普段は大人びたイリヤも年相応に純粋無垢でライリーに翻弄されてしまうギャップが可愛い…!
中見は同い年ですが、“28歳×16歳”の歳の差と体格差を存分に堪能できる濡れ場にキュンとしました♡

過酷な運命に晒された2人だからこそ、明るい未来を感じるラストに幸福感もひとしおです。
「めでたし、めでたし」のその先で、勇者が本当に幸せになる迄を、是非ご堪能ください。

※イラストは表紙のみで挿絵なし

5

男前受けが攻めをまるごと包み込む!

俺のライリー!

元アレンことイリヤがとっても男前ですね!
ライリーを守って守り抜いて。
貧しくギリギリの暮らしの中で二人で寄り添い楽しく生きてきて。

ライリーの苦しみはどれほどのものだったか。あんなに優しかったライリーが氷の勇者になって…。

アレンが酒屋の次男イリヤとして転生して、アレンを名乗るライリーと再会出来て!

もう離さない!!!
少しずつ表情を取り戻していくライリー、何度もイリヤに救われるライリー、イリヤを自分のものにしたくて堪らないライリー。
そんなライリーの心を引っ張りあげてくれるイリヤ。

心も体もニコイチですね。あるべきところにやっと戻って。

ライリーがひとまわりも年上で体格差もすごくて勇者なのに、イリヤの前ではヘタレ?ワンコ?になってしまうのがとっても可愛かったです。
勇者は二人ですね。

1

ネタバレを含みます。レビューが突き刺さった方には読んで頂きたいです。

ネタバレを含みます。

神のお告げ『金髪紅眼の勇者アレンがトボルの村の孤児院にいる』
地図にも載らない辺境の村トボル。
そこに居たのは10歳の「金髪紅眼のライリー」と「茶髪に茶色い瞳のアレン」の2人だった。

冬が厳しく貧しいけれど、平和な小さな村に突如現れた魔物。勇敢に立ち向かいライリーを守って死んだ12歳のアレンと、アレンに守られて自分自身の弱さへの後悔と魔物への憎しみしかないライリー。
ライリーはアレンの勇敢さを伝えたくて自らの名前を捨てアレンと名乗り「勇者アレン」が生まれてしまった…。

そんなライリーが28歳になり魔王達を倒した後、アレンの生まれ変わりと名乗るイリヤと出会い、
この物語は動き出します。

アレンを失った16年間、心が凍ったままのライリーをゆっくりと癒して溶かしていくにはどうすれば良いかを考える16歳のイリヤ。

イリヤ(アレン)が最高に男前な性格です!
ファンタジー系のRPGがお好きな方には、きっと突き刺さるお話しです。

どうか、あなたの目で、氷が溶ける時を読んで感じて頂きたい1冊です。
追伸 私はケネスさんがすごく好きになりました。
是非、2巡目はケネスさんの立場でもう1度読んで頂きたいです。
最後になりましたが、多大に加筆された文章が繊細にそして生々しく語ってきます。オススメです!

5

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