孤高の竜騎士×竜を惹きつける体質の青年の、ファンタジーラブ

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表題作竜騎士は最愛を捧げる

アルヴィン・ユールドベック
26歳,騎士団隊長
リク
22歳,竜を惹きつける「竜殺し」の一族の青年

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

竜を惹きつける匂いを持つために「竜殺し」と呼ばれる一族に生まれたリクは、病に倒れた母親を助けるために「竜狩り」に加担する。だが竜の傷つく姿を目の当たりにし罪悪感にかられたリクは、竜の国に助けを呼びに行くことを決め、そこで騎士団隊長のアルヴィンに出会う。母を看取れなかった後悔や孤独感から涙が溢れるリクに「自分を否定して、傷ついて泣くな」とアルヴィンは優しく受け止めてくれるが、アルヴィンに自身の出自を告白できないまま故郷に戻ることになり…?

作品情報

作品名
竜騎士は最愛を捧げる
著者
佐竹笙 
イラスト
八千代ハル 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784041092323
4.1

(72)

(34)

萌々

(19)

(14)

中立

(4)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
10
得点
292
評価数
72
平均
4.1 / 5
神率
47.2%

レビュー投稿数10

褒められると調子に乗る竜騎士様

キャラ設定やストーリー、凝ったエピソードなど、さすがと思わせる作品。ただ恋愛的な盛り上がりを打ち消すタイミングでの視点変更や、子供絡みのあれこれに引っかかるところがあり、あまり楽しめなかった。

メイン二人はとても好き。主人公のリクは言葉が拙く、セリフだけだと子供みたいな印象を受けるが、目的を果たすための行動と考えはしっかりしている。素直で鈍く、世間ずれしていないのは生い立ちから納得できる。

アルヴィンは出会った瞬間からリクに甘々。普段はお堅く厳しいらしいので、そういう姿とのギャップも見たかったが、リク視点だと常に甘々。褒め言葉のおかわりをねだったり、分かりやすく嫉妬したり、好きアピールが激しい。

だがリクの一族が同胞を殺していたと聞き、アルヴィンはリクを拒絶する。その時のセリフが「生理的に無理」は違和感。こういうときに使う言葉なのかな。

そしてリクが深く傷付いたこのタイミングでアルヴィン視点に移る。すぐにアルヴィンの気持ちが分かり、良く言えばストレスフリー。でもこういうアルヴィンの感情を知らないリクが何を考えどう過ごしているかの方が気になる。

ここまでずっとリクを追ってきたのだから、リクが一番辛いであろうときこそ様子を知りたかったし、気持ちにシンクロしたかった。
先にアルヴィンが出した答えを知ってしまうと、その後に語られるリクの心情を読んでも、リクと同じだけの辛さを感じられない。大丈夫なのが分かっているから、ハラハラもない。

ストーリー的に仕方なくても、せめて先にリクの心理描写を入れてからの視点変更とか、上手いやり方で描いて欲しかったと思う。

節々で思ったのは、知能の低い子も個性として社会で育てましょうっていうメッセージを入れ込んでいるのかな、ということ。たまに説教臭く感じるところもあり、ちょっと疲れた。たぶん読み返さない作品。

0

壮大なお話

竜殺しの一族であるリクが騎士団隊長のアルヴィンに出会うところから始まります。

竜狩りに加担したリクが自身の罪を償おうと頑張る姿が健気で好感が持てました。
アルヴィンがリクの体質に惹かれたのではなく、リク自身に惹かれたのだと自覚するところは良かったです。
二人の恋の行方に国の行く末までついてくる壮大なお話でした。

しかし、竜狩りに捕らえられた竜を救うまでにかなりの日数がかかるので大丈夫なの?と心配になってしまいました。
アルヴィンがリクに酷いことを言ったのにリクがあっさりと許してしまうので、それで許せちゃうのかとモヤモヤが残ります。

子供がたくさん出来て幸せなハッピーエンドでしたが、これから内乱が起こらないよね?と気がかりです。
平和になった世界で仲良く暮らす二人が見たかったです。

0

匂いを嗅いで「ふぁ…いい」ってなっちゃう溺愛攻め

二日前に佐竹笙先生の『有翼の騎士の一途な求愛』を読んでどハマりし、先生の作品をまとめて購入( *´꒳`* )

あらすじは他の方が丁寧に書いてくださっているので、内容絡めた感想のみを書きます。

こちらの作品は竜の出てくるお話。
ラブに細かな設定や陰謀、策略が絡み合った、壮大なストーリー!
広げられた風呂敷が徐々に徐々に、しかし綺麗に回収されていくのは本当に見事、としか言いようがなく…!
(ただ、風呂敷が思ったより大きくて自分の理解が追いつかず、何度か読み直したり設定を確認し直したりした部分もあります;)


なんといってもですね。攻めのアルヴィンの魅力よ!✨

もうね、もうね、攻めが受けの可愛さ・匂いに負けまいと葛藤する様子とか、半分以上負けてて文字どおり”とろ〜ん”となっちゃってるのが、ツボに入りすぎて萌えすぎて、深夜に一人心の中でジタバタしました。

本当にめちゃくちゃ笑えます。…………あ、ちゃんとかっこいいです。(念のため)

もうリクのことが好きになっちゃって好きすぎて、褒め言葉がおかしなことに。
詩人のように褒め称え、鈍いリクには「騎士は詩の素養もないとだめなんだなあ」とか思われてます。笑

これ、激萌え設定なのが、リクが”竜を惹きつけてやまない香りを持つ一族”だということ。

リクのことを好きになるも、それは一体、竜の本能からくるものなのか?
自分の想いは、香りに群がる他の竜たちと同じなのではないか?

と悩むアルヴィン。

モテモテ状態のリク(デニスには「ぺろぺろちゅばちゅぱしたぁい」とか変態めいたこと言われてて笑った〜!)を他の竜たちから引き剥がし、なんとか自分の好意を伝えようとあれこれ頑張る姿に萌え転がっちゃいました。

そしてラブ面以外にも、ずっしり、重厚なテーマが。

-自分たちが生き延びるために、他民族の自由を奪い、犠牲にするのは許されるのか?

……なんだか、現実世界で今まさに起こっている紛争のことを想起させられるなあと。。(悲)

現実世界の問題は解決の糸口さえ見えない闇ですが、こちらの作品では希望の光を見ることができ、救われた思いがしました。

神評価と本当に本当に迷ったんですが、、、

受けの魅力、という点で「有翼の〜」ほどではなく、”(肉体的/精神的に)戦う受け・強い受け”君が好きな私にはちょーーーっとだけ物足りなかった。

あとね、リクが隠していた事実を知り激昂してリクに酷い言葉を浴びせる攻め様も、(仕方ない状況とはいえ)変わりっぷりが恐ろしくて勝手にガッカリしちゃった、というのもあり。

神寄り…の「萌え2」とさせていただきました。

1

可愛らしい反応が多くて楽しかった

リクの秘密は「竜殺し」。
アルヴィン達が、リクの臭いに反応していることに、気付かない。
リクの匂いに反応するアルヴィン達と 無自覚なリクの様子を描いた場面が面白かった。


---世界観設定---
●「竜殺し」:懸賞金付き、伝説の「龍を惑わす妖精」の末裔 
一族特融の熱病の薬は「竜の血」

リク:22才 黒髪 妖精風の美貌 竜殺し 
捕縛を避けて仲間と各地を移動、両親の発病で森の奥に定着
母の為に竜狩りに参加。狩りの最中に母は孤独死 
自分のせいで捕獲された竜のビリエルを助ける為、アルヴィンを探しに行く

アルヴィン:26才 エルレアル共和国の騎士団長
リクが一目惚れした「かっこいい青い竜」 
「竜殺し」と知らずリクを保護する


●竜は「金の神殿」で誕生・・魚の産卵と似た感じ。
種族別にエルレアル国を警護
ブルードレイク 南部のグラース森林
レッドドレイク 北東の砂漠地帯
ゴールドドレイク 首都メリン
ワイバーン グウイン州の自警団
・・儀式を介さない竜は、人語で会話できない 

2

竜殺しの本当の意味は




竜に好かれる体質を利用した囮として竜狩りに参加したリク(受け)は自分に惹かれてやってきた竜が捕まったのを後悔し、人間の言葉を話す竜ビリエルを助けるために竜の故郷エルレアルへやって来ます。
ビリエルに頼るようにと言われた騎士アルヴィン(攻め)に会い、事情を説明すると救出部隊を出してもらうことになり、見つかるまでエルレアルで一室に軟禁されます。
1番世話をしてくれるのは隊長アルヴィンです。
保護していた家からいなくなっていたビリエルを探すのに時間がかかっている間に絵本や絵の具を用意してもらい充実した毎日を過ごします。


リクは竜が好む匂いを出すユニノの民と言われる一族ですが、固有スキルとして一度見たものを記憶する能力を持っており、この異質な能力を一族から気味悪がられ遠巻きにされていました。そのうち父親が一族特有の病気になり儚くなり、いままた母親が同じ病気にかかります。薬になるのは竜の血。竜の血を探すリクは竜狩りの手伝いをすることになるのです。
結局母親は助からなかったこともあり竜狩りに参加したことを後悔し、捕まった竜を逃そうとします。

外国人の出入国は厳しく制限されているはずなのに誘拐されてしまった竜のこと、ワイバーンの取引がひんんぱんにされていること、ユニノの一族が懸賞金がかけられている理由、謎がたくさんあるのですが、全てがつながっています。

かわいそうなのは何も知らなかったと思われる犯人の上司ですね。部下の不始末の責任は取らされるだろうし、いけすかないやつではありましたがちょっと気の毒の思いました。
元はと言えば繁殖の仕方の問題で国の在り方が一番の問題。
今回のことで国の在り方が変わることになりそうです。落ち着くまでにはまだまだかかると思いますが、これが竜にとってもユニノの民にとってもいいように変化していくとよいですね。

1

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