この身体の秘密は誰にも知られてはならない──全寮制学院が舞台のオメガバース!!

やんごとなきオメガの婚姻

yangotonaki omega no konin

やんごとなきオメガの婚姻
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×29
  • 萌5
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

50

レビュー数
4
得点
56
評価数
15
平均
3.7 / 5
神率
6.7%
著者
遠野春日 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784199009884

あらすじ

名門伯爵家に生まれながら、
オメガなんて末代までの恥だ──。
自身の秘密をひた隠し、
全寮制学院でベータとして生きてきた雅純。
僕は誰とも恋もせず、番も持たずに死ぬんだ…。
ところがその類稀な美貌と才覚で目を付けられ、
同級生から襲われてしまう!!
窮地を救ったのは用務員の三宅。
地味な作業着と帽子に身を包んだ三宅だが、
接近した時、体験したことのない
電撃のような衝動を覚え…!?

表題作やんごとなきオメガの婚姻

三宅祥久,25歳,雅純の通う高校の用務員
仁礼雅純,17歳,ベータを装っているオメガの高校生

レビュー投稿数4

『愛しき年上のオメガ』の前日譚

作家買い。
遠野さんでオメガバースものって2作目だなー、なんて思いつつ手に取りましたが、今作品は遠野作品の『愛しき年上のオメガ』のスピンオフでした。

スピンオフ、というか前日譚、と言った方が正しいかな。『愛しき年上のオメガ』の攻めくん・悠真の両親のお話です。前作はみずかねさんが挿絵を担当されていましたが、今作品はサマミヤさんが挿絵を担当されていたので同シリーズのお話だと気づくのにちょっと時間がかかりましたが、『愛しき~』を読了後に悠真の両親のお話を読んでみたいと切望していたのでテンション高めで読み始めました。

ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。






主人公は全寮制の良家の子息たちが通う高校に在籍している高校生の雅純。
伯爵家の次男で、見目麗しい美貌を持つベータ。雅純は名門伯爵家の子息であることから様々な面で優遇されており、彼自身のスペックの高さから彼を崇拝する同級生も多くいるが、それ故に彼を目の敵にする同級生もいる。

が、彼が優遇されているのは彼が伯爵家の子息だから、ではない。
彼は実はオメガなのだ。
オメガであることを隠すために、彼にはさまざまな待遇がとられている。が、ある日、彼の秘密に気付いた同級生に襲われてしまう。そこを助けてくれたのは、高校の用務員として働く三宅という男性で―。

というお話。

雅純は、自身がオメガであることを非常に卑下してるんですね。名門家の子息でありながら、オメガである、ということに。それを他人に気取られてはいけない、秘密にしなければ、と親しい友人も作らず孤独に生きている。

そんな彼が気になる人物を見つける。用務員の三宅さん。

三宅さんは「用務員」なわけですが、彼の出自もまた、やんごとなき身分なんじゃないの?

というのは、早々に透けて見えてきちゃうんですね。

雅純の同級生である嘉瀬という青年が登場していますが、彼が素晴らしい伏線になっています。なっていますが、うん、まあ、三宅さんの正体は早々にわかってしまいます。

オメガであることを恥に思い、孤独に生きてきた雅純が、三宅という男性と出会い恋に堕ち、幸せを手に入れる。

序盤こそシリアスモードでストーリーは始まりますが、王道のストーリー展開であることに加え、三宅さん×雅純の恋の成就というベクトルは早々に完結してしまうこともあって、あっさりしたストーリー展開でした。

また、彼は自身がオメガであることを卑下していますが、彼の家族は彼がオメガであることを特に問題視していません。もちろん「発情期がある」とか「子を身ごもる」という性であることに対する危機感は持っていますし、そんな性を持つ息子に対して注意は払っていますが、息子がオメガだ、ということに対しては特に問題にはしていない。

雅純に対して悪意を持って接近してくる人物は何人か登場しますが、そのいずれも、三宅さんが助けに来てくれますし、彼の出自もまた、彼の助けになってくれます。

ということで、全体的にほのぼのなストーリーでした。

個人的にはもう少しオメガであることの苦しみとか、恋の成就までのモダモダ感とかあった方が楽しめるので、あっさりしたストーリー展開に肩透かしを食った感は否めませんでしたが、反対に言うと、オメガバースものらしい痛い展開とか、オメガが虐げられる、と言ったダークな展開が苦手な方でも手に取りやすい作品かと思います。

『愛しき~』の悠真が、まっすぐで、誠実な青年に成長したのは、優しくて温かな両親あってのことだったのか―、と納得する優しいお話でした。

あと、個人的に雅純の兄である高範と、友人の嘉瀬くんが非常にツボに入るキャラだったので、彼らのスピンオフも書いてほしいなと切望しています。

12

宮家を中心とする貴族社会のお話

雑誌で読んでいたので迷いなく購入しました。

オメガバースものだと、受けが酷い差別や性暴力に遭ったりするので苦手な方も多いと思います。

オメガの雅純は伯爵家の次男で大事にされていて、全寮制の学院でも学院長と保健医の協力の元でベータとして個人部屋を与えられてます。

雅純を狙ったアルファの同級生による強姦未遂事件も起きますが、攻めの用務員の三宅祥久に間一髪で助けられます。しかも祥久は貴族社会のトップに君臨する藤堂侯爵家の出自で、運命の番である雅純を守る為に跡取りになる事を承諾しています。

祥久の雅純への溺愛ぶりが凄いです。
そして雅純はオメガである自分を伯爵家の恥として、成人したら家を出て1人で生きて行くと考えていました。でも雅純の兄も両親もそんな事は全然思ってはおらず、祥久に無理強いされていないかと心配する程大切にされていました。

書き下ろしの「やんごとなきオメガの婚姻」は、雅純と祥久が番になってからの両家の厳かな婚約式の様子や宮家主催の宴で貴族社会へ2人の婚約発表の間に起きた、オメガコミュニティを主催する学院の卒業生からの嫌がらせや、そのコミュニティを狙った人物から雅純が拐われる事件とかが書かれています。

こちらも祥久によって危機一髪で雅純は救出されてます。深窓の令嬢のような雅純と騎士のように守る祥久のカップルなので、痛い描写が苦手な人も安心して読めます。そして在学中に雅純は妊娠して退学しますが、無事に出産して「愛しき年上のオメガ」の攻めになる悠真が産まれたところで終了しています。

遠野春日先生の濡れ場シーンに必ず登場する表現はあくまでもお上品なのです。
私はエチシーンをダラダラ数ページも書く作家さんは苦手なので、遠野先生のお話とエチシーンのバランスがとても好きです。



2

上流階級の恵まれオメガ

スピンオフ作品ですが、単独でも問題ないです。
〝やんごとなき〟は古語で、「貴重な」「高貴な」という意味。
本作の主人公・雅純にはどちらも当てはまりそう。

貴族の次男である雅純(Ω)は、βと偽って全寮制一貫校に通っています。
そして、その学院で運命の番に出会いーー…

とても説明が多い文章で、会話部分が少ないです。
なので、ちょっと読みにくく感じました。
ストーリーとしては、トントン拍子に進んでいきますし、
とても恵まれた立場にいるΩの主人公です。

最上位貴族の祥久が運命の番であり、二人は直ぐに番契約を結びます。
初めてのヒートで番ってしまったので、大丈夫?と心配になりましたが、お互いを思い合い、愛し合う素敵な二人でした。
この二人、終始ラブラブの甘々です♡
祥久が用務員のお兄さんだと思ったら、実は高貴なお方だった所には萌えます!

また、二人の家族もとても素敵^^
優しい人たちに囲まれて番として幸せな経過を辿るのですが、
終盤に雰囲気が一転します……

常々、相談できるΩが欲しいと思っていた雅純は、男性Ωコミュニティに参加します。
そして、メンバーから陰湿ないじめを受けるーーという展開。
この参加Ωたちが子どもっぽくて、最悪です。
さらに、一人で出かけた雅純がΩ狩り?のようなカップルに拉致されそうになります!?

いや〜、この辺のエピソードって必要だったのかな?
雅純がまだ未熟で、本当の味方は身近にいるよって事を自覚させたかった?
うーん。ドキドキしたけど、何だかよく分からなかったです^^;

ラストは、雅純が男の子を出産し、この子が主人公の『愛しき年上のオメガ』に繋がっていきます。
雅純と祥久には、深い愛を感じました♡
欲を言えば、もっと二人が一緒に過ごす時間を楽しみたかったです。

5

王道恋愛ものとしてはあり

遠野先生のオメガバースと聞いて購入。
スピンオフ作だとあとがきを読んでから知りました。
時代背景が分からず一瞬戸惑いましたが、こちらだけでも問題なく読めました。
やや辛口のレビューかもしれません。

今作の主人公・雅純は、良家の子息達が集まる全寮制の高校に籍を置く由緒正しき伯爵家の次男坊。
この作品の世界では、一般的にオメガは下層階級から生まれやすいとされています。
上流階級の者しか集まらない学院ではオメガがいるはずもなく、雅純はオメガでありながらベータだと偽り、いつかオメガだとバレてしまうのではないかと怯えながら高校生活を送っていて…

個人的に、全寮制もののオメガバースと聞くと非常にワクワクするんですよね。
今作の他と違うところはと言うと、主人公がとても恵まれた環境に居るところ。
本来ならば監督生にのみ与えられる個室を特別に与えられ、高価な抑制剤を毎日服用し、その副作用で体調が思わしくなければ身体が弱い事を理由に休む事が出来るよう取り図られている…と、この時点でかなりの高待遇です。
この設定が良くも悪くも働いてしまうのですね。

正直、評価が難しい作品だなと思いました。
淡い思いを抱いていた者同士が、校内で起きた初めてのヒートをきっかけに運命の番だと気付き、あまり大きな障害もなく恋を実らせる王道ストーリー。
祥久も雅純も真面目で誠実な人柄と、かなりまともな人物で決して嫌な気持ちにはなりません。
家族関係も良好で、むしろ協力的。
雅純の危機には祥久が王子様のように現れ救ってくれますし、どんどん惹かれ合う2人の恋愛描写は終始甘く優しく穏やかで、読んでいて安心感を覚えるほどです。
もう何も言う事がないくらい幸せそうなのです。
なのですが、それだけで終わってしまいます。

前半・後半共に雅純のオメガとしての葛藤も少し見られるものの、そこまで深くは描かれていません。
深く描かれる前に最高のお相手とくっついてしまっているので…
そもそも初めに書いた通り、とても恵まれた環境に居るので説得力があまりないのですよね。
大切に育てられた世間知らずの伯爵令息というか。
オメガは酷い目に遭うのが普通と言っているわけではなく、伯爵家の令息達の甘く優しい幸せなハッピーオメガバースもので終わるのなら萌2だったのです…!

しかし、後半になって突然男性オメガのみが集まる隠れたコミュニティのお話が入ってくる…うーん、どうなのでしょうか。
恵まれている雅純へのいびり方が陰湿で、この描写を入れる事も男性同士である必要性も感じませんでした。
危ない目に遭う前に祥久が救ってくれるので更に中途半端な事になってしまっています。
それよりも2人の蜜月っぷりや、なかなか会えずに居る期間に相手をどれだけ思っているか等、恋愛面をじっくり読みたかったななんて。
雅純が慕ってやまない兄・高範を絡めたやり取りも読んでみたかったです。
出番がこれだけでは勿体なく感じるキャラクターでした。

少々辛口に書いてしまいましたが、2人の恋愛面は萌2、その他描写も含めると萌かな…
スピンオフ元の作品も読んでいたのなら、また違う感想になったかもしれません。

5

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