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表題作ありふれた愛の言葉

陸生 ホスト
誠 小料理屋

あらすじ

誠の営む小料理屋に近頃よく顔を出す場違いな二人連れがいる。
やたらに容貌の整った若い男と小学生らしき少年。
関係は不明。
常連たちは騒ぎ立てるが、誠にはどうでもいいことだった。
かつて栄光と挫折を一度に味わい、今は惰性で生きるだけの日々。
男から向けられる苛立つような視線は気になるが、追及する気力はない。
だがある日、誠は男・陸生から突然「あんたの息子や」と少年を紹介され…!?長篇書き下ろし。

作品情報

作品名
ありふれた愛の言葉
著者
久我有加 
イラスト
松本花 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403521355
3.1

(6)

(0)

萌々

(2)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
18
評価数
6
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

大阪弁が心地よい

人情味あふれる気持ちのいいお話でした。
過去から現代まできちんと練りこまれたストーリーでした。

主人公は小さな料理屋を営む世捨て人(受)です。過去のトラウマで人生に疲れてる。なにをするのも面倒くさい。
その料理屋に通うようになったのがホスト(攻)と、小学生。
ホストに「あんたの息子や」と、小学生を紹介される。
そこから、ご近所を巻き込んでの騒動が起きる。
無気力だった主人公も、無気力ではいられなくなり、いつしかそのホストと小学生のことが、生き甲斐のようになっていく。

ところどころ「んー…」と思う場面はありました。とくにセックスシーンが好きじゃなかった。攻めが過剰に喋るセックスってあまり好きじゃないもんで。
けどそれを凌駕するほどに、ストーリーが良かった!生き生きと動くキャラが良かった!
出会いによって変わってゆく主人公にホロリとした。

ちなみにこの小説は、後半でいろんな謎がとける仕組みになってるので、どっかでネタバレを目撃しちゃわないように気をつけてください。

2

本当にほしい言葉は…

 疲れた男と、必死に生きて苛立ちを隠せない少年の初々しい恋物語……というやつかな?

 一時期は小説家として一世を風靡して、栄光と挫折を一度に味わった誠は生きる気力もなく、ただ惰性で生きていた。
 そんな誠の前に現れたひなびた小料理屋に不似合いな、容貌の整った青年と小学生くらいの少年の二人連れ。
 しばらく二人は店に通ってきていたが、ある日突然、その少年を「あんたの息子や」と紹介される。

 本当かどうかはわからないけれど、誠にはそれを問い詰めるような気力もなくて、そして、三人での少し変わった生活が始まる……


 というような話でした。
 なんというか、誠は本当に疲れ切ってはいたのだけれど、一途に自分を慕ってきてくれる小学生の新と、乱暴だけど優しい陸生に惹かれていって、徐々に生きる気力――というと、オーバーだけど、そういうものを取り戻していく……という話でした。

 言葉の一つ一つが優しくて。
 でも、与えられた現実は重たくて。
 それでも、誰もそれを否定しない優しい小説だったように思いました。

 本当にうれしい言葉って、実はシンプルな言葉なんですよね。

2

素朴な疑問が

このお話はホストの攻と、小料理屋さんを営む受なんですが…。

お店、やってけてんでしょうか?
おにぎりしか出さないお店。魅力ではありますが、変なトコリアルに考えてしまう。
閑話休題。

無気力に生きている受に、いきなり高校時代の先輩との子どもとその叔父が現れる。
これもまた、ベタなお話なんだけど関西弁がふんわりしてていい感じでした。
静か(怠惰)だった生活に差し込んだ光みたいな感じで読み進み。
Hシーンは最後にドカーンって感じであって。
きちんとうまく丸く治めたわねって感じで。

お話として面白く読めました。
Hシーンはそんなに期待していなかったのですが、思ったより満足できて以外。

セリフで好きなのが「この形にしか、なったらあかんで?」です。
うわ~、こんな事言われたらうつ伏せになって足が空中パタパタです。

ショートはその後の二人。エスとエムで仲良きかな。
受にはもっと張りのある生活をして欲しかったので、また書き始めるかも…と含みをいれてくれて安心しました。

2

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