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純潔の精霊王子とドラゴンとの密やかな誓約

junketsu no seireiouji to dragon tono hisoyaka na mitsuyaku

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表題作純潔の精霊王子とドラゴンとの密やかな誓約

ルートヴィッヒ,352歳,レッドドラゴンのヴァリエ
エリアス,40歳,ビューロー伯爵家の長男・精霊のヴァリエ

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

戦火の只中にあるカルトリオ共和国、辺境伯の子息で、可憐な美貌と繊細な心を持つエリアスは、幼げな外見とは裏腹に、実は四十年余りを生きる不老のヴァリエ<霊獣、精霊などの人外を片親に持つ超人的存在>だった。しかも、隠さてはいるものの、その出自は前国王の隠し子。 臆病な性格と過保護な母の庇護により、ついぞ戦に出ることがなかったエリアスだが、その胸には国や弟王子への思いが常にあった。そして、ついに戦線に送られることになることになったエリアスは、自分の力では国を守る力になれないからと、人ならざる大きな力――長き眠りにつくドラゴンに加勢を乞うため、閉ざされた住処に向かった。 深紅のハーフドラゴン・ルートヴィッヒを目覚めさせたエリアスは、力を貸してくれたら自分を食べて良いからと、その身を差し出す約束をするが――?

作品情報

作品名
純潔の精霊王子とドラゴンとの密やかな誓約
著者
水無月さらら 
イラスト
兼守美行 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
電子発売日
ISBN
9784344847477
3.5

(9)

(2)

萌々

(3)

(2)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
30
評価数
9
平均
3.5 / 5
神率
22.2%

レビュー投稿数4

兼守美行さんの挿絵が凄く素敵

コロナ禍の自粛期間中に執筆された作品。
後書きから読みました。
構想1年半、書き始めたら、コロナ蔓延で外出自粛となり、
コンサートにも観劇にも行けなかった著者が、宝塚を観劇して気を持ち直して、脱稿できた作品だそうです。
自粛缶詰は、想像力が必要な作家の心を蝕むんですね。

表紙絵が綺麗なので、期待できるファンタジーではないかと思って選びました。
300年生きたドラゴンが魔法使いに眠らされている。、
国難を回避したくて、そのドラゴンの150年の眠りから目覚めさせたのは、水の精霊が自分の命と引き換えに産んだ国王との子。
ドラゴンは、水の精の息子に一目ぼれ。
テーマは、「永遠の愛」
孤独なイケメン赤竜が、いたいけで美しい水の精にメロメロになる、王道もの。
綺麗なものばかりで、楽しかった。

1

国を護る

兼守先生の挿絵目当てで購入。水無月先生らしい、不思議テイストな人外さんのお話でした。攻め受けともそんなに好きではないのですが、水のしっとりひんやりしたような感触、お話全体の雰囲気が好きだったので、萌にしました。本編230P超+あとがき。(カラー口絵のエリアスが超絶好きです!!!!!!!!美しい!)

アストリア王国の東の国境を護る辺境伯ビューロー家。長男エリアスは生まれて40年余りたつのに、美しい銀髪、淡いブルーの瞳を持つ美少女にしか見えません。ある日王太子が西の隣国に向かっている途中でレジスタンスに囚われるわ、同時に東の隣国が攻め入ってくるわで、大ピンチ。武勇に優れている訳ではないエリアスは、何とかこの危機を打破するべく、城壁の西側に聳え立つウルトリア山、そこにある龍の巣と呼ばれる洞穴に入っていき・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
国王、王太子アルベルト、王妃ベルタ、オンディーヌ(亡くなっている水の精霊)、オットー(ビューロー家次男)、ヨナス(オットーの子)、オオサンショウウオ、亀、雫の子等々。皆さん今一つ個性的なキャラとは感じず.

++ 以下 より内容に触れる感想

攻め受けとも強烈なキャラというものではないのですが。
受けは水の精霊の子という生まれもあってか、クールで穏やかな印象。後半目覚めてからは、水の中で生活したり、下半身が人魚化したり、水を自在に操ったり、ファンタジー色満点。そこが好きでした。水の中で呼吸できるのってなぜか憧れるんですよね。

攻めは長いこと生きていて150年ほど眠っていたのを起こされた竜ちゃん。150年ぶりなんだからと、起きるやいなや受けが乗ってきた馬をモリモリ食べてしまったり(!)、王城に迎えられてからはご飯モリモリ食べるし、その上、性欲面でも飢えてると言うし、逞しい生命力あふれるお方と感じました。ドラゴンだけあって、戦争している時も勿論最高に強いし!色恋沙汰も色々あったかのように振舞っていて、受けを手玉に取っている印象です(最初は)。

攻めザマアとまではいかないのですが、途中で「え?!そうくる?」という展開があった後、最後までの流れが、王道路線とはちょっと違っていて、個人的にはこういうところが水無月先生ぽいなあと思った一冊でした。最後は二人して国を護るという姿勢だったので、今後この国は平和になるんじゃないかなあ。ドラゴンと水の精霊に護ってもらえる国って、なんだかとっても強そう。

1

流れと気持ちが伝わりにくかったかも……

兼守先生の表紙に惹かれて読みました。
ヴァリエと呼ばれる人外ハーフが主人公のファンタジーです。

水の精霊の血を引くエリアスは、見た目は子ども中身は40代のヴァリエです。
そんなエリアスが戦争による国の危機を救うために向かったのは、ドラゴンが眠る洞窟。
ドラゴンのヴァリエであるルーイを目覚めさせ、国を救ってもらう代わりに差し出したのは自分自身でーー…!

戦争に手を貸してもらう代わりに自分自身を生贄に……と、いう約束を交わした麗しき少年エリアス。
死を覚悟したエリアスでしたが、ルーイに奪われたのは貞操でした。
ルーイは、数百年も生きてきた俺様ドラゴン。
手練れの美丈夫が純情なエリアスを翻弄していくのかと思いきや、実は夢中になっているのはルーイというね。
この展開は、好きなやつです。

ただ、2人の気持ちが定まっていない感じがして、少しイライラしました。
とても一途で美しい想いのはずが、全然伝わってこなかった。
言ってる事とやってる事が、二転三転している印象を受けてしまいました。

偏見の目で見られていたヴァリエが人間に受け入れられていったり、力に目覚めたエリアスが国を救ったりと、見所もあります。
そして何より、ヴァリエが愛の結晶であり、母たちが命をかけてこの世に残した尊い存在であるというところが素敵だと思いました。

しかし、いかんせん二人の気持ちに共感できない部分が多くて乗りきれませんでした。
ラストも途中までの流れと違っていて、あれ?みたいな。

Hは少なめですが、エリアスのお子ちゃまtnkをルーイがあっという間に剥いちゃった所に萌えました♡
フェラされたエリアスが「僕、食べられてしまった」と、思うところも可愛かった。


3

好きと惜しいが半々

架空の王国を舞台としたファンタジー作品。
精霊や人外と人間とのハーフであり、その種族の特性を受け継いだ「ヴァリエ」と呼ばれている者たちが存在する世界。
隣国との戦争と同時に、差別と迫害に王家に対して立ち向かうヴァリエのレジスタンスからも攻め入れられそうな国…と、結構目まぐるしいです。
ファンタジー慣れしていない方や、カタカナ名を覚えるのが苦手な方は混乱するかもしれませんが、特殊な難しい用語は登場しませんので、国の名前や人名にさえ慣れれば大丈夫。
リンクスロマンスらしいファンタジー作。

兼守先生の美しいイラストと設定とあらすじに惹かれて購入。カラーもモノクロイラストもとっても素敵。
シンデレラストーリーのようでそうではない、少し変わったお話でした。
設定もあらすじも好みのはずなのですが、ちょっと分かりにくい部分や惜しい部分が多々あったり、受け攻めどちらにもなかなか入り込めず…好きな部分と惜しい部分が半々。
悩みつつこちらの評価に。

エリアスが、洞窟で永きに渡って眠らされていたレッドドラゴンと人間のヴァリエであるルートヴィッヒを目覚めさせて外へ飛び立つシーン。
この、序盤の辺りではものすごくワクワクしたんですよ。
2人がいったいどんな物語を繰り広げていくのか?と、こんな面白そうな始まり方はその後の展開に期待しかない。ドラゴンの背に乗る受けの図の時点で、これは好きなやつかもなんて思ったりしちゃう。
ただなんというか、盛り上がりそうな揉め事がかなりあっさりとしてしまったり、風呂敷は大きいのにお話がこじんまりとしているように感じられて。
そして、読めば読むほどエリアスの父親の無責任さにうーん?となってしまう。ビューロー伯爵家が愛情深い家庭だった点が救いかな。
ヴァリエを産んだ母親達の愛情、ルートヴィッヒの父親と母親のエピソードはとても印象的でしたし、この作品の中で1番好きでした。

それから、メイン2人に関して。
外見年齢が若いのは分かるけれど、過保護に愛されているとはいえ、普通に人として育てられた40歳のエリアスにの言動や行動に、こんなに中身が幼いものかなーと思ってしまったり、エリアスがルートヴィッヒに恋愛感情を持つのが唐突な気がしたり。
2人に何か印象を抱く前に、なんだかお話がバタバタしていてついていけなかったのが残念。
孤独を抱える者が寄り添い合うようなカップリングは好みのはずなのですが、展開が早かったかな。
設定は面白いので、もう少しじっくり読みたかったかも。
2人のやり取りは甘くて素敵でした。

1

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