【電子限定おまけ付き】【イラスト付き】
夢を見させてくれる恋愛小説の見本のような作品。田舎で育った素朴で純粋な美少年が期間限定で王子の身代わりになり、共に旅をする堅物騎士に愛される。衆人環視の中で叫び、見守られての告白なんて久しぶりに読んだ。
メイン二人のキャラも王道。レニは守られ受けでBLだと共感度と総合評価が高そうな主人公。
ダグラスは一途で堅物で騎士の地位もあり、綺麗で包容力まで持ち合わせた理想形。
毎日花を贈るダグラスは、恩返しに来る動物のようで笑ってしまった。二人の間に障害があるロミジュリ系なら切ない場面だが、付き合ってると揶揄われるくらいの環境なので、ただの奥手の証明になっているのが微笑ましい。
身分を偽ってからのエピソードはあっさりしたものを積み重ねていく感じで、何か起きてはイチャイチャらぶらぶしながら進んでいく。レニがたまにあざといカマトトに見えながら、純朴少年とそれに振り回される騎士の関係性は保ったまま。
そして旅の目的地でもくっつきそうでくっつかない。身代わりなので当然ではあるが、本気で身代わりのつもりで、あの時点でレニはダグラスが気付いてるとは知らないのに、ユリアンとして一晩体を許すのはユリアンに対して酷いことしてる気がした。
まあ旅の始まりから入れ替わりにダグラスが気付いていたと明かされ、全てはまるく納まるわけだが。
ラストの告白は甘さ大放出でただただすごい。エロシーンは長さにびっくりした。
ダグラスは堅物な面をしっかり見せられたのに、読後は甘いセリフを吐きまくる男という印象になっていた。レニの言うことは絶対!な強火同担拒否になっていそうな。電子おまけを読むと、従者気質もありそう。
真面目に読めば無理のある身代わりだが、全体の雰囲気が明るく、切なさやシリアスみは薄めだったので、ラブコメとして気楽に読めた。
あんまりファンタジーが得意で無い事を先に書いておきます。
嫌いと言うわけではありません。夢中で読んだような某壮大シリーズ(未完)もあったりします。
本編・本筋そのものは特に問題なくて、楽しく読ませて頂きました。キャラも好きですし、うるっとする場面もありました。他の方も書いていますが、最後のエチシーンが長いな~とちょっとダレましたけど。
自分が一番気になったのは食材や料理名や道具などが現代日本そのまま、という所。タマネギとかオムレツとかフレンチトーストとかフライパンとか…
仕方ないのは分かる、分かるが、私が好きなファンタジーで印象に残っているものって、やはりその世界観に沿うものがチョイスされていたように思う。干し肉とか、煮込み料理とか、木皿とか、そういう…
こういう細かい部分で、少しずつ、少しずつ、興が削がれていったように思います。
「神は細部に宿る」とは大仰に言い過ぎかもしれませんけども、頭に浮かびましたし、出来ればこういう細かい所にも気を配って欲しいと思ってしまうのです。
平民の主人公がひょんなことから王子の身代わりになって隣国へ⁉︎いつも助けてくれる騎士さまが気になるけれど、実は騎士は王子が好きなようでー…
的な、キャラクターや無理ある相関図がアニメっぽい設定だなと思いました。騎士が王族にあんな言い方(ジークフリートの事です)、どんな田舎貴族でも許される訳がない。隣国王アリーの不埒な行いも、妃との会話も茶番で軽率さが否めません。
それでも、病を患っても「民を危険に晒す真似など誰が出来るか」と替え玉案に納得しない王子を、レニが「将来あなたの治める国で行きたい」と説得させるシーンはカッコよくて熱くなりました。
楽しみにしていた騎士の忠誠&スパダリっぷりはとっても好きでした。王子の言葉遣いや言い回しが出来ず自信をなくしたレニに「月は欠けても美しい」と語りかけるダグラスには泣きました。
レニ扮する王子が少しでも気が休まるよう花瓶に挿す野花も、他の騎士との和に入れようとすることも、会話のキャッチボールでレニの劣等感を払拭させるのも、ダグラスがとにかく優しくレニの為に心を砕いていてとても和みました。
ダグラスが元々好きなのはユリアン王子なんだとレニがすれ違うのも切なくてすごく良かった。媚薬騒ぎでのダグラスの「一夜の夢を希(こいねが)ってしまう」は、こんなに美しく切ない言い方があるのだなぁと感動しました。
ただレニがユリアン王子に扮装している間は面白いのですが、冒頭の村での様子と最後の告白からは余り面白く感じませんでした。結末が明らかで台詞もベタというか。じっくり書かれた最後のベッドシーンも、失礼ですが他のキャラでも成り立つというか…
金ひかるさんのイラスト、木原さん作品の谷脇のゲス顔が好きだったのですが。今回は表紙から違和感があったのですが、社会人と高校生と言ってもいいくらい、顔も骨格も凡庸でファンタジー感がないです。全然のれなくて飛ばしました…
最後まで読んで「心温まる」の一言で終わりました。
レニのひたむきさや真っすぐさ、優しさなどが前面に出ていて、またそんなレニを一心に支えるダグラスの力強さや包容力に何度もうるっと来てしまいました。
最後の方のダグラスとレニの告白シーンは一言一言に愛情を感じ、ずっとこのまま2人のやり取りを続けてほしいと思う程にほっこりしたシーンです。
少しわからなったのが、冒頭の初めての出会いのシーンでダグラスがレニに対して自分の知る方に少し似ていると照てれた様に笑っている所で、多分ユリアン王子のことだと思うのですが、それが敬愛なのか恋愛なのかが少しわからずもやっとはしました。
他のキャラクターもレニやダグラスを支える心温まるキャラクターばかりでとても良かったと思います。
主人公レニがとてもとても良い子で。
隣国の王の結婚式に向かう王子様一行が通りかかり、そっくりな顔の重病の王子様の身代わりになることに。
レニががんばるんですよ!国や村や家族を背負って。
お付きの騎士のダグラスがきめ細やかに支えてくれて。
道中のほのぼの、ダグラスのおかげで肩の力が抜けて王子様役も慣れ一行とも距離を縮めたレニ。
ダグラスはレニに心を砕いてくれて全力で守ってくれて、貴方の騎士ですって。
もう好きになっちゃうよ!
しかし式を控えた隣国の王になんとレニが気に入られ毎晩呼ばれ狙われることに…。
ダグラスの活躍でなんとか切り抜けるも…。
あぁ、切なくて幸せでこれでもうお終いだとの一夜。
僕は王子様の身代わり、ダグラスのことを決して望んではいけない、彼が求めてるのは王子様なのだ。
この夜のことを一生思い出して生きようと。
もう特別話すこともやめて、帰ったら王子様と入れ替わろうと。そしてもう二度と会わないと。泣けて泣けて。
そしたらなんと!
あーこれは言いたいけどぜひ知らずに読んで欲しい。
エッチはとってもページを使ってます!
隣国の夫婦もレニのおかげ?すっかり円満になって。
まさか王子様がそんなに成長されるとは。
とっても良いお話です。