SS付き電子限定版
本編は表題作と「営業時間外の甘い彼」に分かれてます。更に電子では「営業時間外の上司」が44Pも特典書き下ろしで収録されているので、読み応えのある電子での購入をお薦めします。
まずは表題作ですが、レンタル彼氏の時と素の時の恭也のギャップに驚きました。
そして恭也を諦めない航太のガッツが良かったです。便利屋のアルバイトの面接での2人のやり取りに思わず爆笑してしまいました。
そして「営業時間外の甘い彼」ですが、こちらはタイトルに意表をつかれました。恋人同士になってからの航太の悩みにうんうんと共感しました。そして恭也が航太を思っての行動が空回りしているのが、何とも言えずに不器用だと思いました。
こちらでは航太が初めて自分達以外のゲイカップルと知り合うのですが、全くタイプの違う彼等との交流も面白かったです。
レンタル彼氏からどう関係が発展して行くのかと思いましたが、予想外の展開に楽しめました。
ただ恭也の過去は可哀想でしたが余りにもそれっぽくて、それ故にちょっと冷めてしまったのであの設定は要らなかったかなとは思いました。
ボランティアサークルに入っている受けの航太。でも女の子にそう興味が持ててない自分がゲイか悩んでいて、レンタル彼氏を見つけ出して試してみようと決意する。
そこで出会ったヨシヤ(恭也)に思いを寄せてしまい…
もうね、航太がかわいいんです。
レンタル商売をしている恭也は、割り切るためにわざと突き放す態度を取ったりするわけですが、ゲイバーで襲われた航太を助けたことから再会することに。
航太はヨシヤに、恭也に近づきたい一心で便利屋で働きたいと社長に…
恭也は絆される形で航太を受け入れますが、もうそっからは愛情がダダ漏れ(笑)
言葉ではそっけなかったりするんですが、それがまたツンデレ的に良い感じの塩梅で、憎めない。ここからはラブラブ幸せな二人の山あり谷ありのお話に展開が移ります。
すれ違いでなかなか会えない日々、恭也に見える浮気の影、友達との旅行だと思っていたのに仕事の一環での小芝居。あのイチャイチャも演技だったのか?!
まぁ、色んな出来事も二人の間を結びつける小ネタとして微笑ましく読めました。
最近読んだ開拓本の中では一番好みの作品になりました〜
今回はレンタル彼氏もする便利屋と公務員を目指す大学生のお話です。
受様がレンタル彼氏だった攻様と恋人になるまでと
恋人になってからの続編短編を収録。
受様は経済学部に通う大学3年生です。
ゼミが一緒の同級生と趣味があい
男女を意識せずに仲良くしていたのですが
夏休みに一緒に出掛ける事を「デート」と意識した途端
彼女の好意が重く感じてしまうようになり
彼女の告白にも応えらませんでした。
受様は彼女とギクシャクした関係になった原因が
自分の性的指向が異性よりも同性に惹かれるからなのか
と悩む事となります。
そんな時、塾のバイト仲間である友人から
「彼女をレンタルした」という話を聞きます。
最初は驚いた受様でしたが
友人は好みの子がデートしてくれたと嬉しそうに語り
自分も"彼氏借りる"のはどうだろうと思いつきます。
受様はとりあえずと調べ始めるのですが
基本的に彼氏のレンタルは女性のみ、
ゲイお断りとハッキリ記載するサイトもありました。
そんな中でなんでも屋である便利屋のサイトで
彼氏の仕事例に目を引かれ、
受様は思い切って申込のメールを送ります。
そして受様の彼氏として現れたのが
男らしい体つきの色気の溢れるイケメン男性でした。
この超イケメンこそが今回の攻様になります♪
攻様は緊張する受様をさりげなくリードし
受様はなぜ彼氏を借りる事にしたのかを
聞いてくれますが
ちょっとしたアクシデントに遭遇した結果、
受様の悩みが解決されないまま、
レンタル時間も過ぎてしまいます。
そのため受様は2度目のレンタル彼氏を頼むのですが
"彼氏"の攻様にドキドキが止まりません。
そんな受様の様子に攻様は
今日で依頼は完了だからもう会わないと言うのです。
もう依頼したらだめなんですか?
だめだよ。俺のこと好きになるだろ?
受様が攻様に惹かれたのは
理想的な彼氏だったからなのでしょうか!?
雑誌掲載作のタイトル作に続編を書き下ろしての文庫化で
自分の性的指向に悩む受様と
レンタル彼氏で出会った攻様の恋物語になります♪
攻様は受様の依頼でレンタル彼氏をしますが
それはあくまでも客に望む"理想"の彼氏であり
攻様自身ではないのです。
攻様は"理想の彼氏"役に惚れて面倒になる事を
警戒して受様からの依頼を断るのですが
性指向の問題をクリアした受様は
攻様だから惹かれたのかを検証するため
新宿2丁目のゲイバーに足を踏み入れるのですよ♪
そこで受様は
積極的に声を掛けてきた男性客から助けてくれた
リーマン2人組に奢られる事になるのですが
彼らもまた初心な受様を狙っていて
受様はさらなるピンチに立たされてしまいます。
受様が助けを求められる人は攻様しかおらず
攻様もそんな受様を放っておけずに助け来てくれるので
受様は攻様にドンドン惹かれていっちゃうのですよ♡
受様の恋が実るまで受様の行動にハラハラしたり
攻様の言動にドキドキしなから
とても楽しく読ませて頂きました (^O^)/
受様視点ではありますが
受様が攻様の出会いで変わっていくというよりも
素直で一途でまっすぐな受様に関わった事で
攻様のほうが変わっていく感じがすっごく萌ツボでした。
すとう先生の2作目となりますが
前作も他人と違う自分を受け入れられなかった受様が
攻様との出会いで変わっていく様子が丁寧に描かれ
とても好印象を受けたのですが
本作も自分の性的指向を悩む受様が
攻様との出会いで恋を知り、
攻様もまたまっすくで素直な受様に惹かれていくという
恋の過程が丁寧に描かれいるのがとても良かったです♪
続編では攻様の思考にモヤるところもありましたが
捻くれてしまった攻様には
受様のまっすぐな言葉しか安心できないみたいなので
これはこれで凸凹合致、オチどころは良かったです。
できたら一気読みしたかったなァ。電子版の特典SSを含めて読了してやっと?恭也のキャラがわたしの中で確定しました。前半の表題作だけでは、恭也の真意がわかりづらかったかも。前半の結末あたりは推測でキュンを補完したところもあって、後半「営業時間外の甘い彼」に入る時にちょっと不安になりましたが…。
自分の性指向を見極めるため、便利屋さんにレンタル彼氏を依頼した航太。二回目の「デート」で答えが出そうになってしまったのは、彼氏役になってくれた相手に恋をしてしまったから。
小椋ムク先生によるレンタル彼氏「ヨシヤ」がメチャクチャかっこよくって、まずそこでふぁ〜♡ってなって。仕事と私情をキッチリ線引きしている彼のプロ意識が揺らぐシーンに興奮を覚え…。トラブルに巻き込まれてしまった航太を華麗に救出するエピソードでやっぱり‼︎…♡となり。その後のヨシヤのキャラ変につまづいたクチでした。しょんぼり。
素のヨシヤは口調荒めの仕事至上主義。紳士的で甘〜いレンタル彼氏業とのギャップに萌えるべきところなんだろうと思うけど、ちょっとわたしにはわかりづらかった。でも後半の「甘い彼」で描かれる二人のすれ違いにギュインギュインされて、その原因を作った別カプとのやり取りによって誤解が解けた時、不覚にも泣けてしまった…。
すっごく刺さったのは、このお話がただの恋愛にとどまらず、性差に根ざした家族像や友情の考察、様々な人々との関わりによって自らを振り返り、悩んだり励まされたりする主人公の姿が描かれているところ。恋愛は自分を知る絶好の機会だと思うんです。作者の目指す、ビルドゥングスロマンは本作でも成立していると感じました。
カバーイラストの印象から悲恋寄りを予感してしたのですが、ツンデレキャラ搭載のハッピーエンドでホッ…。受けは後々攻めを尻に敷くタイプかも、なんて妄想したり笑
SSに登場した、大聖くんも気になりますね♡
攻が拗らせてます。ちょっと面倒くさい感じ。複雑な家庭環境もあってね。故に受より年上なんだけど、なんだか精神年齢が低く、幼く感じてしまいました。一方受はボランティアや塾講なんかしちゃってる国立大の優等生です。
正直、キャラクターにはそんなに魅力を感じなかったのですが、ストーリーが良かったです。特に書き下ろしの「営業時間外の甘い彼」が甘いだけじゃなく、付き合って最初のモヤモヤや苦しさが描かれていてとても良かったです。
この書き下ろしにはもう1カップル出てきます。こっちのカップルの方がキャラが強くて好きでした。