最後の黒豹族の薬師と一途に彼に恋する健気な純人、初恋のもふもふラブ!

小説

  • もふもふ黒豹男爵の慈愛花嫁

もふもふ黒豹男爵の慈愛花嫁

mofumofu kurohyodanshaku no jiaihanayome

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作もふもふ黒豹男爵の慈愛花嫁

五條咲夜,12→27歳,希少種『黒豹族』の最後の一人で薬師
五條春日,2歳→17歳,幼い時に咲夜に引き取られてきた人間の子

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

薬師の咲夜は希少種『黒豹族』の最後の一人。ある偶然で、純人の幼子・春日を託され、無垢な笑顔を護ると決意する。成長し咲夜の助手となった春日は、夜会で混合種である咲夜を嘲る青年に食ってかかり勢いで葡萄酒を飲んでしまう。初めてのお酒で熱を持て余す春日に甘くねだられるまま、咲夜は、その身体に蜜のような快感を与え──。静かに暮らそうとする二人だが、名家である貴族の若者の病を診たことで、陰謀に巻き込まれてしまう。それは春日の出生の秘密に繋がっていて!?

作品情報

作品名
もふもふ黒豹男爵の慈愛花嫁
著者
真崎ひかる 
イラスト
明神翼 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784041113035
3.5

(6)

(0)

萌々

(4)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
20
評価数
6
平均
3.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

王道のストーリーではあるが

純粋な人である純人、見た目も生態も獣の純獣、様々な獣の混血である混合種、の3つの種族が共存している世界、を描いた「もふもふ」シリーズの3作目。

3作とも世界観は同じですが、続きものではないのでこれ単体で読めます。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。




混合種である咲夜は母と共に薬師として働く12歳の少年。
ある日、母と共に訪れた屋敷で咲夜は純人の子である春日(2歳)と出会う。とある事情で母親と離ればなれになることになった春日を放っておけずに引き取ることになるが―。

序盤は咲夜視点で始まりますが、その後は春日視点でストーリーは展開していきます。

咲夜は黒豹族の最後の一人。
黒豹族の内臓が薬になると信じられており数多くの同胞たちは純人たちの手によって亡き者にされてきたという過去がある。そのため彼らは薬草などから薬を作り出し、それを純人たちに売ることで生き抜いてきた。そのため咲夜の母親も有能な薬師であり、その後を継いで咲夜も薬師になるのだと思っているけれど。

自分の地位を盤石なものにするために家族すら亡き者にしようとする人間たちに辟易していた咲夜が出会った「春日」という少年が、どれほど咲夜の癒しになったのか。

バックボーンとしてはシリアス寄りではありますが、何しろ咲夜のスパダリ感と春日への溺愛っぷりがそこかしこに溢れていてめちゃめちゃ可愛いストーリーなのです。咲夜が春日と出会い、そして引き取ることになったのは春日が2歳の時。ということで「育成」を兼ねてるんですね。作中でも源氏物語が引き合いとして出されていますが、個人的に幼子を引き取って親代わりになって育てるという展開が大好物なこともあってめっちゃドツボに突き刺さる作品でした。

展開としては、バッサリ言ってしまうと非常にありきたりと言って良いでしょう。先の先まですーっと見通せる展開なんです。が、その王道の展開に華を添えるのが魅力あふれる登場人物たちです。

咲夜の春日への深い愛情。
子ども扱いしてくる咲夜にヤキモキしつつ、一心に咲夜を慕う春日の可愛さ。
彼らを公私ともにサポートする、咲夜の友人である真田。

みんな、すごく可愛いです。
彼らの想いが読者には手に取る様にわかるので、ヤキモキはするけれどハラハラすることはなく落ち着いて読める。最後、ハラハラする展開が待ち受けていますが、このハラハラ感がまた良いスパイスになってました。この展開がなかったら締まりがなくマイルドすぎる展開だったかと。

真田さんも素敵でしたし、もう1CP(と言って良いと思う)の2人もいい味を出していたので、ぜひとも彼らのその後を読んでみたいです。

まさに、ザ・王道というストーリーではあるのですが、その王道感がたまらないっていうのかな。いい意味で「王道」の良さが生きている作品だったように思います。

2

いつも一緒にいて欲しいのは

今回は爵位持ちの黒豹族の薬師と訳有りの純人のお話です。

攻様の母が保護した受様の秘密が明かされ、
攻様が受様の想いを受け入れるまで。

この世界には純人と純獣、
ミックスと呼ばれる人と獣の混合種が存在します。

攻様は古の希少種と呼ばれていた混合種であり
今では幻となったネコ科の大型混合種「黒豹族」です。

黒豹族の心臓や肝臓は不老不死の妙薬の原料と言われ
理不尽に狩られ、命を脅かされてきた先祖は
病を治す薬師としての地位を築き、
数代前に帝の難病治癒で家名と男爵位を与えられます。

ただ、黒豹賊の純血種の同族は徐々に数を減らし、
亜種と混血が進んでいない黒豹族は攻様が最後ですが
攻様は黒猫族の混合種のふりをして生活しています。

攻様の母は優秀な薬師で様々なお屋敷に出向き
そこで見聞きしたものは口外厳禁を言い渡されています。
12才の時に訪れたある貴族の側室の屋敷で
今回の受様となる幼い男の子と出会います。

攻様の母親は先の短い側室の意を組み、
彼女が亡くなると攻様に懐いていた受様を引き取り
昔馴染で信頼のできる老夫婦に受様を託します。

老夫婦は人里離れた山奥で、
薬草や特殊な効果のある草花を栽培しています。
攻様と母親はその薬草を求めるとともに
受様の様子を見るために定期的に通っていましたが

攻様の母が亡くなり、老夫婦が亡くなると
受様は薬師となった攻様の街の屋敷に移り住みます。

警戒心が強く、他人と深く付き合うことの少ない攻様は
受様も極力人目に触れさせないかのように
庇護して養育していきますが

多くの医師に首を捻られたという次男の病ために
攻様が呼ばれた日本でも指折りの名家は
受様の出生に関わりがあり!?

純人と純獣、混合種が共存する世界のお話で、
『もふもふ遊郭の初夜花嫁』『もふもふ狼王の寵愛花嫁』
に続く3冊目は

黒豹の獣人である攻様と出生を秘された純人の受様の
もふもふファンタジーになります♪

本シリーズは純獣がいる世界感は共通ですが
既刊と絡みはないので単巻読みでも問題ありません。

今回は名家の側室腹で生まれた受様が
母親を見ていた薬師の息子である攻様に
懐いた事から始まります。

年の離れた受様を攻様は可愛がりながらも
親代わりとして育てるので

受様は攻様への想いを恋へと発展させますが
攻様の目はいつまでたっても受様は
保護すべき子供なのですね。

この辺りの年の差モノの鉄板のヤキモキ展開に加えて

受様の母親を狙っていた本妻同様、
受様もまた本妻の息子から命を狙われるという
王道な展開が加わっていけば

先の展開は見えてくるのですが
見えることで安心してハラハラさせてくれるのが
真崎マジック!! だと思っています。

攻様が受様の「お嫁さん」になる約束が果たされるまで
楽しく読ませて頂きました (^O^)/

本シリーズは表紙カバーに
今の2人ともにチビッ子な2人が描かれているのですが
それがいつも可愛くて大好きです♡

0

今度こそと思ったけど…

「もふもふ遊郭の初夜花嫁」「もふもふ狼王の寵愛花嫁」と読んではガッガリして来ましたが、今作が1番残念でした。

このシリーズはいつも何処か足りないと思ってしまうのですが、今回は結末で「えっそれで終わり?」って思ってしまいました。
いつ面白くなるのかと我慢して最後まで読みましたが、あとがきが現れた時にはその後にSSが無いかと何度も確かめてしまいました。

サラッとしてて読みやすくて、記憶に残らない作品だと思います。良くも悪くも真崎先生らしいと思いました。

2作目は1作目よりは好きだったんですが、3作目でまた分かりにくい攻めが好きになれなかったです。

そして春日の長兄はどうなったんでしょうね?

最後の2人が初めて結ばれるシーンなんてつまらなくて流し読みでした。
時間を返して欲しいです。

1

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP