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地方のＴＶ局が舞台
ごく普通の恋愛ものだと書かれていましたが、放送作家とディレクターというくみわせでしっかりしたお仕事ものだったので、ガッツリした恋愛ものというわけでもなく、新鮮でした。
しかし、恋愛ものとしてはちょっと薄めに感じたかも。仕事や業界についてはしっかり説明されていて下調べもしっかりしていると感じました。
主人公の幸也は就職に失敗し、地元の放送作家として働くことになりますが、そこで出会った番組ディレクターの高澤は何故か自分にだけ無愛想。
最初は何故か冷たい高澤に読んでいるこっちも悶々するんですが、どちらかというと追う恋ではなく追われる恋でした。
冷たいと思っていた高澤が実は幸也に気があるとわかるのが結構早く、仲が悪いまま進むお話でないだけ安心感はあるものの、あっさりしすぎていて薄味なきもします。
結局高澤は幸也が嫌いなのでなく好きなのか･･･と少し平坦な感じもしました。
ライバルとして現れる一光も魅力的な男性です。しかし、特に三角関係ものというわけでもありません。
結ばれるまではあまり当たり障りのない展開だったために物足りなさは感じました。
あらすじにある、「自分にだけつめたい」という設定が早い段階でくつがえってしまったので、特に問題もなく２人は結ばれたなあという感じでした。
高澤と初めて寝たあとに、幸也が「人を好きになってしまった、それが怖い」と感じる気持ちも、何だか唐突に感じてしまいました。
なので、恋愛ものもしてはものすごく楽しめたかとか、萌えたかというとそこまでではないと感じたのですが、地に足のついたお話という意味ではしっかり書かれていると感じました。
そしてこの方の文章が丁寧で透明感があるといつも感じます。
主題が田舎などをテーマにした番組を作るお話だからか、雰囲気は静かで素敵でした。
お仕事BLとしての面白さ
わぁ…新藤まゆりさんのイラスト作品だったのですね。久しぶりに読んだら最近のクールな画風とはかなり印象が違っていて新鮮な驚きでした。
さて、地方のTV局を舞台にした若手の敏腕ディレクター×頑張る新人構成作家のお話です。攻の高澤は分かりやすいツンデレで受の幸也もテンプレのような可愛いキャラクターなので、恋愛面では想定どおりの展開かな～。強烈な萌えは感じませんでした。
菱沢九月さんの作品は…丁寧すぎて私はたまに退屈に感じてしまう時があるのですが、こちらの作品は長さもちょうど良く、お仕事BLとしての面白さもあったので楽しく読めました。
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