電子限定かきおろし付
theメリバという感じで、面白かったです。
二人が最終的に幸せになれる結末で良かった、と感じます。メリバ好きな方はハマると思う。
メリバ苦手な方以外はいけると思う!おすすめ!と言いたいところですが、一つだけ注意点。
ネタバレになってしまうので多くは話せませんが、本当にショッキングな描写が最後の方にあって私は若干トラウマ気味になってしまいました。
グロシーンではないのですが、なんというか、「現実ではこういう性犯罪もあるのかもな」みたいな…
すごくキャラクターにも愛着が湧いていたので、正直結末よりもその描写の方がかなりショックでした。
勿論、その描写があったからこそ、最後の"本人たちにとってのハッピーエンド"がより際立つんだと思いますし、私はそこも含めて神作品だと思います。
なので、そこだけ注意かなーと思います。
ごちゃごちゃ書きましたが、私はこの作品が大好きです。
表紙に惹かれて上下巻まとめて購入しましたが、初のメリバ作品を買ったので期待と不安で読み進めました。
結果、良作過ぎて泣きました。上巻は伏線張りまくりって感じでこの後どうなるの?この人は重要人物なのでは?、、と色々考えさせられました。
下巻では伏線回収が凄かった。不幸が重なりすぎて葵兄ちゃんがいなくなっちゃったのは涙無しでは見れませんでした。
最後の最後にタイトル回収され2人が幸せそうだったので「これからはずっと一緒にいられるね」と少々苦しかったけど良かったです。
福ちゃんと葵兄ちゃん、2人で幸せになってくれ
面白かった。
「幼馴染の兄ちゃんが当時の姿のままで現れ……」な時点で「あっ」と察する読者は多い。あなたの予想当たってます。
ぶっちゃけ「切ない」「感動」「涙」よりも、「鬱」「ホラー」「グロ」が頭に残ってしまった……。
まずこの漫画を明確におすすめできない人がいて
・ショタが苦手
・児童虐待や未成年者への犯罪描写が苦手
・鬱耐性がない
・ハッピーエンド>>メリーバッドエンド
・幽霊が物理的な干渉をしてくると冷める
上記の条件にあてはまる読者は回れ右。
特に二番、葵の回想シーンが結構キツい。
直接的な挿入描写があるわけではないのだが、犯人が跨って……のシーンは、散らかった部屋の生活感も相まって胸糞悪いリアルさに溢れていた。
葵と同年代の子供がいる人にはちょっとショッキングかも(気にならないならまあ……)
葵の年齢は作中名言されてないが、高校生にしては幼すぎるので中学生だろうか?
下巻では彼がアパートにいた理由が明かされ、運命的な偶然にやりきれなさを覚える。
とはいえツッコミどころもあり。
嫌がらせの犯人=葵(霊)=警告だとして、もうあれサイコキネシスとかポルターガイストの領域だと思うんだが、死後14年程度の霊がそんなフィジカルな攻撃できるのか?
嫌がらせ見てると千年閲した悪霊級のパワーでは……無念な死に方だったのはわかるがさすがに……。
葵と福太、受けと攻め交互の回想を挟んで心情を掘り下げていくのはよかった。
福太にとって強くてかっこいいヒーローだった葵の家庭が実は……というのは漠然と予想していたが、母親は病んでいるな……。
父親の浮気発覚前まで幸せだった事を考えると、彼女も最初から悪い母親だったわけじゃないのが辛い所。
やり方は間違ってたし、取り返しが付かない結果に繋がってしまったにしろ、心の底では息子を愛してたと信じたい。
読んでて一番メンタルがへこんだのは過去の葵が精神的に追い込まれていく所だった。
葵は福太を守ろうとして出てきた。
福太は葵の為に過ちを犯してしまった。
というか上の住人が少年性愛者だったとして、180センチ台後半成人済みの男に手を出すはずがないので、身も蓋もない言い方すれば葵の暴走が今回の惨劇を招いたんだよな……。
それでも福太があの結末を選んだのは、他の誰でもなく葵が一番だったからだよなあ……。
押し入れの菓子缶の中身は葵の遺骨で、葵が憑いてたのはアパートにあらず自分の骨。
読みながら思い浮かべた作品は「僕だけがいない街」「幸色のワンルーム」「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」「ハッピーシュガーライフ」などで、パクリではないが雰囲気がよく似ている。
BLの文脈ではどうだか知らないが、一般向けだと割とこの手の作品は多い。
ラストが賛否両論なのも納得。
個人的にはあんまり好きじゃない終わり方だった。アレじゃ葵が出て来た意味は……
いや、最後には葵も納得してたけど、「福太を守る」って大前提の目的は達せてないよね?
たとえ福太自身があの結末を受け入れたとしても、その事実を後で知らされる人達の胸中を考えると、あがいて苦しんで生きてほしいと願ってしまった。
終盤で福井に帰った際、葵の母親に会ってほしかった(もう引っ越してるのかもしれないけど)
葵が「愛されてない子供」だと思い込んだまま、逝ってしまったのは辛すぎる。
もう手遅れだし偽善なのは十分承知な上で、母親の謝罪と息子への本音を聞きたかったというのはわがままだろうか……。
葵の父親が方言、葵の母親と葵が標準語だったのを踏まえると、結婚して福井に移住したと考えるのが一番しっくりくるのだが、父親が出ていった時点で実家に帰る事ができなかったのか疑問符。色々事情があったのかな……。
葵母のやった事は絶対許されることじゃないし、彼女が与えなかった愛は福太が与えたんだろうが、うーーーーーーーーん……とモヤモヤしてしまった。
福太は葵にいちゃんに食べてほしいから料理の腕を磨いたのに、再会した時は食べられない体になってた、っていうのは切ないなあ。
BLとして読めば受けと攻めが抱き合って逝った綺麗な終わり方。
片やヒューマンドラマ成分を求めてしまうと、「お前らはそれでいいだろうけど遺された人たちは……」とツッコミたくなってしまうのが難点。
あの後骨は回収されたかもしれないが、やっぱりちゃんと墓に納骨して、そこに福太が手作りクッキーをお供えする……みたいなラストじゃだめだったのかな。
そんなありきたりな最後じゃ名作にならないし、記憶にも残らないのはわかってる。
あの時体を張って福太を守った葵が、再会した事で福太と心中に至る、というのはいくらなんでも救いがなさすぎる。
いや、葵の孤独が救われたならハッピーエンドと解釈できなくもないか。でもなあ……。
平凡だのありきたりだの腐されようと、やっぱり生きていく結末が好きです。
真相がわかってから読み返すと濡れ場がシュール。これ、視覚的には一人でしてたって事だよな……幽霊でも勃起や射精するのか……。
福太が「Free!」の真琴に見えて、脳味噌がバグったことも付け加えておきたい。
これはBL漫画だけど、葵みたいな……あるいはもっと酷い最期を迎えて、今も押し入れや山奥に眠ってる子はたくさんいるだろうな。
読んだあとすごくしんどかったけど、読み応えがすごくあった。すごくしんどかったけど。。こんなに闇なBLはひさびさというか初めてで、しばらく心にこびりついているような感じでした。