イラストあり・協力書店&電子書籍共通 特典ショートストーリーつき
表紙に惹かれて購入しましたが、手嶋サカリ先生!プライベートバンカーですごく好きだなーと思った作家さんでした。
性別とは別に、支配欲と被支配欲があるDomとSubどちらでもないNomalに人間が分かれているということが近年判明した世界。受の静は警察官。Dom Subを擬似体験でき、元々Dom Subの人はその傾向が強くなり快感が強烈なものになるセックスドラッグを追う対策本部に、エリート官僚の櫛田とペアで動く事に。その中で静は誤ってドラッグを吸い込んでしまい…というお話。
事件の真相までのお話も面白く、真犯人が思ってもなかった人だったので驚きました!
BL面では、Domの櫛田に助けられて惹かれていく静の様子が分かりやすく描かれていて良かった。普段標準語の櫛田がプライベートでは関西弁で、それがすごくえち面で効いて色っぽい!
甘いSM的な関係なので、初心者でも読みやすそうと思いました!
Dom/Subユニバースが好きでコミックスでは色々と読んでいましたが、小説では初めて読みます。
どんな風に表現してくれるのか楽しみでしたが、結論としてとても面白かった!
しかも、設定は好みの警察もの。サスペンス。犯罪の謎解き的な。
主人公はエリート警察官の羽田静。
勿論本人が優秀なんだけど、彼は実は国会議員の庶子。周囲も皆知っていて七光りと見られている。
そんな静だが、父親の息のかかったDom/Subドラッグ捜査の特捜班で現場を知らぬ厚労省のエリート官僚・櫛田と組まされる事になり…
捜査中のアクシデントでドラッグを吸い込みSub性が覚醒してしまった静。
不安定な体調と、Domの櫛田との関係性はどうなる⁉︎
そして、ドラッグの元締め組織を摘発し壊滅できるのか⁉︎
…とストーリーはスリリングに進んでいきます。
性欲とは違う支配されたいという欲望。
擬似パートナーを申し出てくれた櫛田との「プレイ」は、セックスはしないという櫛田の言葉に反して非常に性的。
プレイでの快感に酔い、冷徹な表情の下で優しい思いやりを見せる櫛田に惹かれていく静。
だけど、櫛田にも過去があるわけです。
櫛田が好きだけど、心を抑える静。
同時に恩田というSub患者がドラッグ組織に絡んでいる事がわかり…
この辺で犯人はわかってしまう感じなのですが、この後静が犯人に無理矢理薬物を使われてプレイ以上の行為/ほとんど強姦/コマンド、をされてしまう描写あり。
心と体が引き裂かれる静の描写は迫力十分。
また、恋人になってDomの発情を迎えた櫛田のリアルなセックスはかなりねちっこく、こちらも迫力十分。
普段クールな櫛田が柔らかな関西弁を使う時。それがプレイの序章。
この設定もなかなか効果的だと思いました。
Dom/Subはコミックス、小説共に経験無しで、こちらが初めて読んだ作品です。
そもそもオメガバースは刺さらずで、最初は小難しい設定やなー、どうかなー、と読み出すまでが長かった…。ついつい後回しにして他の作品を読んでしまったり(笑)
で、読みだしたら意外とスルスル進んで、警察ものというのもあり、挿絵のDom(攻め?)がイイ男ですっかり一気読み。
ストーリーは違法ドラッグの摘発を主題に、Dom/Subの症状?を絡めつつ、主人公の静が櫛田に惹かれていく様が書かれています。
コレがいい。次第に好きになっていく、櫛田の真摯な振る舞い、過去の出来事からパートナを作らないとはいえ、親身に覚醒してしまった静をサポートします。
支配する側の櫛田のキャラクタに萌。そりゃ静じゃなくても惚れますわ〜。支配の仕方というか、加減がちょうど良いんだなと。標準語と関西弁の使い分けがとても上手。この設定のおかげで、櫛田の精神状態というか気持ちの在処がわかりやすく表現されてると思います。
君塚に支配されてしまった静が、櫛田のグレアと「僕のもんになれ」の言葉で君塚の支配から櫛田の支配へ切り替わるところとか、愛を感じます!
最後はお互いにパートナになり、同じ組織の中で働いていけるというハッピーエンド。
読後感もよく、読んで良かったなと思いました。
「君が優しくせんとってって言う時は、優しくしたい」
Dom/Subユニバースを活かした事件と捜査のお話で面白かったです。性指向を操作できるクスリ(ニュートラルをSubに近づけたり、より快楽を生むセックスドラッグ)は確かに気になるし蔓延るのが理解できる。
捜査の流れは面白かったのだけど、静はクスリに巻き込まれて2度も危うくなるのは流石におっちょこちょいが過ぎるし、大体危機の前は櫛田が不在になるし、濡れ場が薬の効果から癒す為とかお仕置きみたいなのとか最後まであんまり甘くないのがちょっと思ってたのと違いました。
そしてもっと違ったのは櫛田の関西弁。これ出生や事件や話に何ら関わらないし、柔らかい雰囲気が出るとはいえキメのシーンで気が抜けちゃったよ…
微妙に思う所はいくつかありましたが、最後の恋人としての行為で、櫛田が浅く焦らして静を泣かせるのが堪らないっていうシーンがあってめちゃめちゃ良かったです。その後の電子特典SSでもあって滾りました。
絵柄は刑事ものの割に余り重厚さがなく内容に合ってない気がしました。カラー絵に比べ白っぽいし。
初めましての作家さんと小説では初めての設定です。
支配とか服従とかちょっとな…と思ってましたし、読んでみてやっぱりその部分はそこまで萌えなかったのです。
ストーリーや事件捜査や犯人を突き止めたりがとても読み応えがありました。
そしてなにより攻め櫛田!最高だよ!
受け静視点でしか書かれない櫛田。静を通してしか櫛田のことはわからないのですが、こんなん惚れるわ!
美形エリートで無表情。しかしそれは自分の特性を他者に影響を与えないため。
本当はべつに気難しくもなく、世話焼きで心配性で。そして熱い想いを抱えていて…。
二人がだんだん互いのことを理解していく様子に、櫛田のことがわかってくると、もう夢中になりました。関西弁ずるいでしょ〜。
最後のエッチは発情ということもあり、命令があったりで、ここまで神だったけどエッチが残念だな…と思ったら!
はぁ〜、とことん尽くす攻め、甘やかし管理し可愛がり。しかも互いがパートナーとしてぴったりなんて最強でしょう!
静も一皮剥けて(精神的にね!)父の支配や七光りも利用してやろうって思えるようになって。
あとやっぱり攻めが受けを可愛いと思ってるのって自分にとっては大事なんですよね。
このお話はそうじゃないのかな?と思ってたら最後にちゃんとあって良かったです。