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表題作みのりの森

昌典,町役場に勤める青年
渋谷実,亡き慎太郎の友人

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

町役場に勤める昌典は、ある日、東京にいた親友・慎太郎の訃報を聞かされる。悲しむ間もなく葬儀の手伝いをしていると、突然見知らぬ青年が会場に現れた。男は実と名乗り、慎太郎の東京での友人で、四十九日の間はこちらにとどまるつもりだという。実を自宅に泊めることにした昌典は、その夜、誘われるがまま彼と一夜を共にしてしまい…!? 親友の死の真相、実の目的、昌典の秘めた恋――。謎と嘘が折り重なり、導き出される想いとは。山深い田舎町を舞台に二人の青年の不器用な恋を描く、珠玉のミステリアスBL!

作品情報

作品名
みのりの森
著者
まりぱか 
媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス・リンクスコレクション
発売日
電子発売日
ISBN
9784344849365
3.8

(117)

(43)

萌々

(36)

(20)

中立

(14)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
19
得点
433
評価数
117
平均
3.8 / 5
神率
36.8%

レビュー投稿数19

生きるとか死ねないとか死とか

大きな打撃を受けた後、自分はどうするのか?死なない限り生き続けます。生死のチョイスと生を選んだ場合又は死を選べなかった場合の生き方。そんなお話だと思いました。

評価がバラつく理由は恐らく最後まではっきりスッキリしない点があるからかな、と思いますが、私はそこが良かったと評価しました。やっぱり「死人に口無し」で不明瞭なケースが多そうな気がしましたし、そのモヤモヤ感の為にみんな気持ちの切り替えし辛い→でも切り替えなきゃさ!という頑張りに焦点が当たったかな、と感じています。

11

スッキリしなさも含めて良かった

すごく良かったです。号泣はしなかったけどすごく心に残る作品でした。

キャラの心情が丁寧に描かれてて、でも重すぎず表情豊かに描かれているので読んでても辛くなりすぎませんでした、でも最後残るものがある。

人の気持ちはその人にしかわからないし、それを全部説明しなかったところに私はすごく誠実さを感じました。
理由はたぶんつけようと思えばいくらでも納得いく形でつけられると思うんですが、それをされなかったからこそ安心して最後まで読み切ることができました。

人生はスッキリしないこともあって後悔も残るしもっとこうであればとか色々考えるけど、それでも前を向いて生きて行けたらいいなと思うような最後でした。

9

君と過ごした日々のその先へ

幼馴染みの慎太郎を亡くした、地元の役場で働いている明るく優しい昌典(攻め)と、慎太郎の葬儀に突然現れた、自称東京での慎太郎の友人の謎多き青年・実(受け)の、大事な人を失って迷った者同士が手探りながら手をとってやがて道を見つけ出す、シリアスラブストーリーでした。参考までに書くと、表紙の顔が見える彼は受けの実です。死ネタあり、というかむしろ主題です。ネタバレ気味になりますが、感想を書こうと思います。

切ない。やるせない。でも面白い。
私の中でいろんな感想が出てきたけど、一番ピッタリ来るのがこれです。私は電子で買ったのですが、297ページありまして、その中に色んなテーマ、伝わってきた思いが沢山ありました。

どうして?どうして??と、何かヒントや手がかりは無いかとページをいったりきたり拡大したりしながらあちこち読みましたが、真実はわからなくて、憶測の域を出ないんです。初めはそこにもどかしさや歯がゆさを感じましたが、昌典と実、慎太郎の母の気持ちを追いかけると、段々とその割りきれなさがキャラクターとシンクロしてしまい、「それもそうか」とストンと落ちて納得してしまい、同時に切なくなってしまいました。

「彼」と「彼」の過ごした十数年
「彼」と「彼」の過ごした約2週間
「彼」と「彼」の過ごした49日間
それぞれの時間が、かけがえなく、繋がっていて。

二人を通して前向きになれる、素敵なお話でした!

7

深くて心に残る作品


自分は作品を読んで号泣しました。

ストーリーは、慎太郎の自殺をから繋がっていく人物たちが交わってそれぞれの心情が絡み合っていく物語です。

読み終わった後の感想は、『腑に落ちない』『やるせない』でした。物語の軸となる慎太郎という人物の自殺ですが、慎太郎はどこか他人と違う脆さを持っていて闇をかかえているという表現だけで結局なぜ自殺をしてしまったのかが分かる表現やセリフなどが無く、そこが1番腑に落ちないところでもありました。

慎太郎の死に、たくさんの人物が悲しさや悔しさ、懐かしさなど思うことは様々です。昌典や実の流す涙を見るとこちらも涙が出そうになります。しかし、そんな彼らも誰もかもどこか諦めてるというか『なぜ死んだのか』を知ろうとしてないんです。言うならば、『そっか、死んだのか』という感じです。まだこの世にいるような雰囲気です。

だからこそなのか、読んでる側の腑に落ちない感覚も段々と無くなっていくのだと思います。
でもやるせなさだけはずっと頭にこべり着いていて、
凄く頭にも心にも残る深い作品だなと思いました。

レビューを書いてる皆さんも言っている通り、死ネタ軸として発展していく物語なので抵抗がある方は少なくないと思います。でも、自分は読んで良かった。出会えて良かったと思う作品です。
もし、少しでも興味があるなと思ったのであればぜひ読んでください。

3

何度も読みたくなりました

まりぱか先生の話を読むのは「エンドランド」以来2作目です。

エンドランドでかなり泣かされてしまったので、帯の号泣必至‼︎の文に警戒しながら読んだのですが、号泣する程ではなかったです。

親友が自殺という方法で亡くなってしまった昌典と、その親友の友人という実。
謎に包まれた実を家に泊める事にした昌典ですが、寂しさを埋め合わせるように体を重ねてしまいます。

実については最初何も分からない謎に包まれた人でしかないのですが、親友を失ってボロボロになっている昌典に寄り添っています。
時折見せる辛そうな顔や、自己犠牲の域に達している昌典への尽くし方に、何かあるんだろうなと思いながら読み進めました。

話が進むにつれ、親友と実の関係性や、自殺する前の親友の足跡などは分かりますが、親友の死の真相など明らかにならない話もあり、ちょっとモヤモヤは残ります。
でも残された2人の話なので、これが良かったのかなと思います。

全ての真相を知った後にもう一度読み返すと、涙腺が緩むポイントが増えました。
じわじわと泣かせに来ました。

自殺という暗いテーマを扱っているので、人は選ぶ作品ですが、自分は読んで良かったです。

2

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