国一番の騎士である王弟に嫁いたのは、怯えた様子の身代わりの花嫁で!?

狼殿下と身代わりの黒猫恋妻

ookamidenka to migawari no kuroneko koizuma

狼殿下と身代わりの黒猫恋妻
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神10
  • 萌×28
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

61

レビュー数
3
得点
85
評価数
19
平均
4.5 / 5
神率
52.6%
著者
貫井ひつじ 

作家さんの新作発表
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イラスト
芦原モカ 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784041118689

あらすじ

公爵領で働く黒猫のシェインは、ある事が原因で声を失っていたが、使用人仲間と平和に暮らしていた。だが猫獣人の国の末王子の身代わりの花嫁に仕立て上げられ、狼獣人の国の王弟・ランフォードに嫁入りすることに。一方、鋭敏な嗅覚で感情まで嗅ぎ分けるランフォードには、シェインの怯えと悲しみが手に取るようにわかり、噂と違う様子に疑問を抱く。ランフォードはシェインを保護し「君が家に帰れるように尽力する」と約束するが、偽りのない純粋なシェインに惹かれ…?

表題作狼殿下と身代わりの黒猫恋妻

ランフォード・フェイ・ルアーノ,狼獣人のウェロン王国の王弟
シェイン,猫獣人のヴェルニル王国の末息子の身代わり

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数3

伝わる想いを信じて

今回は王弟の狼獣人と口のきけない猫獣人のお話です。 

王子の身代わりとなった受様が
攻様の番として幸せを掴むまで。

猫獣人のヴェルニル王国は長く
狐獣人のアンデロ王国と小競り合いをしていましたが
隣国の狼獣人のウェロン王国の協力を得て
長い戦に終止符を打ちます。

その戦いでウェロン王弟である攻様の働きは目覚ましく、
ヴェルニル王は友好の証として同性ではあるものの
未婚の末王子を攻様の伴侶にと申し出ます。

しかしこの婚姻に末王子にも攻様も乗り気ではなく、
末王子は恋仲の公爵子息の提案を受けいれ
それを実行に移します。

公爵領は王国の片田舎に有り
猫獣人の受様は領地の別邸で下働きとしています。

受様は幼い頃の暮らしで声を失い
母に捨てられて道端に倒れていたところを
別邸の管財人に助けられ屋敷にやってきます。

受様はその生い立ちと末王子と同じ名を持つ事で
公爵子息に末王子の身代わりにと目をつけられ
屋敷から拉致されるのです!!

受様は王子に身代わりがバレたら
別邸で働く仲間達を酷い目に遭わせると言われ
抵抗できずに隣国に向かう馬車に乗せられます。

王城では武装した兵と重鎮達とともに
婚姻相手として攻様も待ち受けていました。

攻様は幼少期から敏感すぎる嗅覚で
汗の一滴でも相手の感情を見抜いてきましたが
その特性は相手の真意や嘘までも伝えてきて
攻様は人間不信でもあったのです。

そのため伝え聞く末王子に良い感情を
持っていませんでしたが
馬車から漂ってきた感情の匂いは
悲しい、怖い、辛い、寂しい、怖い、怖い、怖い。

予想していた軽蔑も、不遜も、高慢さも微塵もなく
体臭も無垢なモノだったのです!!

人の感情を読む攻様を相手に
受様は末王子の代わりを務められるのでしょうか!?

狼獣人国と猫獣人国の友好の証である婚姻のため
猫獣人の王子を娶る事になった攻様と
婚姻を嫌がった王子に身代わりにされた受様の
もふもふ系身代わり花嫁モノになります♪

攻様の鼻がとっても利く事で
受様は早々に偽物だとバレてしまうのですが
聡い攻様は受様の事情もほぼ正確に見抜きます。

しかしながら受様が事情を語らないだろう事、
本物の末王子が行方が分からない事、
そしてこの婚姻が政治的な背景がある事から
受様は攻様の預かりとして過ごす事になるのです。

人間不信な攻様ですが
おびえる受様は純真無垢なぴゅあびゅあちゃん、
まずもってほだされちゃうのですが
そんな攻様に受様も心を許していくので
どっぷりハマっていくのは必定!!

受様を偽物と知らない者達の害意、
受様を思うがゆえの攻様の決意、
傍若無人な末王子の傲慢、
保身のためのヴェルニル王の策略、

受様が攻様の大切な唯一の伴侶となるまで
ハラハラ&ドキドキ、
たいへん楽しく読ませて頂きました (^-^)/

末王子にも受様を可愛がっていた使用人達にも
納得いく結末が用意されていたのも
とっても良かったです。

1

幸多かれ

先生買い。今後も先生買いしようとめっちゃ思いました。攻めがめちゃ好き&お話の終わり方が好きだったので萌2にしました。うーん読んで良かった。イケメンがしれっと溺愛するお話がお好きな方におススメしたいです。本編220P弱+あとがき。今までのひつじ先生のご本の中で一番好きかも。

猫獣人たちが暮らすヴェルニル王国の田舎ダンザで、ロールダール公爵の館に下働きとして仕えているシェイン。公爵家領を取り仕切っているマクガレンに拾われ、館で働く皆に何かと面倒を見てもらっていたのですが、ある日突然訪れた公爵家五男に呼び出されたと思ったら、姿を消してしまい・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
ウェロン王国国王(攻め兄)、シェイン王子(ヴェルニル王国末王子)、ダルニエ(ウェロン王国の医師)、カーライル(攻めの甥)ぐらいかな。国王様が良いです♡イケメン♡(王妃と11人の子持ちだけど)

**好きだったところ
受けさんは幼い頃に母親から受けた仕打ちによりお声が出せません。いい人たちに拾われ面倒みられ、周囲全てに感謝して過ごしている絵に描いたような善人さん。ぴゅあぴゅあ。シェイン王子のくそったれな企みでウェロン王国に連れてこられて、右も左も分かんないし言葉で説明できないし、「怖い」とひたすら馬車の中で泣いているようなお子様!(ここで「けっ泣くんじゃねえ」とならなかった!あまりに不憫で)

なんと本編中、ほんと喋らないで終わるんです。攻めさんの掌だの肩だのに指で書いてコミュニケーション。これが庇護欲そそって、ほんと弱っちい、よく泣く子なんですけど「けっ」とならなかったのかも。

より好きだったのは攻めさん。匂いに敏感でそこから感情まで分かってしまう方。あまりに周囲の表裏ある環境が辛くて鼻から下を革製の防具で隠している方。武人で寡黙となれば初見「おっかない」(でもイケメン)。

その方が、ぴゅあぴゅあ表裏なしの受けさん感情をもろにクラって、多分一目惚れなんじゃないかなあ(明記なし)。連れてこられた馬車から抱っこして自分の居城に連れて行って(この段階で周囲は驚愕)、泣きじゃくる受けさんを宥めて落ち着かせて。

その後もあれやこれやと毎日半日以上、面倒見。狼獣人の特性である臭い付けを強烈にやって(イタしてるのではなく、抱っこして宥めてという過程で強烈匂い付け)、周りにはバレバレ、猫獣人の受けさん本人はなんのことやらさっぱりという状態。

最初は甘い様子ではないです、面倒見ている!という様子なのですが、それが想いが通った後はもう大変。兄王が「私ですら三日だ」という巣ごもりをなんと6日。受けさん大変。立てなくて兄王に挨拶に行く時はもちろん抱っこ。恥ずかしいから「おろして」と肩に字かいて頼むけど「立てないだろう」としれっと抱っこ継続。

あー上手く書けない。臭いが分かる故に人を避けていたはずな「コワイ武人王弟」が不憫黒猫を伴侶として囲い込むお話なんですよう。攻めさんがにこりともせず溺愛しているという様子が面白いと思ったのですが伝えられているかなあ。

最後がまた良くって。受けさんの故国で働いていた公爵家の使用人の方々の顛末があるのです。マクガレンがある日、公爵代理として隣国王弟とヴェルニル王国王子の婚礼に招待され、「来てほしい」と連れて行かれたウェロン王国の王弟居城で出会ったのは・・というエピソード。

ここダメだったですね、シェインとマクガレンと一緒に泣いちゃいました。ほんといい人だ、この公爵家の方々は。墓にまで持っていく嘘はできちゃったけれど、末永くこの使用人の方々にも幸多かれと思った素敵なお話でした。先生、お話有難うございました。王道なお話だと思うのですが、ファンタジー大丈夫な方、読んでほしいなあ。

4

奥行きのあるストーリー展開が秀逸すぎて。

初読みの作家さま。
あらすじと、可愛らしい表紙に釣られて手に取りましたが、めっちゃ良かった…!スパダリ攻めさん×薄幸受けさん、が個人的にドストライクな設定なのですが、もうその性癖ドンピシャな一冊でした。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





獣人たちが住まう世界、が舞台。
猫獣人のシェインは、なぜかは分からないが言葉を話すことができない。
父親は彼の記憶にはなく、母親もまだ幼かった自分を捨てて出て行ってしまった。お腹が空いて、でも親はなく、そして言葉を発することができない彼は力尽き倒れてしまった。

そこを助けてくれたのはマクガレンという男性。マクガレンは猫獣人たちが住まう国の侯爵家の領地のお屋敷の管財人。シェインはマクガレンの働く屋敷で保護され、そこで働く使用人たちと共に働くことになった。親からの愛情を受けたこともなく言葉も話せないシェインにとって、そこの仲間たちは優しく温かく、まさに「家族」となっていく。

ずっとこのまま仲間たちと幸せに過ごしていける。

そう思っていたシェインだったが、ある日半ば脅される形で狼獣人の国の王弟の伴侶になる自国のシェインという名の王子の身代わりにされ、連れていかれてしまう。話せず、とある理由から自分は王子ではないことを伝えることもできないシェインは恐怖におののくが、彼が身代わりとなって嫁ぐ予定だった狼獣人の王弟・ランフォードは意外にも優しくて―?

というお話。

シェインという男の子は薄幸さんなのですが、薄幸なだけではないんですね。親には恵まれはしませんでしたが、良い人に助けられ、言葉が話せなくても、教育を受けていないために文字の読み書きができなくても、優しくおおらかな仲間に出会い、そして幸せに暮らしていた。薄幸な受けちゃんてドツボなのですが、かといって薄幸すぎると読んでいて悲しくなってしまうので、そのバランスがめっちゃ良くて、ほっこりしながら読み進めたのですが。

シェインを身代わりにした王子のシェイン。
二人とも「シェイン」なので、描き分けるために王子のシェインは「王子」と書きますけれども。
この王子さまがとんでもない野郎ででしてね。「野郎」って書くとごつい男をイメージしてしまうかもですが、めちゃんこ美人さんなんですね。で、ビッチさん、と。

王子はずいぶん身勝手な理由でシェインを身代わりにするのですが、そこに至る経緯がきちんと描かれていて、話が上滑りしていない。このストーリーの組み立て方が非常にお上手です。

ストーリーは二転三転するのでバックボーンはてんこ盛りなのですが、読みやすい文体、そしてストーリー展開なので置いてきぼり感がなくスッとストーリーに入り込める。

で、シェインが身代わりになって嫁ぐことになったランフォードも。
彼がカッコ良いのなんのって。シェインは言葉を話せず意思疎通が難しいのでは?と思ったのですが、ランフォードがシェインの気持ちを汲み取ることができる、その理由がきちんとあるんですね。突拍子もない理由ではなく、ストンと納得できる理由なのも素晴らしい。

性に奔放でわがまま放題、と噂されている王子・シェインと、ランフォードの目の前にやってきたシェインとのその違いに、ランフォードはすぐに気づく。そして、少しずつ心を通わせていく二人の姿に萌え。

ランフォードはカッコいいししかも一途だし、シェインは可愛いし、ストーリー展開は面白いし。

お互いに、自分が相手に嘘をついている(というか本当のことを言うことができない)という状況のために、相手に対して遠慮があったりするのも良い。スパダリ攻め×薄幸受け、という王道のキャラ設定でありながら、その王道さを生かしつつ無理のないストーリー展開に奥行きのある設定、と、非常に読みごたえのある作品でした。

シェインはたびたびピンチに陥りますが、それを救ってくれる周囲の人たちの優しさとカッコよさに悶絶。読後、心がほっこりしました。

文句なしの神作品。
はじめて手にとった作家さまでしたが、違う作品も読んでみたいと思います。

10

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