国一番の騎士である王弟に嫁いたのは、怯えた様子の身代わりの花嫁で!?

狼殿下と身代わりの黒猫恋妻

ookamidenka to migawari no kuroneko koizuma

狼殿下と身代わりの黒猫恋妻
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神36
  • 萌×224
  • 萌7
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
10
得点
298
評価数
68
平均
4.4 / 5
神率
52.9%
著者
貫井ひつじ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
芦原モカ 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784041118689

あらすじ

公爵領で働く黒猫のシェインは、ある事が原因で声を失っていたが、使用人仲間と平和に暮らしていた。だが猫獣人の国の末王子の身代わりの花嫁に仕立て上げられ、狼獣人の国の王弟・ランフォードに嫁入りすることに。一方、鋭敏な嗅覚で感情まで嗅ぎ分けるランフォードには、シェインの怯えと悲しみが手に取るようにわかり、噂と違う様子に疑問を抱く。ランフォードはシェインを保護し「君が家に帰れるように尽力する」と約束するが、偽りのない純粋なシェインに惹かれ…?

表題作狼殿下と身代わりの黒猫恋妻

ランフォード・フェイ・ルアーノ,狼獣人のウェロン王国の王弟
シェイン,猫獣人のヴェルニル王国の末息子の身代わり

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数10

最後のエピソードがすごく良かった

初読み作家さん。溺愛ものでキャラやBL部分は刺さらなかったが、パズルが綺麗にはまっていくような構成が気持ちよく、一気に読めた。最後のエピソードは心が温まるようでじんわり泣けて、ものすごく良かった。

我儘王子の身代わりに仕立てられたシェインと、鼻が利きすぎる狼獣人ランスのお話。理性による制御が利かない耳やしっぽの描写が面白い。ランスが喜びでしっぽをブンブン振りまくるところが特に萌えポイントなんだろうと思う。

ストーリーはフラグ立てから回収までが早い。やきもきすることがなく、ストレスが溜まらない絶妙なスピード。王道で構成そのものには既視感があるが、テンポが良く何も考えずに読める。ちょっと子供の頃に読んでいた本を思い出した。

BLは甘々。物騒なセリフはありながらも口だけで、王子周りはずっとほのぼのしている。しゃべれない不憫受けが純粋な心で攻めを癒やして溺愛されるとか、ランスのあからさまな独占欲や狼獣人の匂いづけ設定など、主観で一切の萌えは無くとも客観視で人気なのは分かるし、ハマったらたまらんだろうと思った。

と、個人的にはくっつくまでの話に心を動かされることはなかったが、その後の話はめちゃくちゃ刺さった!シェインの「家族」に報告するエピソード。
拾ってきた子猫を皆で可愛がる回想から、いなくなって心配する様子も泣けるし、再会の幸せ爆発っぷりも良かった。式で泣いてしまう描写やその後のお屋敷の雰囲気も好き。おとぎ話のようなオチの付け方で、読後感が最高だった。

欲を言えば挿絵のランスはもっとガッシリした体型にして欲しかったかな。本文のイメージとかなり違った。
この作者さんの他の作品も読んでみようと思う。

0

朴念仁 vs 奥手


人を遠ざける王弟がその特性のおかげで声の出ない偽王子と縁を繋ぐ

友好のために隣国の王弟・レンフォード(攻め)に嫁ぐことになった末王子の身代わりに隣国に送り込まれてしまった公爵領の使用人シェイン(受け)。
喋ることができないシェインは怯え泣くことしかできません。
嗅覚の鋭いレンフォードはその匂いによってシェインが偽物であることを看破し、国家間の争いを避けるため、この事態を画策したのがどの勢力なのかを探ることになります。
言葉が発せずひたすら泣き怯えるシェインを匂いで判断のできるレンフォードが世話することになります。

猫獣人シェインは、母親に虐待によって声を失ってしまった捨て子でした。
命の火が消えそうになる寸前、公爵領管財人のマクガレンに保護され使用人として働かせてもらえるようになります。
領地には領主夫妻は滅多に来ないので、使用人たちは家族のように暮らしています。皆に可愛がられ、幸せに暮らしていたシェインでしたが、同じ名前を持つ末王子に拉致され末王子の代わりに隣国へと送られてしまいます。

狼獣人・王弟レンフォードは先祖返りで嗅覚が同族の誰よりも鋭く、他者の感情まで読み取ってしまうため人間不信気味です。
が、それが功を奏して声の出せないシェインの感情を正確に読み取り世話をすることを可能にするのです。


とてもとても良かったです。
自分勝手な末王子たちは酷い人たちでしたが、シェインの周りの人たちがいい人ばかりでした。
今まで不便な生活を余儀なくされてきた二人がやーっとくっついて安心しました。
周りで見ていた、医師や兄王の心労や如何ばかりだったか。

最後は思わず泣きました。優しい家族と再会できて本当によかった。


それにしても、シェインの国は国のためとはいえなんの罪もないどころか被害者であるシェインに全ての罪を押し付けようとするなんて酷すぎる。
反省のかけらもしていない末王子はそれ以上に腹が立ちます。
そして自分がしたことの重大さを国王はちゃんと説明したのだろうか。
国のことをかけらも考えてない自分勝手な母国の末王子は、本当なら3回は首を切られてると言うことなので、ちゃんと制裁を受けてほしい。自分の息子には甘そうな王様なので、ひとめにつかないところに幽閉されながらもわがまま放題してるんじゃないといいのですが。

0

可愛いBLファンタジー

心が洗われる、グリム童話調のファンタジー。読んで疲れない素直な展開。

菫色の瞳の黒猫獣人シェインは、母に嫌われまいとして声を失ってしまう。
ネグレクトしていた母が失踪した後、面倒を見てくれた先は良い人ばかり。
小さな幸せを得たシェイン。
ある日、わがままで性悪な黒猫黒瞳の猫王子の企みに利用されて、シェインは拉致され、王子の身代わりの花嫁に仕立てられる。
でもそれは、正直者のシェインにとって不幸な結果にならなかった。
シェインが優しい伴侶を得るまでのお話。

可愛らしい主人公が、可愛いままで幸せになっていく展開。
苦労の末に、怖い成長をしないでよかった。
人を貶める嘘はついちゃダメよ。

2

ラストまで萌えました(*´ω`*)

初読みの作家さま。
高評価に惹かれて購入させて頂きました。
めっちゃ好きでした(*´∀`)


受け様は猫獣人のシェイン。
親に捨てられ行き倒れていたのを公爵家の管財人マクレガンに拾われ、今では公爵家の下働きとして働く日々。
声を出すことができないけれど、優しい仕事仲間達と穏やかに暮らしていた。

ところが、猫獣国末王子シェインによって狼獣国へと嫁ぐ末王子の身代わりに仕立てあげられてしまう。

仲間達を盾にされ、弁明もできずただ泣くことしかできないシェイン。
声が出ないから泣き声さえ出なくて、涙だけこぼれるシェインに、私の庇護欲があふれました。

狼獣国で出迎えたのが、攻め様である婚姻相手の王弟ランフォード。
嗅覚に優れ、匂いから相手の感情まで悟ってしまうランフォードは、シェインの怯えや悲しみを理解し、すぐに身代わりだと察知。
自ら保護し、かいがいしく相手をする姿に、にまにまです。
溺愛やねぇ(///ω///)♪
独占欲やねぇ( ☆∀☆)

朴念仁と純情ネンネちゃんの初恋にじれじれきゅんきゅんでした。

守られるだけかと思っていたシェインが、ランフォードと結婚するため、1つだけと嘘をつきとおす事を決め、その揺るがない覚悟の強さもよかったです。
そして、シェインが怖い目に合ってると、怒濤の勢いで助けに入るランフォードににやにやしちゃう。

末王子は最後まで自己中心的で身勝手で、ちゃんと勧善懲悪になってよかった。

2人の結婚式に呼ばれたマクレガンのセリフに、シェインは本当に愛されていたんだね、と泣けてきました。
本当によかった。
読後感がとてもよくて、好きな一冊です。



4

溺愛殿下と正直妻

泣けました〜!
公爵邸の下働きの声が出せない黒猫の獣人シェイン。管財人に拾われ命を救われ、職場の仲間にあたたかく世話を焼かれ。幸せに暮らしていたら…。

第5王子は最後まで救いがないですね。まさか最後になってもあんなことをしでかすとは。

銀色の狼獣人ランフォード。隣国の王弟でありながら優秀な国一番の騎士として活躍し。しかし嗅覚が鋭敏ゆえに人を遠ざけるしかなくて…。

この二人が出会ったら…。
あー良かった!ランフォードにとって怒りより庇護欲が勝りましたね。いや、シェインのことを思っての怒りだったけど。
なにくれとなくシェインの世話を焼き、伝えたいことを聞き取り。
なにせ嗅覚が敏感なのでその人の感情がわかっちゃうんですよね。なので上辺や嘘が嫌いで。
でもシェインは嘘がつけないし、純粋でとても良い子で。ただただ悲しくて怯えて泣くだけで。

そんなシェインの伝えたいことをちゃんと汲み取って、大事に大事にしてくれて。

とにかく良かった!ランフォードの溺愛、愛妻家ぶりったら!あんなに無口だったのにまるで別人で。
他人の匂いを嗅がないようにしてたマスクも、シェインの匂いを嗅ぐのに邪魔だと外しちゃって。

王様のレンフォードもお医者さんも公爵邸の管財人さんも下働きのみんなも、とってもとっても良い人ばかりで。シェインはみんなに大事にされてたんだね。

国同士の交渉や言い分や駆け引きに、またシェインとランフォードの為に一生の嘘まで。
とっても読み応えがありました。

初めての作家さんでしたが皆さんの評価で気になって、エイっと買ってみたら神作品でした。一気読みです。

6

読後感、最高。

初読み作家さんでしたが、すごく良かった!

男前スパダリ攻め×不憫健気受けの王道の組み合わせなんだけど、ちょいちょい設定とかキャラの味付けが良くてめちゃ萌えました。
具体的に言うと、匂いで感情まで読み取れてしまう攻めのランフォードと、声がでない受けのシェインってところ。

ランフォードにとって鼻が効きすぎる事は、ただただ煩わしいだけだったんですね。
人が嘘を吐くたびに濁る空気も感知しちゃうし、感情の裏表もわかってしまう。
だから顔半分を防具で覆って、人を避けてひたすら武勇に励んでた。

そんな人間不信気味の男の元へやってきたシェイン。
シェインは嘘とは無縁の子なんですね。
声が出ないゆえに、最低限の自分の気持ちを伝えることで精一杯だったから。
ランフォードの敏感すぎる嗅覚と、空気を濁すことがないシェインの特別感が見事に符号します。

で、シェインがすごく庇護欲をそそられる子なんですよ。
他国へ無理やり連れてこられた不安と悲しみでひたすら泣いてるんだけど、思わずよしよししたくなっちゃう。
読んでる私ですらそうなんだから、もう絶対にランフォードも無意識にズッキューンメロメロだったんだろうなと思う。
おまけに口がきけないシェインの面倒をみれるのは、嗅覚で感情が読み取れる自分しかいない!みたいな使命感に萌えたはず。無意識とはいえ。

そしてシェインは、ランフォードの手のひらとかに指で文字を書いてやりとりするんだけど、ここも萌えるの。
そもそもシェインは自分の気持ちを伝えることに長けていないので、時間がかかるし、やり取りもそのものも拙い。
それをじーーーーーっと待ってくれるランフォード。
そしてその拙いコミュニケーションで、少しずつ心通わせていく姿が、もう萌える。

シェインが本物の王子ではないということが周囲にバレると、両国間の戦争が避けられないので極わずかな人を除いて周囲には隠します。
それが原因で、二度ほどシェインがピンチに陥るんだけど、その時のランフォードがめっっちゃかっこいい!!

ランフォードは狼獣人なので、伴侶に対する執着や溺愛がかなりのものなんですね。
シェインに危害を与える奴は絶対に許さん!!みたいな気概がビッシビシ伝わってくるし、嗅いだ人が威嚇どころか生命の危険を感じるほどの匂いづけとか、そういう描写にいちいち萌えて仕方ない。
つくづく攻めが狼獣人で良かったと思ったし、新たな萌えが開拓できました。

おまけにあんなに人の匂いを嫌がって革のマスクで防御していたのに「シェインの匂いを嗅ぐのに不便だ」と言って、あっさりマスクを外しちゃうランフォード。
もはやシェインは、ランフォードにとって空気清浄機どころか生命維持装置レベルの存在。

そして最後の最後で泣かされたわ。
あの額縁に彫り込まれた文字。
シェインを守るために、そして二人の愛を守るために覚悟を持って一生嘘を吐き続ける。
それを「嘘」ではなく「幸せの秘密」ともっていった着地点が本当に素晴らしくて、読後感が最高です。
シェインやランフォードを取り巻く周囲の人々の暖かさも素晴らしくて、文句なしの神評価です。

この作品がすごく良かったので、他の作品も読んでみようと思います!

6

ネタバレ無しで読んで欲しい作品!

ちるちるさんのレビューランキングの上位に入って来て、気になっていたので電子で購入しました。

貫井ひつじ先生の作品は初読みだったんですけど、ストーリー展開もキャラも魅力的で世界観に一気に引き込まれていました。

ランフォードの嗅覚が優れていて、感情が読み取れるって設定が面白くて、口のきけないシェインの無垢さとかに惹かれて行く過程に凄く萌えました。

それに狼獣人の番に対する習性とか、とても面白くて夢中になって読んだんです。

二人が番になってから残された問題を、どう解決していくのかもとても見事だったんです。
だから気になっていた点の全てが綺麗に回収されてて、読後感がとても良い作品でした。

ストーリー展開がとても秀逸なので、ネタバレ無しで読んで欲しい作品です。

貫井ひつじ先生の他の作品も読んでみたくなりました。

5

伝わる想いを信じて

今回は王弟の狼獣人と口のきけない猫獣人のお話です。 

王子の身代わりとなった受様が
攻様の番として幸せを掴むまで。

猫獣人のヴェルニル王国は長く
狐獣人のアンデロ王国と小競り合いをしていましたが
隣国の狼獣人のウェロン王国の協力を得て
長い戦に終止符を打ちます。

その戦いでウェロン王弟である攻様の働きは目覚ましく、
ヴェルニル王は友好の証として同性ではあるものの
未婚の末王子を攻様の伴侶にと申し出ます。

しかしこの婚姻に末王子にも攻様も乗り気ではなく、
末王子は恋仲の公爵子息の提案を受けいれ
それを実行に移します。

公爵領は王国の片田舎に有り
猫獣人の受様は領地の別邸で下働きとしています。

受様は幼い頃の暮らしで声を失い
母に捨てられて道端に倒れていたところを
別邸の管財人に助けられ屋敷にやってきます。

受様はその生い立ちと末王子と同じ名を持つ事で
公爵子息に末王子の身代わりにと目をつけられ
屋敷から拉致されるのです!!

受様は王子に身代わりがバレたら
別邸で働く仲間達を酷い目に遭わせると言われ
抵抗できずに隣国に向かう馬車に乗せられます。

王城では武装した兵と重鎮達とともに
婚姻相手として攻様も待ち受けていました。

攻様は幼少期から敏感すぎる嗅覚で
汗の一滴でも相手の感情を見抜いてきましたが
その特性は相手の真意や嘘までも伝えてきて
攻様は人間不信でもあったのです。

そのため伝え聞く末王子に良い感情を
持っていませんでしたが
馬車から漂ってきた感情の匂いは
悲しい、怖い、辛い、寂しい、怖い、怖い、怖い。

予想していた軽蔑も、不遜も、高慢さも微塵もなく
体臭も無垢なモノだったのです!!

人の感情を読む攻様を相手に
受様は末王子の代わりを務められるのでしょうか!?

狼獣人国と猫獣人国の友好の証である婚姻のため
猫獣人の王子を娶る事になった攻様と
婚姻を嫌がった王子に身代わりにされた受様の
もふもふ系身代わり花嫁モノになります♪

攻様の鼻がとっても利く事で
受様は早々に偽物だとバレてしまうのですが
聡い攻様は受様の事情もほぼ正確に見抜きます。

しかしながら受様が事情を語らないだろう事、
本物の末王子が行方が分からない事、
そしてこの婚姻が政治的な背景がある事から
受様は攻様の預かりとして過ごす事になるのです。

人間不信な攻様ですが
おびえる受様は純真無垢なぴゅあびゅあちゃん、
まずもってほだされちゃうのですが
そんな攻様に受様も心を許していくので
どっぷりハマっていくのは必定!!

受様を偽物と知らない者達の害意、
受様を思うがゆえの攻様の決意、
傍若無人な末王子の傲慢、
保身のためのヴェルニル王の策略、

受様が攻様の大切な唯一の伴侶となるまで
ハラハラ&ドキドキ、
たいへん楽しく読ませて頂きました (^-^)/

末王子にも受様を可愛がっていた使用人達にも
納得いく結末が用意されていたのも
とっても良かったです。

6

幸多かれ

先生買い。今後も先生買いしようとめっちゃ思いました。攻めがめちゃ好き&お話の終わり方が好きだったので萌2にしました。うーん読んで良かった。イケメンがしれっと溺愛するお話がお好きな方におススメしたいです。本編220P弱+あとがき。今までのひつじ先生のご本の中で一番好きかも。

猫獣人たちが暮らすヴェルニル王国の田舎ダンザで、ロールダール公爵の館に下働きとして仕えているシェイン。公爵家領を取り仕切っているマクガレンに拾われ、館で働く皆に何かと面倒を見てもらっていたのですが、ある日突然訪れた公爵家五男に呼び出されたと思ったら、姿を消してしまい・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
ウェロン王国国王(攻め兄)、シェイン王子(ヴェルニル王国末王子)、ダルニエ(ウェロン王国の医師)、カーライル(攻めの甥)ぐらいかな。国王様が良いです♡イケメン♡(王妃と11人の子持ちだけど)

**好きだったところ
受けさんは幼い頃に母親から受けた仕打ちによりお声が出せません。いい人たちに拾われ面倒みられ、周囲全てに感謝して過ごしている絵に描いたような善人さん。ぴゅあぴゅあ。シェイン王子のくそったれな企みでウェロン王国に連れてこられて、右も左も分かんないし言葉で説明できないし、「怖い」とひたすら馬車の中で泣いているようなお子様!(ここで「けっ泣くんじゃねえ」とならなかった!あまりに不憫で)

なんと本編中、ほんと喋らないで終わるんです。攻めさんの掌だの肩だのに指で書いてコミュニケーション。これが庇護欲そそって、ほんと弱っちい、よく泣く子なんですけど「けっ」とならなかったのかも。

より好きだったのは攻めさん。匂いに敏感でそこから感情まで分かってしまう方。あまりに周囲の表裏ある環境が辛くて鼻から下を革製の防具で隠している方。武人で寡黙となれば初見「おっかない」(でもイケメン)。

その方が、ぴゅあぴゅあ表裏なしの受けさん感情をもろにクラって、多分一目惚れなんじゃないかなあ(明記なし)。連れてこられた馬車から抱っこして自分の居城に連れて行って(この段階で周囲は驚愕)、泣きじゃくる受けさんを宥めて落ち着かせて。

その後もあれやこれやと毎日半日以上、面倒見。狼獣人の特性である臭い付けを強烈にやって(イタしてるのではなく、抱っこして宥めてという過程で強烈匂い付け)、周りにはバレバレ、猫獣人の受けさん本人はなんのことやらさっぱりという状態。

最初は甘い様子ではないです、面倒見ている!という様子なのですが、それが想いが通った後はもう大変。兄王が「私ですら三日だ」という巣ごもりをなんと6日。受けさん大変。立てなくて兄王に挨拶に行く時はもちろん抱っこ。恥ずかしいから「おろして」と肩に字かいて頼むけど「立てないだろう」としれっと抱っこ継続。

あー上手く書けない。臭いが分かる故に人を避けていたはずな「コワイ武人王弟」が不憫黒猫を伴侶として囲い込むお話なんですよう。攻めさんがにこりともせず溺愛しているという様子が面白いと思ったのですが伝えられているかなあ。

最後がまた良くって。受けさんの故国で働いていた公爵家の使用人の方々の顛末があるのです。マクガレンがある日、公爵代理として隣国王弟とヴェルニル王国王子の婚礼に招待され、「来てほしい」と連れて行かれたウェロン王国の王弟居城で出会ったのは・・というエピソード。

ここダメだったですね、シェインとマクガレンと一緒に泣いちゃいました。ほんといい人だ、この公爵家の方々は。墓にまで持っていく嘘はできちゃったけれど、末永くこの使用人の方々にも幸多かれと思った素敵なお話でした。先生、お話有難うございました。王道なお話だと思うのですが、ファンタジー大丈夫な方、読んでほしいなあ。

10

奥行きのあるストーリー展開が秀逸すぎて。

初読みの作家さま。
あらすじと、可愛らしい表紙に釣られて手に取りましたが、めっちゃ良かった…!スパダリ攻めさん×薄幸受けさん、が個人的にドストライクな設定なのですが、もうその性癖ドンピシャな一冊でした。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





獣人たちが住まう世界、が舞台。
猫獣人のシェインは、なぜかは分からないが言葉を話すことができない。
父親は彼の記憶にはなく、母親もまだ幼かった自分を捨てて出て行ってしまった。お腹が空いて、でも親はなく、そして言葉を発することができない彼は力尽き倒れてしまった。

そこを助けてくれたのはマクガレンという男性。マクガレンは猫獣人たちが住まう国の侯爵家の領地のお屋敷の管財人。シェインはマクガレンの働く屋敷で保護され、そこで働く使用人たちと共に働くことになった。親からの愛情を受けたこともなく言葉も話せないシェインにとって、そこの仲間たちは優しく温かく、まさに「家族」となっていく。

ずっとこのまま仲間たちと幸せに過ごしていける。

そう思っていたシェインだったが、ある日半ば脅される形で狼獣人の国の王弟の伴侶になる自国のシェインという名の王子の身代わりにされ、連れていかれてしまう。話せず、とある理由から自分は王子ではないことを伝えることもできないシェインは恐怖におののくが、彼が身代わりとなって嫁ぐ予定だった狼獣人の王弟・ランフォードは意外にも優しくて―?

というお話。

シェインという男の子は薄幸さんなのですが、薄幸なだけではないんですね。親には恵まれはしませんでしたが、良い人に助けられ、言葉が話せなくても、教育を受けていないために文字の読み書きができなくても、優しくおおらかな仲間に出会い、そして幸せに暮らしていた。薄幸な受けちゃんてドツボなのですが、かといって薄幸すぎると読んでいて悲しくなってしまうので、そのバランスがめっちゃ良くて、ほっこりしながら読み進めたのですが。

シェインを身代わりにした王子のシェイン。
二人とも「シェイン」なので、描き分けるために王子のシェインは「王子」と書きますけれども。
この王子さまがとんでもない野郎ででしてね。「野郎」って書くとごつい男をイメージしてしまうかもですが、めちゃんこ美人さんなんですね。で、ビッチさん、と。

王子はずいぶん身勝手な理由でシェインを身代わりにするのですが、そこに至る経緯がきちんと描かれていて、話が上滑りしていない。このストーリーの組み立て方が非常にお上手です。

ストーリーは二転三転するのでバックボーンはてんこ盛りなのですが、読みやすい文体、そしてストーリー展開なので置いてきぼり感がなくスッとストーリーに入り込める。

で、シェインが身代わりになって嫁ぐことになったランフォードも。
彼がカッコ良いのなんのって。シェインは言葉を話せず意思疎通が難しいのでは?と思ったのですが、ランフォードがシェインの気持ちを汲み取ることができる、その理由がきちんとあるんですね。突拍子もない理由ではなく、ストンと納得できる理由なのも素晴らしい。

性に奔放でわがまま放題、と噂されている王子・シェインと、ランフォードの目の前にやってきたシェインとのその違いに、ランフォードはすぐに気づく。そして、少しずつ心を通わせていく二人の姿に萌え。

ランフォードはカッコいいししかも一途だし、シェインは可愛いし、ストーリー展開は面白いし。

お互いに、自分が相手に嘘をついている(というか本当のことを言うことができない)という状況のために、相手に対して遠慮があったりするのも良い。スパダリ攻め×薄幸受け、という王道のキャラ設定でありながら、その王道さを生かしつつ無理のないストーリー展開に奥行きのある設定、と、非常に読みごたえのある作品でした。

シェインはたびたびピンチに陥りますが、それを救ってくれる周囲の人たちの優しさとカッコよさに悶絶。読後、心がほっこりしました。

文句なしの神作品。
はじめて手にとった作家さまでしたが、違う作品も読んでみたいと思います。

17

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