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封印された聖獣×虐げられた王子
うは〜…この作品のオチは良い。とびっきりスカッとしました
期待を裏切らないストーリー展開と結末。そして悪はコテンパンにとっちめるスカッと読後感……最高です。
貫井先生の、不憫で不幸な主人公が最後には笑顔になるお話が大大大好きで大好物です(≧∀≦)
こちらの作品の主人公もね、ほんっとにムカつくほど周囲に冷遇されていてイライラします。
目の色が王族の血筋じゃないってだけで、家族や王宮の面々に疎まれ避けられ続けている第一王子・フィンリィ。彼は聡明で努力家なんですが、産まれる前から誰にも愛されることを知らない環境で生きていくんです。フィンリィへの態度が酷すぎて、両親や馬鹿な弟、宰相たち……全員私の脳内で葬ってやりましたがね(笑)
ま。でもそこは安心して下さいね、作者さんがちゃーんと筆の力でヤツらに天罰を下すので、最後の最後までお楽しみ下さい^ ^♪
そんな不遇な環境で独りぼっちで生きてきた王子と、彼が拾った謎の獣・カイとの二人三脚なドラマチックストーリーです。
カイはフィンリィにとっての「家族」。唯一心を許せる相手です。悲しみをたくさん抱えるフィンリィにとってカイは無くてはならない存在で、こんな環境でも2人(1人プラス一頭)の生活は温かさに包まれていてます。
この国(大陸)には魔獣がいたとされ、それを討伐し国を興したのがフィンリィの祖先と言われています。この国の成り立ちの理由、祖先たちの所業…史実として伝えられてきた輝かしい内容と真逆な真実をフィンリィは知ってしまいます。そして魔獣として害悪とされていたものは実は聖獣で、カイだったことが明らかになりました。
カイは人の姿をとることが出来ますが、それはフィンリィの陽の気のお陰。2人はお互いに癒し高め合う関係だったようです^ ^
この国(大陸)を元の状態に戻すため、あることを計画することになりますが、この計画の顛末が非常に面白かったです。もうね…クソバカな父母弟にマジで嫌気がしました(最初からしてるけど)。間違った忠誠心でトチ狂った宰相も同様です。
栄華・繁栄から、零落・衰退への足音が聞こえてくる終盤はワクワクしました。このシーンを見るために、それまでのフィンリィの痛くて悲しいシーンが我慢できたようなものです。
ファンタジーらしい大きいスケールでの天罰と、フィンリィの家族の哀れな末路に気持ちはスッキリ。これは天罰でもなく、なるべくしてなった結果です。
完全なる勧善懲悪エンドに読後感は最高!
フィンリィが気の毒すぎてどうなることやらと思っていましたが、キッチリとまとめてくれた作者さんに感謝です。国の行く末と悪者どもの最後は見どころ抜群で、関心高く読んでいました。もちろん2人のイチャも甘くて良かったですよ!
欲を言うと、カイの人の姿でのラブラブをもっと見たかったです。今後はそれも思いっきり出来ると思うので頭の中で期待しときます^ ^
スッキリな読後感を得られたい方におススメです。
属性的にはいわゆる不憫受けのお話のはずなのですが、これが不思議なことに読了後の気分は爽快の一言です。
いやあ、気持ちが良かったです。スッキリしました。
ストーリー展開が非常に面白く、1冊の中で綺麗にまとまっていて読みやすいです。
一族の者とは異なる瞳の色を持って生を受けた王子。
ただそれだけの理由で冷遇されているフィンリィがなんとも不遇なのです。
でもですね、読んでいて私はそこまで不憫受けっぽさと言いますか…ものすごく可哀想だとか気の毒とはあまり感じなかったんですね。
これがフィンリィ1人の身であったのなら、もっと悲壮感にあふれるものになっていたのかもしれません。
ここが貫井ひつじ先生の上手いところだなと思うのですが、孤独なフィンリィの側には常にカイという大切な家族がいるのです。
カイとフィンリィが暮らす離宮でのあたたかくて優しい日々が丁寧に描かれているからなのか、心を許せて背中を預けて泣けるような場所があったからなのか、つらい境遇の中でも安心して読み進めることが出来ます。
人にも獣の姿にもなれるカイという存在がとても愛情深くて、それはもう大きな愛でフィンリィを包み込むんですよ。
とびきり甘くて優しい溺愛攻め。もしくは包容力の大きな攻めかなと思います。
安心感がありますし、しかも褐色ときた。好きです。
なんでしょうね。読中に、カイがどうしてそこまでフィンリィを慈しむのか?なんて疑問がひとつも湧いて来なかったのがすごいなと。
他の誰でもなくお互いでなくてはだめなのだと思わせるエピソードが自然に描かれていて、そのどれもが心地が良いものだったのです。
フィンリィはもちろん、カイの愛情深さが非常に好みで好印象な2人でした。
フィンリィの不遇ながらもあたたかく小さな幸せがある日々に少しずつ影が落ち、自身についてや国を取り巻く事実、自身を愛してくれているカイについての事実を知っていく。
中盤からの流れるようなストーリー展開が面白く、ページをどんどんと捲ってしまいます。
そして、読み終えた後は気分爽快!お見事です!
名前と家族が印象的で素敵な1冊でした。
どこか優しくてあたたかく、すっきりとした読み心地の作品をお求めの方はぜひ。
もし入手が可能であれば、その後の甘い2人が読めるコミコミスタジオさんの小冊子付きがおすすめです。
鈴倉先生のイラストに惹かれて購入!
試し読み時点で、主人公が冷遇されていて「どうしようかな…」と少し躊躇しましたが、コミコミスタジオさんのインタビューで
>主人公を「何が何でも幸せにする!」という意気込みで書いています。
と先生が答えてらっしゃったので、「どんなに不遇でもこの子はきっと幸せになる筈…!」と信じて読みました。
もう、家族や周囲から冷遇されるフィンリィが可哀想で可哀想で…
敵意や侮蔑を向けられても冷静に振る舞う一方で、カイの前ではボロボロに泣く姿に何度胸が締め付けられたことか
賢く健気なフィンリィの心が削られる度に「早く、この子を抱きしめてくれ〜〜」と願いながら読んでいたので、人型のカイ登場シーンに大興奮でした。
突如、寝床に現れた褐色美青年に困惑するフィンリィ可愛いねぇ……
いやー、正直、冷遇されたり不遇な主人公って可哀想で苦手だったんですが、不憫であればある程、その後の溺愛がめちゃくちゃ沁みる…!と言う事に気づきました。
序盤のフィンリィは可哀想で胸が張り裂ける思いでしたが、その分カイから注がれる無限の愛情に癒されますね。
孤独だったフィンリィが「愛」と「家族」を知っていく過程が凄く良いです。
一族と違う〝橙色の瞳〟と言う事で冷遇されてしまうフィンリィ。
そんなフィンリィが同じ境遇の叔父に言った「黄昏と同じ綺麗な色ですよ」の一言で、もう涙腺崩壊。
同じく辛い気持ちが分かるからこその救いの言葉。
叔父上はフィンリィに救われたに違いないですね。
勧善懲悪で悪に打ち勝つストーリーは本当にスカッとします!
可愛い動物達も沢山登場して、スッキリ大団円なラストも◎
電子限定描き下ろしSSは、フィンリィに拾われた頃のカイ視点で描かれています。
こちらの作品は「名前」が齎す力を重視しているようで、最初から最後まで「名前」に纏わるエピソードでした!
やっとフィンリィの名前を呼ぶ事が出来たカイの想いに、また泣かされた…笑
本当に素晴らしい作品をありがとうございました!
今回は白銀の聖獣と第一王子のお話です。
冷遇される受様が攻様との出会いで始祖の過ちを知り
神に選ばれた統治者を実権をとり戻すまで。
200年前に第7大陸に辿り着いた一族の長は
大陸を支配する魔獣を倒して王となります。
魔獣に従っていた先住民のカリヨン族は
罪の一族として人前に姿をさらす事を禁じられ
人間達労働を一手に担う事となります。
人間達は飢えの心配が無く、労働の必要も無いため
人々の興味はもっぱら娯楽の探求に向けられ
富と繁栄を享受しています。
受様は現王の第一王子として生を受けますが
王族特有の赤褐色の瞳を持たずに生まれたため
王も王妃にも疎まれて育ちます。
2年後に赤褐色の瞳を持った第二王子が生まれると
王妃を筆頭に第二王子を持て囃した為、
受様の待遇はさらに悪化し、12の時には寂れた離宮で
1人で暮らすようになります。
受様は13才の誕生日に探検していて見つけた
崩れかけた石塔にいた白銀の毛並みの獣を連れ帰り
共に暮らし始めます。この獣こそ今回の攻様です♪
この大陸では四つ足の獣は恐怖の対象とされますが
受様にとって攻様だけが唯一無二、大切な家族でした。
初代王の方により第一王子は「クレイド」の名と賜り
王位継承者としての教育を受けると決まっていますが
第二王子が成人の誕生日を控えたある日
受様は王からクレイドの名の返上と
王位継承権の譲渡を命じられ
受様は衝撃のあまりすぐには言葉を発せませんでした。
前王から使える宰相は王の言葉をあくまで提案で
命ではないと続けますが
宰相は王の願いを承諾するなら受様が熱望する
王弟との面会を手配すると言い出すのです。
受様は叔父で名付け親でる王弟の面会を望んでいましたが
病を理由に面会が許された事はありません。
果たして受様が継承権を放棄する事は正しい事なのか!?
大陸の正しく統治者である攻様と
次期王位継承者ながら冷遇される受様の
もふもふファンタジーになります♪
実は王族の歴史は都合よく書き換えられたもので
正しい歴史でありません。
魔獣とは大陸の統治権を与えられた聖獣であり
聖獣が初代王の策略によって囚われた事で、
聖獣の眷属である四つ足の獣姿と人姿のカリヨン族は
人間達への奉仕を余儀なくされたのです。
そして攻様こそがその聖獣なのですよ。
攻様はどうして捕らわれることになったのか
なぜ受様は攻様を塔から出すことができたのか
攻様は本来の力を取り戻す事ができるのか
見えてくる過去の真相によって
攻様と共にある事すら許されないのではと思う受様が
どういう選択をするのかハラハラさせられますが
攻様が寵愛する受様を手放す選択肢を選ぶはずもなく
宰相の狙いを阻んで受様が攻様の最愛の伴侶となるまで
たいへん楽しく読ませて頂きました ヾ(≧▽≦)ノ
この主人公の不憫さは、なかなか無いぞ、結構読み進めるの、ツラいな、と心が悲鳴を上げるレベルでした。
味方がね、たった一匹なんですよ。
一匹の獣だけ。
主人公フィンリィは、れっきとした王位継承権を持つ、第一王子であるにもかかわらず、周囲の人間はみんな冷たい態度、心無い言葉をぶつけてくるんです。
本当にヒドい。
このヒドい仕打ちは、ずっと続くのですが、味方であり、家族である獣、カイの存在が、フィンリィにも、我々読者にもなんとも心穏やかな時間を与えてくれました。
モフモフは癒やしですね~。
カイは、ずっと溺愛状態なんですよ。
ケモノ姿のときも、人間の姿のときも。
常にフィンリィを甘やかし、過保護なほど守ります。
バックハグが常態。
フィンリィの冷遇っぷりを嘆いているこちらとしては、もっとその愛情を注いでやってくれ、私の分も注いでやってくれーとお願いしたくなりました。
物語は、ファンタジーにこの表現はどうかと思いますが、『水◯黄門』や『大◯越前』のような往年の時代劇を彷彿とさせる勧善懲悪モノでして。
ずっとツラいフィンリィを見てきたので、こうなってほしい、と思っていた通りの展開に大満足。
キレイでスッキリとしたラストシーンでした。